青土社から手紙が転送されてきて、差出人をみたら大学時代の恩師で、本を読みましたということが書かれていた。でも、恩師という言い方はあまり適当ではなくて、実技の担当の先生ではないし、ぼくはこの先生のいくつかの講義に出ていただけで(とはいえ、ぼくは大学のときずっとアトリエにいて講義にはほとんど出ていないから、いくつかの講義に出ていたというのはかなり珍しいことなのだが)、ちゃんと話をしたこともないくらいなのだけど、ぼくの提出したレポートを面白がってくれて(手紙にも、あなたの書いたレポートは印象に残っています、みたいなことが書かれていた)、何度か展覧会も観ていただいたことがある。とはいえ、行き来といえるものはそれだけなのに、ぼくの名前をちゃんと憶えていて下さったのだなあ、と思った。その後、先生が大学を移られたこともあって、行き来はなくなったのだけど、住所をみると、二十年前にぼくが学生だった頃とかわっていないようだった。本が出るというのは、こういうことでもあるのだった。
●今日からジュンク堂新宿店でフェアがはじまるはずで、ちょっとどんな感じなのか棚をのぞきに行こうかとも思ったのだが、ずっと原稿を書いていたので行けなかった。