2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
●散歩しながら考えた。人の生というのはつまりは、様々な風景を見て、様々な音を聴き、様々な物に触れるということ(その知覚―感覚―情動)の集積なのだから、画家としての自分がすべきことは、ただひたすら「物を描く」ことなのではないか。あるいは、この日記…
●久しぶりに、のんびりと川沿いを歩いた。
●『進撃の巨人』、10話まで観た。放送時には確か2話まで観て、それ以降は観なかった。それは面白いと思えなかったからで、今回も、7話くらいまではまったく乗れなかった。たんに退屈というだけでなく、「嫌な感じ」をずっと持ちながら観ていた。お話も、語り…
●高谷史郎「明るい部屋」を観るために東京都写真美術館へ。二度目。 「Toposcan」。目を奪われ、言葉を失う、という経験。眼を極度に興奮させる、極度に穏やかな(ひょっとすると、冷たい)もの。眼と耳から「感覚」へと繋がり、その風景と音は、静かな、穏や…
●「シュタインズゲート」劇場版(負荷領域のデジャヴ)のDVDが出ていたので借りてきて観た。劇場でも観たので二度目。「ガッチャマンクラウズ」の後だと、オカリンの声の端々にベルク・カッツェのイメージが重なってしまう。 驚くべき傑作「シュタゲ」のつづ…
●国立西洋美術館とメゾンエルメスフォーラムに行って、アートトレイスの松浦寿夫レクチャーを聴講した。 ●西洋美術館のモネ展は、目玉となる作品が普段常設で展示されているものというのはどうなのかと思った。とはいえ、普段とは違う感じの展示で観て、「睡…
●iPod nanoを買ったということもあってなんとなくiTunes Storeをいろいろ覗いていたら、ブレッソンの『湖のランスロ』と『たぶん悪魔が』がレンタルで観られるのを知って驚いた。しかも48時間レンタルで200円という値段だった(作品によってレンタル料は違う…
●レンタルしてきた『パシフィック・リム』のディスクを再生したらいきなり宇宙空間で視点がぐるぐる動くすごい映像があらわれて、おーっ、さすがにすげえなと思ったら、それは『ゼロ・グラビティ』の予告編の映像だった。『パシフィック・リム』は、ぼくには…
●国立新美術館で「印象派を超えて――点描の画家たち」。密度のある展覧会とはとても言えないが、「地味だけど良い作品」がいくつか観られたのでよかった。シスレー、ピサロ、ドラン、モンドリアンがよかった。あと、ゴッホのデッサンが素晴らしかった。 例え…
●携帯で撮っている写真を保存しておくSDカードの容量が12月のはじめくらいに一杯になってしまって写真が撮れなくなっていたのだけど、買いに行っている時間がなかなかなかった(だから今月はあまり写真が撮れていない)。で、今日、近所の家電量販店まで買いに…
●磯崎憲一郎「電車道」(「新潮」一月号)の連載一回目。出だしでは、前の作品の延長みたいな感じかと思ったけど、だんだん別の方向へずれてゆく。焦点となる人物が入れ替わってゆくというのではなく、人物とはあまり関係なく焦点がずれてゆく。今までの磯崎さ…
●『境界の彼方』についてもうちょっと。 秋人は、(性的な嗜好として)「メガネ美少女が好き」なのか、「メガネ美少女だから(メガネ美少女の一人として)未来が好き」なのか、あるいはただ(他ならぬ)「未来」が好きなのか。勿論、そのすべてだろうと思う…
●『境界の彼方』が終わった。名瀬泉と藤真弥勒の消え方に「二期(あるいは映画版)もあるぞ」的な含みを残す感じ。 面白かった。面白くない回が一回もなかった。でも、何がどう面白かったのか言葉にするのは難しい。物語的には、ありがちというか、どこかで…
●一か月以上かけてずっとやっていた面倒な用事がようやく(ほぼ)終わって、ほっとして、ぼーっとしていた。 ●夜、冷たい雨のなかを、片手に傘をさしているから片手だけで重たい荷物を持って、荷物の重さによろけそうになり、風で傘がもっていかれてよろけそ…
●帝国ホテルで野間文芸賞の贈呈式があったのだけど(という風に書くとあたかもぼくが受賞したかのように読める)、ああ、帝国ホテルって「それ」なのかと初めて知った。帝国ホテルという名前や存在は勿論知っていた。そして、あの場所にああいう建物が建って…
