2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧
●noteに、2001年から2002年にかけて「批評空間Web CRITIQUE」で発表した四つのテキスト(「絵画について/IMAIとOKAZAKI」、「京都芸術センターの「表」岡﨑乾二郎について」、「セザンヌと村上隆とを同時に観ること」、「現在にまみれて身動きが出来ない/アモ…
●つづき。『「家庭料理」という戦場 暮らしはデザインできるか?』(久保明教)の「おわりに」より、引用、メモ。 《本書では、一九六〇~二〇一〇年代における家庭料理をめぐる諸関係の変遷を、モダン/ポストモダン/ノンモダンという大まかな区分に沿って追跡…
●『「家庭料理」という戦場 暮らしはデザインできるか?』(久保明教)。おもしろい。「暮らし(図)を分析する知(地)という図式が、分析(図)を駆動する暮らし(地)という図式に転倒されていく」。以下、メモとして引用。 《学問的な知は、そうした「分析する私」…
●アマゾンで『ソドムの市』(高橋洋)を久々に観た。面白かった。いろいろな人が出ていて、そういう意味ではかなり豪華。 血、呪い、盲目、花嫁、姉妹、拷問、カルト集団、降霊術、マッドサイエンティスト、戦争、世界の滅亡、そして、果てのない殺し合い。こ…
●『予兆 散歩する侵略者』について、高橋洋が書いた脚本の第一稿と、出来上がった映画との違いから、高橋洋が、黒沢清の演出について語っている動画があった(『予兆 散歩する侵略者』は、ここ十年くらいの黒沢清の映画では特に好きな作品だ)。とても面白い。…
●つづき、『彼方より』(高橋洋)について(9月30日まで限定配信)。 https://www.youtube.com/watch?v=ar8hicvEzo0&feature=youtu.be ●昨日も書いたが、『彼方より』においてはフィクション内現実と言えるような基底的な層が成立していないと言っていいと思う。…
●さらにつづき、『彼方より』(高橋洋)について。 ●少し、整理し直してみる。 昨日の日記には、この作品のシチュエーションとして「リモート映画を撮っている」状況がフィクションとして描かれているかのように書いたが、そう断定できるかどうか怪しい。コロ…
●つづき、『彼方より』(高橋洋)について。 ●映画の冒頭、暗い書斎のような部屋を引き気味で撮っているカットでは、河野和美が映っている大きなモニターがあり、その傍らに大田恵里圭が映っている小さなモニター(ノートPC)も見えるのだけど、園部貴一が映って…
●『彼方より』(高橋洋)を、YouTubeで観た(9月30日まで限定配信)。 https://www.youtube.com/watch?v=ar8hicvEzo0&feature=youtu.be いわゆる「リモート映画」は、映画館のスクリーンではなく、スマホやPCの画面で観られるべきものだろう。仮に、俳優が、スマ…
●数日前まではクーラーから吹いてきたような風が、今日はもう、窓を開ければ外から吹き込んでくる。
●「無名アーティストのWildlife」が来年の一月で消滅してしまうので、日記だけでなくテキストも少しずつ別の場所に移動させていこうと思う。 まず、次の三つのテキストをnoteに移動した。 「地縛霊とモンスター/事前と事後 」(ツァイ・ミンリャン『楽日』、…
●こんな音源があったのか。当時、すごく観に行きたかったけど、すごい競争率だった。「ヘンタイよいこ白昼堂々秘密の大集会」。1982年。坂本龍一が田原俊彦の曲を歌っている。 忌野清志郎・坂本龍一・矢野顕子・CHABO・どんべ・鈴木さえ子 LIVE AT 品川プリ…
●ソネットからメールがきていて、来年一月でホームページのサービスを終了すると知らせてきた。来年の1月28日の15時を過ぎたら、データが消える、と。 「偽日記」は、1999年の11月に、ソネットの提供するU-Pageというサービス上につくられた「無名アーティス…
●正義の表現の量的制限についてのメモ(思いつきのレベルだが)。 表現の自由は重要だ。なにかを表現することに対するリスクが高くなり過ぎると、人々は自由にモノが言えなくなって危険だ。しかしもう一方で、表現に対するリスクが低くなりすぎても危険なので…
●今更という感じだけど、ちょっと前に「進次郎構文」というのが話題になった。小泉進次郎が、なんとなく意味ありげな語彙を使いながら、結局、空疎な、同語反復的な、何も言っていないに等しい発言をする、と、軽く馬鹿にするようにネタにする。別に、小泉進…
