2015-01-01から1年間の記事一覧
●近所を散歩していて、通っていた幼稚園の建物が建て返られようとしているのを知った。建物は今はまだ、リフォームされてはいても、基本的にはぼくが通っていた頃のままで、外観を観るとなかの空間のイメージが蘇った。だけど前庭の部分は、建築作業のための…
●あくまで比喩に過ぎないとしても、「データベース」と、「ビックデータ」とではずいぶんイメージが異なる。前者においては、全体性をもたない(文脈から切り離された)断片であるとしても、それ自体として形や像やキャラをもったもの(「萌え要素」のような断…
●『社会の新たな哲学』(マヌエル・デランダ)を読みはじめた。以下、引用。 《私は言語を、決定的で特別な構成要素として常に論じる。これにより、言語的ではないがあたかも象徴作用をもつものであるかのように誤ってとらえられてきた表現的な構成要素を明確…
●『海街diary』(吉田秋生)1〜6巻。ここのところいろいろなマンガを意識的に読んでいて、皆それぞれ面白かったのだが、それらがみんな吹き飛んでしまうくらいの衝撃。読んでいる間、心が完全にあちら側に吸い取られていて、こちら側のぼくの魂は抜けていた。…
●『ちーちゃんはちょっと足りない』(阿部共実)を読んだ。「よつばと!」かと思って読んでいたら実は「エヴァ旧劇版」だった、と。とても重要な問題を掘り出すことに成功していながら、そこを追究するよりも読者に対するショックの強さを優先させてしまってい…
●ウィニコットの『遊ぶことと現実』を読んでいたら、「夢」と「空想」との本質的な相違について書かれていた。夢を見ることは現実の生活をすることと同じ種類に属し、空想すること(白昼夢を見ること)は別の種類に属している、と。夢は、現実の生活や対象とつ…
●今日は『いぬやしき』(奥浩哉)を五巻まで読んだ。『僕だけがいない街』や『刻刻』に比べると展開が単調だと感じられた。ただ、その分を画力でカバーしている感じ。一つ一つの場面を絵できっちりと見せようとしているためか、物語の進行が遅い感じもした。と…
●何かから逃避するかのようにここ数日マンガを読んでいる。『刻刻』(堀尾省太)全八巻を読んだ。面白かった。 ネタバレになってしまうけど、これって、敵同士であった佐河と樹里との「接触(=決裂した対話)」によって二人の間に子供が生まれた、という話と解…
●『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(浅野いにお)3巻まで読んだ。 いままで浅野いにおは苦手だったけど、これはいい感じ。言ってみれば、イマドキの女子高生の日常を描いているだけとも言えるけど、それをリアルなものとして成立させるため…
●『子供はわかってあげない』(田島列島)を読んだ。これはよかった。マンガを読んで保留抜きで面白いと思ったのは三好銀以来だと思う。一見、ふわっとしたオフビート系に見えて、実はすごく精密に隅々まで作り込まれていて、でも、同時にちゃんと緩さや隙は残…
●DVDを返却に行って、ツタヤは最近ではマンガのレンタルもやってるんだなあと、いつもはスルーする棚の前をうろついて、普段マンガはほぼ読まないのだが、『僕だけがいない街』(三部けい)というどこかでタイトルを聞いた記憶があるマンガを六巻まで試しに借…
●アトリエに来客。下は、お客さんが帰ってからふと思い立って描いてみたスケッチ。自分的にはなんかちょっと新しい。
●「近代科学」がはじまったのが17世紀だとして、それからまだせいぜい400年に満たない時間しか経っていないのに、地上では世界中のコンピュータがネットワークで繋がって人間の無意識が日々データ化され、空には国際宇宙ステーションが回っているという、こ…
●『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(ジョナサン・グレイザー、この人はジャミロクアイ「Virtual Insanity」のPVをつくった人なのか)をDVDで観た。 これはぼくにはあまり面白くなかった。それでも、スカーレット・ヨハンソンがただ淡々と、与えられた役割と…
●お知らせ。明日、12月18日付けの東京新聞夕刊に、ICCでやっているジョン・ウッド&ポール・ハリソン「説明しにくいこともある」についてのレビューが掲載されます。 ●qpさんの下の写真、かなりすごいのではないか。 http://d.hatena.ne.jp/com/20151217 こ…