●カーツワイル『ポスト・ヒューマン誕生』を読む秘密の研究会(別に秘密ではないのだろうけどそんな雰囲気)に参加させていただく。アート系や文学系や思想系の本を読んでも見えてこない(技術的な)世界や未来にリアルに触れている人たちの話はとても刺激的…
●井上智洋さんのブログを発見した。でも(今のところ)、記事が一件しかない…。その、一件しかない記事から引用。「消費税増税論議に欠けていることー政府の借金こそがマネーを増大させるー」 http://inouetomohirox.hatenablog.com/ ●まず要旨をざっと要約…
●鎌倉で、保坂和志さん、祝野間文芸賞受賞、磯崎憲一郎さん、祝泉鏡花賞受賞、関根真司さん、祝カオハガン島移住、の会。その後、その会に参加していたcore of bellsの瀬木俊さん、山形育弘さんと、立ち飲み屋で飲む。しばらくして、映画監督の鎮西尚一さん…
●今年の夏はとても暑くて光が強く、強い光を見ると興奮してしまう質なのでテンションが上がって張り切りすぎてしまったようで、九月の中頃すぎから無理をした疲れが出てしまったのか、我ながらどうも低調なのではないかという感じがずっとつづいていた。しか…
●先月ぼくがゲスト講師をした早稲田の文化構想学部の西川アサキさんの講座で、経済学者の井上智洋さんが「技術的失業・ポストヒューマン・ベーシックインカム」という主題で話をするというので聴講させてもらいに行った。 技術的失業とは、例えばATMの普…
(ちょっと、昨日のつづき) ●『贖罪』を観たときも、まず「お話」が面白くない(というより、『贖罪』の場合は「受け入れ難い」という感じだったのだけど)という違和感が強くあった。でも、その話のつまらなさの隙間から「黒沢清の映画」としか言えない何…
●『リアル〜完全なる首長竜の日〜』(黒沢清)をDVDで観たのだけど、うーん、ぼくにはなんとも面白くなかった。つまらないのではなく、とても立派な仕事だと思うし、文句をつける気もないけど、面白く「は」ない、という感じ。退屈することもなく、興奮す…
●「日経サイエンス」の特集「量子世界の弱値」を、興奮を抑えられない感じで読んだ。「日経サイエンス」の量子論の特集を読んでいると、中学生の頃に「ビックリハウス」や「宝島」を読んでいた時の興奮がよみがえるようだ。「宝島」で、糸井重里や柄本明や湯…
●「群像」に載っている野間文芸賞の受賞対談(保坂和志・高橋源一郎)で保坂さんが、「読解力なんていうのは奴隷の精神なんだ」というようなことを言っていて、おおーっ、と思った。保坂さんは時々本当にすごいことを言う。無造作な手つきで重要なものを荒っ…
●昨日の日記で引用した、十川幸司、原和之、立木康介の座談会が掲載されているのは岩波書店の「思想」2010年6号だとメールで知らせてくださった方がいました。ありがとうございます。 http://www.iwanami.co.jp/shiso/1034/shiso.html ●その座談会の「…
●お知らせ。「すばる」1月号に、保坂和志『未明の闘争』の書評(「未来の我々のために」)を書いています。レイ・カーツワイル(『ポスト・ヒューマン誕生』)VS保坂和志(『未明の闘争』)という感じで書きました。 ●ネットで、十川幸司『来たるべき精神…
●何日か前だけど、深夜にBSで『頭痛 肩こり 樋口一葉』(こまつ座)の舞台録画をやっていたのをなんとなく観ていて、その、ベタの上にもう一つ二つベタを重ねるような、徹底したベタさに軽いショックを受けた。演技もベタベタ、演出もベタベタ、台本もベタ…
●一昨日(12月2日)の日記で図で描いて考えたことをもう少し勝手にすすめて考えてみた(『ミシェル・セール』をもとにして勝手に図にして考えた)。 ●「あるがままの多」の知覚としてあらわれるゲシュタルトは、以下のように考えられる。 ●ゲシュタルトと…
●十一月に撮った写真、その三。
●『ミシェル・セール』(清水高志)の第二章にある「人間プレート」というイメージがとても面白い。「私たち」の存在論的変質と「自然」。以下、引用、メモ。 ≪現代の科学文明を享受している「私たち」にとって、自然が見失われていることは確かだとしても、…