2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

●アニメ『少女終末旅行』の第八話、よかった。人類が(ほぼ)いなくなった後の、どこまでも広がる広大な墓。墓には名と遺品。それを見守る石像。この墓は、誰に対してあるのか。 そこ通りかかったチトとユーリは、二人にカメラをくれたカナザワについて話す。…

●『山の音』(成瀬巳喜男)をDVDで。成瀬の演出を堪能したけど、でも、成瀬は川端康成(原作)とはちょっと合わないんだなあ、という感じもある。成瀬の映画には、川端康成にある、そこはかとなく漂う変態性みたいなのは、ない方がいいんだよなあ、と。そこにあ…

●『シチズンフォー』(ローラ・ポイトラス)を、DVDで観た。予備知識無しで観たら、この映画をドキュメンタリーだとは思わないのではないかと思うくらいに、物語的にも面白く構成されていた。しかも、SF的なフィクションだと思うのではないか、と(冒頭でSFでは…

●疲れて帰ってきて、ぐだっとしても、疲れ過ぎているためか体も頭も緊張がほぐれなくて硬いままで、ふと思いついて、YouTubeで探したブルガリアン・ポリフォニーを聴いているうちに、少しずつほぐれていった。効く。 https://www.youtube.com/watch?v=sS_HvV…

●メイヤスーの『有限性の後で』を改めてパラパラ読み返しているのだけど、面白い。ハーマンが、まず形式的な展開を考え、その形式にみあった具体的な内容を事後的にみつけて当て嵌めていくというスタイル(素粒子物理学の標準模型が正しければ、ここに当て嵌…

●清水高志さんがリツイートしている、最近、Mさんが過去の自身のツイ―トをリツイートしている部分(おそらく岩田慶治『道元との対話』の引用?)は、たしかにすごくハーマン的であり、そして内部観測的だと思う(清水さんがリツイートしているのは零時を回った後…

●huluのラインナップには、古典映画がとても乏しいのだけど(松竹と提携しているからか)さすがに小津は多少あって、最近は、寝る前に三、四十分くらい小津を観ている。一本の映画を三日くらいに分けてきれぎれに観ることになるのだが、動画配信というスタイル…

●お知らせ。というか、これを書いているのがもう土曜(25日)なのですが、11月24日(金)の、東京新聞の夕刊に、まだ熊谷守一展のはじまっていない、東京国立近代美術館のコレクション展から、関東大震災からの復興期の(というか、復興による社会の変化を表した)…

●九十年代のミンコフスキー的な人工知能は、まずある目的があり、その目的を実行するために必要な知識や行程を細かく分解し、それらを体系的にインプットして、目的とそれを達成する為の行為をひも付けしようとするものだったと思われる。たとえば、患者の病…

●Huluでなんとなく小津の『早春』を観ていたら、池部良が上司(中村伸郎)から転勤を打診される場面の背景音として、公園で子供たちが遊んでいる時のような笑い声が入っているのが気になった。場所は、都心のオフィス街のビルの、しかもおそらく上の方の階なの…

●ハーマンを読んでいる時に想起されるのが内部観測だ。もちろん、内部観測が「ハーマン的対象」として認めるのは生物有機体のみなのだし、相容れないところも多々あるのだが。 ハーマンが、「対象」とは、上方解体によっても下方解体によっても還元されない…

●『四方対象』を読んで、ハーマンの主張が決して実在的対象の脱去を強調するものでなく、世界の四つの局面である四方対象同士のペアの10種類の組み合わせによって、その関係・間接的関係・無関係によって世界を説明するのが主眼であるとだ分かった上で、あら…

●アニメ「少女終末旅行」、Huluで六話まで。この作品の特徴はまず、主人公である二人の関係性にあるように感じた。一方がしっかり者のキャラで、もう一方がしっかり者に依存する甘えキャラであるというペアは、物語では珍しくない。しかし大抵は、たとえ一方…

●「虚構世界はなぜ必要か?」を本にするための最初の打ち合わせ。まず問題として、今あるボリュームだとけっこう高価な本になってしまうのだが、このボリュームで高い本として出すのか、かなり大きく削ってもう少し手を出しやすい価格の本にするのかという選…

