2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

07/11/30

●お知らせ。「風の旅人」(vol.29)に、「ナイフと傷、反復と共鳴」という文章を書いています。あと、現物はまだ確認していませんが、「InterCommunication」(2008年winter)に、ICCでやっていた坂本龍一+高谷史郎のインスタレーション《LIFE -fluid, invisib…

07/11/29

●若い画家が二人、アトリエに遊びにきてくれた。アトリエを割とオープンな感じにしていて、気軽に人を呼んで作品を観てもらったり、人のアトリエへも行ったりする人もいて、まあ、広いスペースを数人で借りて共同アトリエにしているような人は自動的にそうな…

07/11/28

●散歩をしていると、黒ずんだ畑の土の色さえもが、ほとんど戦慄のようにして迫ってくることがある。これは少しばかり病的なことなのだろうか。きれいに整備された畑の片隅に、三列にわたって、まったく手つかずで実のついたままに立ち枯れになっているナスが…

07/11/27

●マティスの作品としては、いままでは割と関心が薄かったタイプの作品(1935~6年頃に描かれた、後に「ルーマニアのブラウス」とか「夢」へと発展してゆくような、オダリスクとは異なるタイプの人物画)が、突然、それまでとはまったく異なる新鮮さで眼に入っ…

07/11/26

●昨日、昼間に散歩したコースと、まったく同じコースを、今日は夕方歩いてみた。本当は、全く同じ時刻に、同じコースというのをやってみたいと思ったのだが、昼間に用事があって夕方となってしまったた。(かなり冷えていて、途中でトイレにいきたくなってし…

07/11/25

●暖かく晴れた日。歩いているだけで軽く汗ばむほど。外にいる、というだけで、ひたすら気持ちがいい。書き終えた原稿をメールで送ってから、昼前に出掛け、出来るだけ静かなところを選んで、ただゆっくりと歩く。赤や黄色になったものでも、緑のままやや色が…

07/11/24

●「ミシェル・ゴンドリー Best Selection」というDVDを観てみた。やはりミシェル・ゴンドリーは、映画よりも、ミュージック・クリップの方が断然面白い。この人は、ビョークの「Human Behavior」で注目されたらしいのだけど、ビョークと組んだ作品は、どちら…

07/11/23

●昨日、photographers' gallery+IKAZUCHIで観た大友真志の作品について、感想をとりとめなく書いてみる。●一見、慎ましくあるようで、非常に多弁である。多弁ではあるが、決して声高ではない。撮影場所は、おそらく実家のリビングのようなところなのだろう…

07/11/22

●新宿のphotographers' gallery + IKAZUCHIで、大友真志写真展「Northern Lights - 1 母と姉」、青山のboid+で、金村修「ダンテロブスター」。どちらもよかったけど、特に大友真志に惹かれた。人はイメージのなかの「何を」観て、「何に」魅了されるのだろ…

07/11/21

●淵野辺のプルヌスホールに、OPAP(桜美林大学パフォーミングアーツプログラム)の『ゴーストユース』(作・演出/岡田利規)を観に行った。岡田利規が、学生と一緒につくった舞台。微妙な部分も含めて、とても面白かった。淵野辺は割と近いので観に行ったのだが…

07/11/20

●『愛その他の悪霊について』(ガルシア=マルケス)。例えば(いわゆる「近代小説」である)フローベールの『ボヴァリー夫人』だったら、非人称的なものであるとはいえ、明らかに語り手の視点のようなものがあり、描写するものとされるものの間の位置関係のよう…

07/11/19

●寒い日。夕方、買い物に出たら、住宅街の道で、鼻へと吸い込んだ冷たい空気のなかに、石油ストーブに火をいれた時の煤けた匂いがかすかに混じっているのを、粘膜をざらっと擦る軽い刺激とともに感じた。歩いていて、かなり長いこと、その匂いはつづいた。そ…

07/11/18

●朝、目が覚めてテレビをつけると、森尾由美と磯野貴理と松居直美の番組が終わるところで、それにつづいて、中村うさぎとマツコ・デラックスと、あと一人、ぼくは知らないのだけど、割と若い(三十前後)女性で、株のトレーダーだという人のトーク番組がはじま…

07/11/17

●平倉圭さんのレクチャーを聞きに、秋葉原にある明治大学サテライトキャンパスへ。九時半からはじまるのだが、九時半に秋葉原に着くためには、七時半には部屋を出る必要があり、そのためには六時半には起きなきゃいけなくて、六時半なんて、下手すると普段は…

07/11/16

●責任というのは厄介な概念で、何ものかを背負ってしまったとたんに、人はしばしば自らの位置を見失う。いやそもそも、人間にとって、何ものをも背負わないというのは、限りなく不可能に近いことではあるけど。ただ、正しさに対して責任をとろうとすると、そ…

