2010-01-01から1年間の記事一覧

●これを書いている今は既に年を越している。友人からもらったCDから、忌野清志郎か小沢健二が流れていた間のいつかに年を越したみたいだった。 ●一日、何をやっていたのだろうか。買い物以外に外には出なかった。年内にやらなければいけないことは、とりあえ…

●好き・嫌いという点からみて、今年観た(観直した、ではなく、はじめて観た)映画のなかでもっとも好きだったのが高橋洋の『恐怖』で、最近DVDが出たので観直して、改めてそう思った。九十年代の終わりに黒沢清の『蜘蛛の瞳』と『復讐・消えない傷跡』を偏…

●現代HEIGHTS(http://www.gendaiheights.fc2.com/)での、ぼくの展覧会の画像をアップします。すべて、末正真礼生さんによる撮影ですが、ぼくが勝手にトリミングしちゃってる画像もあります。サイズがちっちゃい画像なので、まあ、こんな感じ、というのが伝わ…

●昨日泊めてもらった吉尾さんから聞いた話のメモ。この話は前にも一度聞いたことがあるのだが、細かいところは忘れてしまっていたので、忘れないうちに書いておく。 吉尾さんが新入社員にいつも言うという言葉。「クリエイターに必要なのは、UFOとパンチ…

●飲みに行って、帰れなくなって、泊めてもらった。フローリングにマットを敷いて寝た。タ、タ、タ、タ、タ、という、近いようで遠いような、というか、とても近い感じなのだがとてもかすかな足音(音というより、柔らかいものが硬い床に触れる感触)で目が覚…

●府中市美術館に、利部志穂の公開制作を観に行く。二度目。先週はまだ荷物を整理している感じだったのだが、今日は、かなり作品っぽい感じになっていた。この美術館の公開制作室の裏側には小さな倉庫(というより物置)があって、その倉庫には美術館の外へと…

●久々に『マルメロの陽光』(ビクトル・エリセ)をDVDで観て、(画家としての)自分がこの映画から受けた影響の大きさをあらためて思う。この映画に出ている画家、アントニオ・ロペス=ガルシアのことはまったく知らないし(荒川修作、横尾忠則と同じ年に生まれ…

●一日、ビデオやDVDを観ていた。十何年ぶりかで観たヒッチコック『間諜最後の日』がすばらしかった。 女と男は間違ってスパイではない人物を殺してしまう。罪を悔いた二人は任務を放棄する。しかし男は、真のスパイを見つけると追って行ってしまう。女は失意…

●タモリは、坂道や段差や蛇行する道が好きだという。ぼくも、それらはヨダレが出るくらい好きだ。しかし、それらの面白さを、実際にそこを歩く過程のなかに見出すのではなく、キーワードのように、例えば「坂道」と名付け、名付けられたことによって対象化さ…

●昨日(日付的には今日になっていたが)、展覧会の撤収から部屋へ戻ってテレビをつけたら、「ブラタモリ」の三田・麻布編をやっていて、(途中からだけど)観て、東京という土地-空間が内包する底知れない豊かさに(大げさだけど)震撼させられた。たとえ、…

●現代ハイツでの展覧会、終了しました。観に来て下った方々、この展覧会の実現に協力して下さった方々に感謝します。 ●ぼくの展覧会に大勢の人が大挙して押し寄せるということはないのだが、それでも、あまり人と会うこともなく八王子で引き籠って生活してい…

●展覧会の展示を撮影した。撮影を見ていて、やはりフィルムで撮るのとデジタルとでは、作業がかなり違うのだなあと思った。撮ってすぐ、その場でパソコンで画像を見せてもらえるし。 前の、「零のゼロ」の時の画像は、自分でいいかげんに撮ったやつだけど、…

●ヘリコプターが飛んでいる。低い位置を、不自然なくらいゆっくりと。ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、と、攻撃的な打撃音が頭のまわりにまとわりつく。頭のなかを軽く連打されているようだ。空は真っ青ではなく、白い粒子が散らばり、それらが鈍く光っている。横から射…

●「わかるやつにはわかる」「わかるやつにしかわからない」というのは、決して特権意識とかではない。たんに、すべての人が、すべてを等しく理解できることなどない、というだけのことだ。わたしには、これは分かるが、あれは分からないかもしれない。しかし…

●いわゆる「現実」は、現実の一部であって決してすべてではないことを、少なくとも忘れないようにしたい。「現実」の外にこそ、別の世界-現実があるかもしれないのだし。「現実」を否定するのではない。だが、それは決して「すべてではない」。それが「すべ…

