2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

●けいそうビブリオフィルの連載で、前に「相対性理論的な感情」として、『ほしのこえ』と『トップをねらえ!』について書いたけど、次は「量子論的な多世界感覚」について書こうと思っているのだけど、おそらくこの二つをあわせた先に『君の名は。』があると…

●『量子という謎』(白井仁人、東克明、森田邦久、渡部鉄兵)で、量子力学の観測問題についてとても明快に説明されていたのでメモしておく。 量子力学で観測が問題とされる時、次の三つの条件がかかわってくるという。 (A)固有値⇆固有状態リンク (B)独立系のシ…

●本の整理と本棚の大移動をした。セールの本を読んでいて読み返したくなって、ここ二日くらい本棚を探してもみつからなかったフロベール『三つの物語』(福武文庫版)を見つけることができた。 ●『ゼーガペイン』の観直しを始めた。今日は五話まで。『ゼーガペ…

●『響け!ユーフォニアム』、第四回。この作品の曲者性が存分に出ていた。一見、いい話にみえて、実はそんなにいい話ではない。そして、実はそんなにいい話ではないということについて、作品自身が自覚的だ。 傘木と鎧塚のあいだにあった行き違いが解け、二人…

●『作家、学者、哲学者は世界を旅する』(ミシェル・セール)を読んでいて(二章まで読んだ)、「ガリレイはナチュラリズムの創始者ではないし、物理学はアニミズムのなかで生まれたのだ」というようなことが書いてあって、おおっ、となった。物理学は、宇宙のコ…

●お知らせ。勁草書房のウェブサイト、けいそうビブリオフィルに連載している「虚構世界はなぜ必要か?/SFアニメ「超」考察」の第10回「日常としての異世界・中二病 『AURA 魔竜院光牙最後の闘い』と『中二病でも恋がしたい!』(2)」が公開されています。前回か…

●1989年の西武美術館の展覧会図録に載っていて(初出は88年の西村画廊での個展のカタログ)、二十歳そこそこだったぼくがとりわけ魅了され、影響を受けた中西夏之の文章をここに丸々引用したい。たぶん、今でもぼくはこのイメージに囚われていると、書き写して…

●やっと大学に入った1989年に西武美術館でやっていた中西夏之展「正面の絵 緩やかに ひらかれゆくとき」には衝撃を受けたし、すごく、すごく影響された。ただ、ぼくにとっての中西体験はその時がピークで、その後は、新作を観るたびに、少しずつ、ほんの少し…

●渋谷でVECTIONの会合。しかし、VECTIONは今日、VECTIONISMと改名しました。 ●建築家の柄沢祐輔さんも『君の名は。』を観てとても興奮したと言っていた。アニメとして「千と千尋…」以来の圧倒的な体験だった、と。ただ、ラストには納得していないようだった。…

●VR作品のためのエスキースをつくっていた。アナログな方法でだけど。

●『響け!ユーフォニアム2』、第三話。なんかもう、すご過ぎて、すごいとしか言えない。アニメとしてのクオリティも、話の深さも。 一つのカットが短くて、カットが沢山あって、その短いカットの一つ一つに多くの事柄が凝集されていて、しかも、カットとカッ…

●お知らせ。10月21日づけ、東京新聞夕刊に、東京オペラシティアートギャラリーでやっている「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」についての美術評が掲載されます。ミッフィーちゃんも掲載されます。 ●原稿、少し進んで、つづきが書け…

●ここ数日、「虚構世界はなぜ必要か?」の原稿を書きあぐねていて、頭がエアポケットに落ち込んだみたいにフリーズしていて、他のこともできなくなるし本も読めない感じになって、刺激のために『君の名は。』を観に行ったりしたのだけど、今度は、『君の名は…

●『君の名は。』の興行収入が150億円を超え、8週連続して一位にもなったという記事をみたけど、ぼくは昨日、地元のシネコンで、観客数約六名というとてもさみしい状態で観た。混んでいるよりはいいけど、ちょっと人がいなさすぎた。そもそもシネコン全体に人…

●『君の名は。』(新海誠)、すばらしかった。あえて不遜な言い方をすると、新海誠という作家がここまでできる人だとは思ってなかったので、たいへんに驚いた。本当にごめんなさい、ぼくが間違っていました、と。冒頭の、隕石が落下するカットを観た時点で、こ…