●一か月くらいかかったヘヴィーな用事が一通り終わってほっとする。
●今期のアニメはイマイチなので、アニメ欲を埋めるために『進撃の巨人』を改めて観直している。「進撃…」は最初アニメで通して観て、次に原作を現在出ているところまで読んで(原作は自らすすんで読んだのではなく、必要があって読んだ)、そして今度またアニ…
●以下は「現代思想」12月号からドミニク・チェンの引用。なるほど、その通りだなあ、と思うと同時に、しかし、本当に「人間」というのはそんなに「創造的な存在」なのだろうか、という疑問もなくもない(最近、人間不信というか「人類不信」なので…)。 《私た…
●『鉄血のオルフェンズ』第11話。前回、「実は生き別れになった弟がいるんだ」という話が唐突に出てきて、今回、早速その弟に偶然出会うというのは、わかりやすいと言えばわかりやすいけど、伏線の張り方としてどうなのか、と思った。 (あと、海賊たちのキャ…
●『プリデスティネーション』(スピエリッグ兄弟)をDVDで観た。グレッグ・イーガンが誉めているのをみかけたので。 http://gregegan.customer.netspace.net.au/ESSAYS/NISF/NISF.html (イーガンは主に、最近のSF映画がいかにダメかという話をしている――「her…
●「似ている」ということに興味がある。例えば、最近YouTubeを観ているとよくタマホームの広告が入る。そこに出ている神田沙也加がびっくりするくらい母親の松田聖子に似ていることにたじろぐ。前は、そんなに似ていなかったと記憶しているのだが。 ここでニ…
●ここ数年、アニメと「サイエンス・ゼロ」以外はテレビをほとんど観なくなってしまった。とはいえ、ドラマはTSUTAYAで借りて観ることがあるし、バラエティもYouTubeで観ることはある。たまに、YouTubeで、五分くらいに分割されているバラエティをだらだら追…
●初台のICCで観た、ジョン・ウッド&ポール・ハリソン「説明しにくいこともある」がとても面白かった。重力と運動(力学)、物の硬さ、摩擦、弾性、粘度、そして人の身体、を語彙とし、古典物理学を文法として書かれた詩、という感じ。イメージの文法に従うの…
●『スライ・ストーン』(ウィレム・アルケマ)をDVDで。映画としては、「最近のスライの姿が見られてよかった」という以上のものではないけど、でも、最近のスライの姿が見られてよかった。 映画のなかに、スライの評伝を書こうとしている双子が出てくるのだけ…
●日曜に「サイエンス・ゼロ」で、ニュートリノの振動(質量)についての解説をやっていて、それを観ながら下のようなことを考えた。 我々が構成する「現実」は、虚構と物理と政治(権力関係)によって成り立っていると考えることができる(これは、想像界、現実界…
●『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第10話。前回くらいから、なんとなく醒めた感じになってしまった。確かに上手くつくってあると思うのだけど、あらゆる場面がキャラクター消費のための仕込みのように思えてきてしまった。オルガが年上の女性に簡単…
●「群像」の冒頭の座談会(「21世紀の暫定名著」一般書篇)をパラパラみていた。「21世紀の暫定名著」という企画なのに、なぜもっと「新しいもの」を知っている若い人に選んでもらわなかったのか、というのもあるけど、それより、この座談会に出席している人た…
●「自然言語で考えたり書いたりしている時点で、そもそもそれは論理的ではあり得ない」という言葉に、衝撃を受け、納得を得た。 ●『イミテーション・ゲーム』についての感想(一昨日の日記)で書いた、論理的に考えることと社会的に考えることは違っているのだ…
●『限界費用ゼロ社会』(ジェレミー・リフキン)という本が気になって買ってみた。以下、「内容紹介」からの引用。 《IoTはコミュニケーション、エネルギー、輸送の〈インテリジェント・インフラ〉を形成し、効率性や生産性を極限まで高める。それによりモノや…
●『イミテーション・ゲーム』(モルテン・ティルドゥム)を、DVDで観た。11月23日の日記を書いた時点ではこの映画を観ていなかったのだけど、これはまさに「天才の製作物が世界を変える」という物語だった。 http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20151123 …