2026/01/27

⚫︎ツタヤディスカスで借りたDVDで『ライフ・アクアティック』(ウェス・アンダーソン)を観た(この映画は、U-NEXT、Netflixでは観られず、アマプラだと観られるがレンタルではなく「購入」しなければならない)これは、もう20年以上前の映画なのか。日記を検索すると、ぼくはこの映画を2005年6月16日に、恵比寿ガーデンシネマで観ているようだ(日記を書いているのは17日と18日だが)。

おそらく、当時、これを観るより前に『天才マックスの世界』と『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』はビデオかDVDで観ていて、これらは、才気走ってはいるが(妙な言い方だが)わりとオーソドックスな「エキセントリックなアメリカ文学」という感じだったのが、この作品くらいから他の誰にも似ていないウェス・アンダーソンならではの感じが強く出てきて、どこかで観たことがあるようでまったく観たことがないような(撞着語法ばっかりだな)、こんな映画があるのかという驚きと共に観た記憶がある。

ただ、今回観る前は、ウェス・アンターソンでは『ライフ・アクアティック』が一番良かったと思っていたが、改めて観ると、思っていほど良くはなかったかな、とも感じてしまった。センスが素晴らしいのはいうまでもないが、それに比べて「お話」がどうにも面白くないというところが気になった。擬似ノスタルジーの完全な嘘話というわけでもなく、文学的リアリティを意識した話でもあるのだけど、しかしリアリティの追求が徹底してなされているわけでもないという、どっちつかずの感じがした。

どっちつかずというより、お話としてのリアリティの部分と、独自のセンスを持った語りのスタイルのあり方とが、うまく噛み合っていないというのか。

ただ、この「どっちつかず」の感じこそがウェス・アンダーソンの面白さだとも言える。初期の作品は文学性が強いというか、文学的リアリティ重視で、最近になるにしたがって、「嘘の世界」を完璧なスタイルで作り上げるという感じになってくる。で、最近の「完璧なスタイル」のやつはぼくはあまり興味を持てないので、中間くらいの『ライフ・アクアティック』や『ダージリン急行』くらいがやはり一番いい感じかもしれない。

ライフ・アクアティック』は、やや冗長というか、一つ一つの細部は素晴らしいのに、進行がキビキビしていなくてややもっさりした感じがあるが、むしろその、決まりすぎていない緩い感じこそがこの映画の(ウェス・アンダーソンの諸作品の中でも)他にはない特徴的な魅力とも言える。

⚫︎《「完璧なスタイル」のやつはぼくはあまり興味を持てないので》と書いたが、『ムーンライズ・キングダム』の後半で「引いた」のだった。

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