●DVDになってから観ればいいと思っていたのだけど、あまりに多くの人がいいと言っているので、明日、『君の名は。』を観にいこうと思い、深夜に『言の葉の庭』をDVDで観る。で、やっぱりぼくはこれは好きになれないかなあと思う。『聲の形』は、地元のシネコ…

●『数学的な宇宙』(マックス・テグマーク)という本を買った。まだ全然読んでいないし、いつ読めるかわからない(先にすべきことが多々ある)のだけど、どんな感じなのかパラパラみていると、本文開始から三ページ目に次のように書かれていて、ああ、(思いつい…

●『響け!ユーフォニアム2』、第二話。前半はプール、後半は合宿所。普段の学校とは異なる空間が、人物たちに普段とは違った動きをさせ、それが普段と違った出会い方を生み、普段とは違う会話を導き出す。それによって関係が動き、物語が動いてゆく。 この作…

●鎌倉の、神奈川県立美術館の別館で「松本竣介 創造の原点」、初台の、東京オペラシティアートギャラリーで「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」を観た。どちらもぼくの趣味にどんぴしゃな感じで、とても楽しかった。 ●松本竣介展で…

●「夏が終わってしまった」という時期が終わり、本格的に秋になった。からだが気候の変化にとまどっている感じ。 ●いろいろおもしろい。「人気女性アニメキャラの変遷。--アニメ誌の人気投票より--」(プリキュアの数字ブログ) http://prehyou2015.hatenablog…

●今年の「新潮」新人賞に通った二つの小説がどちらもけっこうおもしろい。 特に「縫わんばならん」(古川真人)はかなりすばらしいと思う。最初の数行を読んだだけで「おっ、これは」となり、良い小説に違いないという直観が訪れる。ある意味、典型的な二十世…

●この前、西川アサキさんが「アルファ碁をつくったDeepMindが開発した音声合成システムがヤバい」という話をしていたのだけど、その記事をみつけた。リンク先の記事で実際に合成された音(声・喋り)が聴けるけど、これはかなりすごい。「WaveNet: A Generativ…

●すごく幸福な夢を見た。大抵、すごく幸福な夢を見て目覚めた時は寝過ごしている。幸福な夢が眠りを引き延ばすのか、眠りつづけることを要求する体が幸福な夢を見させるのか。ああ、寝過ごしたかなあと思っていても、幸福な夢の余韻が時計を確認することすら…

●夕方、数百はいるだろうカラスが山へ戻ってゆく。直接山に戻るのではなく、山の周囲の空をしばらく旋回しながら、徐々に少しずつ戻ってゆく。その時、山の脇を通る道路の上を走る電線に、ずらーっとカラスが並んでとまっているという状態になる。その下を通…

●お知らせ。「文學界」の11月号に、山下澄人『壁抜けの谷』の書評(「わたし」と「あなた」と「ここ」と「そこ」)が掲載されています。 (それにしても「文學界」の映画への傾倒が本格的なことに驚く。黒沢清のインタビューが載っているのは、まあ、特に驚か…

●『響け!ユーフォニアム2』第一話、観た。一期のあのクオリティを本当に再現できるのか、不安と期待が大きすぎて息苦しいくらいだったけど、観ているうちに、大丈夫だ、いけてるいけてると思って、だんだんリラックスして観られるようになった。第一回はたっ…

●お知らせ。けいそうビブリオフィルで連載中の「虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察」の第九回「日常としての異世界・中二病 『AURA 魔竜院光牙最後の闘い』と『中二病でも恋がしたい!』(1)」が公開されています。 http://keisobiblio.com/author/fur…

●とてつもなく恐ろしい夢を見て目が覚めた。これを書いている時点でもうかなり忘れてしまっているけど、目覚めた時には、かなり長いその夢の展開の道筋も、個々の場面の細部も、かなりくっきり憶えていて、その記憶の鮮明さもまた恐怖だった。あんなに恐ろし…

●DMM.comの「成人映画」のカテゴリーのコンテンツの一つとして、『ザ・ストーカー』(鎮西尚一)が観られることを発見した(さらに、『女課長の生下着』と『Ring My Bell』も観られる)。みつけてすぐに近所のコンビニに走ってDMMカードを買ってきて、観た。 九…

●『Dressing UP』(安川有果)をDVDで。うーん。俳優はみんないい(本当にいい)し、俳優の演技や表情を豊かに引き出したり、それを的確に拾ったりするのは上手い監督っぽいから、もっとシンプルに、エキセントリックな女の子が父親やクラスメイトと衝突するみた…