●チャンネル登録者数が百万人を越えているYouTuberの動画を観ていて、その人が「ホンマに」と言った時に、「本間に」と字幕が出て、ああ、誤変換のチェック漏れなのだろう、と思っていたら、次に「ホンマに」と言った時にも「本間に」で、その後もずっと「本…
●『王国(あるいはその家について)』の最後にかかっていた曲が、とても印象深かったのだが、これか。 (コメント欄を見て、この映画の英語タイトルが『Domains』であることを知った。) Grim - Heritage (1987) https://www.youtube.com/watch?v=6wdOSJb4MFA …
●(『王国(あるいはその家について)』について、もうちょっと。) この映画には、カットの終わりにカチンコが写っているカットがいくつかある。カチンコにはおそらく、シーン番号、カット番号、テイク数などが書かれている。このことがまず示すのは、この映…
●(ちょっと、昨日の付け足し、というか、言い直し) 『王国(あるいはその家について)』(草野なつか)の、元々のテキスト(脚本)がどういうものだったのかは分からないが、おそらくそのおおよその感じは、映画後半のテキスト読み下し(いわゆる「本読み」)の場…
●新文芸座による24時間限定「上映同時間」配信で、ずっと気になっていた『王国(あるいはその家について)』(草野なつか)をようやく観た。これはすごかった。興奮した。 https://domains-okoku20200911.peatix.com/view 演劇でもなく、映画でもない、その間…
●加納エミリの新作、よさげ。 加納エミリ / 朝になれ Asaninare (Short ver.) 2020.9.25 Digital Release https://www.youtube.com/watch?v=QlA2VLq6JIA&feature=youtu.be ●宮野弦士がスタッフから抜けたあとのフィロソフィーのダンスは……、うーん、なんとい…
●Netflixで、『ビー・バップ・ハイスクール』(那須博之)を久々に観直した。85年の映画、原作は83年から。楽しかった。この映画の、実際に走る電車のなかでの乱闘(橋の上を走る電車からそのまま川へ落下)みたいな場面は、もう二度と撮影できないだろうと思う。…
●最近、ヒカシューの公式チャンネルに、四十年前の動画(MV)がアップされていた。これをきっかけに、1980年に聴いていた邦楽の動画を探した。13歳だった年。ぼくにとってビッグバン的な年。 ↓ヒカシュー、クラフトワーク。 HIKASHU/THE MODEL ヒカシュー/モデ…
●お知らせ。今月は、『文學界』の「新人小説月評」だけでなく、『群像』に、磯﨑憲一郎『日本蒙昧前史』の書評を書いています。タイトルは「使命と孤独」です。 この原稿の校正刷りが返ってきたときに、編集者から、この作品が谷崎賞を受賞したことを知らさ…
●以下は、「ユリイカ」の大林宣彦特集に載っている、山本浩貴(いぬのせなか座)「ただの死がもたらす蘇生した〈軋み〉」から、『転校生 さよなら あなた』について書かれた部分の引用。この部分を読みながら、『転校生 さよなら あなた』という映画の異様さを…
●『MIU404』における「悪」としての菅田将輝の像に近い存在として、すぐに頭に浮かぶのは『ガッチャマンクラウズ』のベルクカッツェだろうか。自分の物語を語ることを拒否する---背景や文脈が空白である---という点では、九十年代の黒沢清の映画(『地獄の警…
●『MIU404』最終回。なるほど。八話と九話で、(一線を越えた)小日向文世と(踏みとどまった)綾野剛という形で、二人の別々の人物として示された「二つのあり得た可能性(スイッチの切り替え可能性)」が、最終回では、並行世界的な(「シュタゲ」の---物理学的に…
●『らせん』(飯田讓治)を、実ははじめて観た。『リング』、『リング2』、『リング0 バースデイ』と展開していく貞子(1)とは別の、『リング』、『らせん』と展開していく貞子(2)の物語。(2)といっても、こちらの方が原作に忠実なのだろう。 いまごろになって…
●『MIU404』に出ていた村上虹郎の母親がUAであることを知った。九十年代終わり頃にはUAをわりとよく聴いた。 UA(ウーア)太陽手に月は心の両手に https://www.youtube.com/watch?v=X3YOmas-pis 数え足りない夜の足音/UA (Video Clip) https://www.youtube.…
●『ねらわれた学園』(大林宣彦)を観た(U-NEXTで)。81年の公開当時、この映画が大好きだったのだが、今回は途中でかなり退屈しててしまった(大林宣彦とは合わなかったのか、薬師丸ひろ子の扱いが---小林聡美や原田知世とくらべて---ちょっとぞんざいではない…