07/11/15

●メタ言語は存在しない。あるいは、メタ権力は存在しない。これはおそらく、人間の条件であろう。ラカンの理論などとは無関係に、この感覚は、生きて生活している時の感覚として、分る人には、嫌というほどリアルに分るのではないか。というか、全ての人はこ…

07/11/14

●『グエムル 漢江の怪物』(ポン・ジュノ)をDVDで。驚いた。これはすごい傑作。ぼくは現代アメリカ映画をちゃんとは観ていないので挙げる名前が貧しいのだが、この映画は、トニー・スコットより、サム・ライミより、ティム・バートンより、そして黒沢清より、…

07/11/13

●『ほえる犬は噛まない』(ポン・ジュノ)をDVDで。これはさすがに面白い。おそらくポン・ジュノはたくさんアイデアがある人で、いろんなテクニックも使える器用な人で、だからいろいろやりすぎて『殺人の追憶』のように、何をやりたかったのかよく分らない感…

07/11/12

●対談集『映画のこわい話』(黒沢清)。全体としては、特別に面白い本というわけではなかったけど、相米慎二との対談が素晴らしくて感動した。親しいという訳ではないが、まったく知らない仲というのでもないと思われる二人の映画作家(ディレクターズ・カンパ…

07/11/11

●論争というものがあまり信用できない。例えば、イチローが、自らのバッティング理論(テーゼ)と基本的に対立する理論(アンチテーゼ)をもつバッティングコーチとの対論を通じて、そのバッティング技術を高める(止揚する)、なんてことはあまり想像できない。イ…

07/11/10

●今日は全然頭が働かない。頭の芯が痺れているようで、何かをはじめようとすると、すぐに眠気が襲って来て、ぼーっとなって、集中できない。頭のなかがどろーっとしている。こういう時でも、無理して集中しようとしているうちに、徐々に頭が働き出すこともあ…

07/11/09

●『殺人の追憶』(ポン・ジュノ)をDVDで。薦められて、ポン・ジュノをはじめて観た。何というか、変な映画で、一本の映画としての統一した印象がない。いろんな映画のいろんな要素やテクニックを、ほとんど脈絡なく継ぎ合わせて出来ているような感じ。しかも…

07/11/08

●かなり前から持ってはいたのだけど、なかなか最初の二、三ページを通過することのできなかったクロソウスキーの『肉の影(バフォメット)』の、なんとかプロローグの部分を通り抜けることが出来た。とはいえ、見通しを塞いだような、ただ足下みのを見て迷路を…

07/11/07

●kuriyamakoujiさんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/kuriyamakouji/20071107)に、先日行われた保坂和志さんとぼくの対談についての反応が引用されいました。ぼくは、それが厳密なロジックにもとづくものであろうとプロレス的なものであろうと論争という形式…

07/11/06

●『「三十歳までなんか生きるな」と思っていた』(保坂和志)。収録されているエッセイは全て初出で読んでいるのだけど、纏めて読むとまた印象がことなる。熱くて真面目な調子に圧倒される。読んでいる間中、「お前はいい加減なんだよ」と言われつづけているよ…

07/11/05

●『陽気で哀しい音楽に』(佐藤弘)。この本は、三日の講演の時、会場に来ていた作家本人から頂いた。正直、最初の「秋」という章は、この作家の良い部分とあまり良くない部分とが半々くらいで、うーん、という感じだったのだけど、二つの目の「秋の終わりと、…

07/11/04

●昨日の講演の保坂さんの発言について、気になったことをもうちょっと。保坂さんは、「エッセイでは、例えば東京タワーは千代田区にある、と書かれれば、それはすぐに現実と照らし合わせて間違いだということになるけど、小説でそのように書かれた時、それは…

07/11/03

●中央大学で、保坂和志さんと対談。昨日の寝る前くらいから、なんでこんなに、と自分でも不可解なくらい緊張していた。あまり眠れなかった。中央大学へと向かう途中、乗り換え駅でトイレにいった時、パンツを後ろ前に履いていることに気づく。今朝、どんだけ…

07/11/02

●『電脳コイル』1~5話をDVDで。普通に面白い。電脳ナントカとかいっても「新しさ」を強調するというより、きわめてオーソドックスな(ちょっと懐古趣味のはいった)ファンタジーになっている(天沢退二郎の童話などが想起される)。ただ、一応「電脳」的な世界…

07/11/01

●本を読むために喫茶店に入り、席についたら、背中側の隣りの席から、やたらと耳にからみつくような喋り方をする声が聴こえてきて、席を選択を誤ったと後悔した。背中側なので姿は見えないが、中年の夫婦らしくて、夫の方が一方的に喋っていて、妻の方は相づ…