●例えば、モンドリアンの、初めは写実的に描かれていた樹が、だんだん抽象的な形態になってゆくという、有名な一連の作品がある。あるいは、ピカソのドローイングで、写実的に描かれていた牛が徐々に抽象化されてゆく連作がある。人は、こういうものを見ると…

●昨日も書いたけど、『赤の他人の瓜二つ』(磯崎憲一郎)では、書き出しを読んだ時に予想する方向へは、小説は展開していかない。あの書き出しは何だったの?、という展開で、いわば書き出しは投げっぱなしで放置される(だいたい、書き出しの「私」が誰のこと…

●磯崎憲一郎『赤の他人の瓜二つ』(「群像」一月号)。今、バタバタしているので、年末にでもゆっくり読もうと思っていたのだが、昨日ギャラリーにいて、お客さんが途切れた時に不用意にも読み始めてしまい、「あっ、これヤバイ」と思って、そこでは半分でやめ…

●展覧会の会場からの帰り、混雑した中央線で、すぐ近くに韓国語でお喋りしている若い女性の二人組がいた。何を喋っているのかはまったく分からないが、明らかに韓国語だと分かる音の連なりのなかに、時折、はっきりと「低血圧」と聞こえる音が混じる。特にそ…

●歴史的な、と言っていいと思われるバーネット・ニューマン展が終わる。結局、一度しか観に行けなかったけど、今、佐倉ではニューマンの絵が展示されているのだ、ということは、常に心のどこかにひっかかっていた。それが終わる。だからといって、ニューマン…

●昨日のトークで思ったのは、例えば、ピエロ・デラ・フランチェスカ(の話は出来なかったけど)の作品とマティスの作品では、それがつくられた状況や条件も、技術やスタイルも、そして主題も異なっているけど、そこには明らかに「良い絵」として共通した何かが…

●現代HEIGHTSでのトークは、ぼくとしてはとても面白かったし、やってよかったと思った。そもそも、ぼくが「この人たちの話を聞きたい」と思った人に集まってもらって、話してもらったのだから、ぼくにとって面白いのは当然といえば当然なのだが。なにより、…

●展覧会初日だけど会場には行けなかった。 明日のトークについては、制作などで忙しくてまったく準備していなくて、というか、そもそも、ちゃんと準備してちゃんと話す、というのとは違った感じで話が出来ないだろうかということを考えているわけなのだが、…

●夜、七時から、展覧会の作品搬入と設営。終わったのが十時半くらいで、そのままバーのスペースで手伝ってくれた二人とビールを飲んで、店を出たのは十二時くらいだった。外に出ると本格的な寒さだった。ギャラリーから駅まで、なんとなく年末感を感じながら…

●今朝はやくに昨日の日記をアップして、ふと日付を見て、明日が展覧会の搬入の日だということに気付いた。驚いた。だんだん迫っているとは思っていたが、そんなにすぐのところまで来てるとは思ってなかった。運送の車も確保してない。とりあえず、すぐ赤帽に…

●大島渚を何本もつづけて観て思うのは、言説、物語、状況が、あまりに早く古びてしまうという事実と、しかし、状況は常に変化するとしても、各個人がそれぞれの状況に対しどのような立ち位置をとるか、そのなかでどのようにふるまうのか、ということのパター…

●最近、大島渚にちょっとハマッている。ぼくにとっての大島渚再発見、というか。きっかけはレビューを書くために『日本の夜と霧』を観直したらすごく面白かったことから。大島渚を百パーセント好きな作家ということは出来ない。むしろ嫌な部分というか、うん…

●お知らせ。12月9日(木)から12月21日(火)まで、現代HEIGHTS(http://www.gendaiheights.fc2.com/)という、カフェであり、CDショップであり、画廊でもある場所の中の、GALLERY DenとGALLERY Den .stという二つのスペースで個展をします(詳細はギャラリーHP内の…

●系譜はそこに連なる人の目にしか見えない。それは現在や文脈や状況や空気のように共有されるものではなく、過去から未来へと走り抜けて、現在(文脈、状況、空気)を切り裂く断層である。歴史を眼差す独学者のいびつな深さが、それを幻視させる。だからそれは…

●『ナショナル・アンセム』(西尾孔志)をDVDで。これはぼくにはとても懐かしい感じ。八十年代の自主映画みたい。というか、黒沢清みたい。すごく好きだし、こういうことをやりたい気持ちはすごく分かる。この監督がどれだけ黒沢清を好きなのかひしひし伝わっ…