●具体的な内容は恥ずかしいので書かないが(というか、感触の具体性はすぐに干からびて遠のいていってしまい、形骸化するのだが)、とても幸福な夢をみて目覚めた後というのは、ああ、あれは夢だったのかという、未だからだじゅうに満ちている幸福の余韻のなか…

●最近やっているドローイングのシリーズは、自分ではちょっと面白いのではないかという手ごたえもあるのだけど、ただ、ちょっと足りないのが、フラクタル構造のようなものが自然に生成されるような感じにならないのかなあ、とは思っている。 (意識的にフラク…

●いきなり今朝から、三分から五分に一通くらいの間隔で携帯(ガラケーです)に迷惑メールが届くようになって、携帯が四六時中ビービ―鳴っていて、というかビービ―震えていて、ずっと無視していたのだけど夜遅くになっても止まなくて、さすがにうざくなって電源…

●もっと別のことを考えるつもりだったし、考えなくてはならないのに、変なことを考えているうちに時間が経ってしまった。まったく的外れなことをしているのかもしれない。 (こういう妙な図を書き出すのは、典型的な「引かれる」パターンだが…。) ハーマンは…

●制作。まず、鉛筆による下地としてのドローイング。あらかじめ歪みをもったマトリックス、あるいは、互いに互いを食い合っているグリッド。しかし、これだけではたんにオールオーバーであるしかない(つまりホーリズム的である)。 ●上の、下地としてのドロー…

●おお、YouTubeに高橋洋『霊的ボリシェヴィキ』の予告編が……。この感じだと『恐怖』の世界に近い路線なのか。 https://www.youtube.com/watch?v=T5Re5N1rC1k&feature さらに、『霊的ボリシェヴィキ』の特報。 https://www.youtube.com/watch?v=LHwsZtpvsrg …

●ためしに、huluに一か月だけ加入してみたのだけど、ラインナップが微妙で、継続するかどうか迷う。海外の連続ドラマをまとめて観たい人にはいいのかもしれないけど、ぼくは観ないし(観れば面白いかもしれないが時間をとられ過ぎる)、映画を観ることを主な目…

●立教大学で、ステムメタフィジック研究会。今回は『四方対象』(グレアム・ハーマン)を読む会。読書会というのは、「同じ本」を「違う頭」たちで集まって読む、というところに意味があるのだなあと強く思う。これは、いくら緻密に精読するとしても、「自分一…

●制作するには(あるいは、書き物をするには)、十分に集中できるだけの、余裕のあるまとまった時間が必要で、それ以外に、こまごまとした細切れの短い時間をできるだけつくって、本を読んだり、散歩したり(また、「偽日記」を書いたり)するわけだけど、そうな…

●タックスヘイヴン関連の新たなニュースがきた。「パラダイス文書」 明らかになった超富裕層の租税回避の秘密(BBCニュース)。 http://www.bbc.com/japanese/41881881 こうやって、情報を隠しておくことが事実上困難になりつつある現在、否応もなくいろいろ明…

●必要があって、また三好銀『海辺へ行く道』シリーズを読み返しているのだけど、改めてすごく好きだなあ、と。やや不器用な描線で、抽象的で、乾いていて、硬質な世界を描きながらも、性的な猥雑さや、心の奥のブラックな部分、あるいは怖いくらいの執拗さな…

●まだ、三分の一くらいしか読めてないけど、ハーマン『四方対象』のこの読みやすさは何なのだろうか。メイヤスー『有限性の後で』は、ちょっとドストエフスキーの小説みたいで、いろんな立場の哲学者たちが喧々諤々とハードな議論を戦わせつつ、最後に思弁的…

●今更ながらという感じだけど、ビットコイン(というより、ブロックチェーンという技術というべきだろう)が生まれた元となった、サトシ・ナカモトの論文(2009年)を読んだ。「日本語で読むビットコイン原論文」(Coincheck Blog) https://coincheck.com/blog/292…

●アトリエで制作。新しいところに踏み込みかけているんじゃないかという感触と、いや、結局、学生の頃にやっていたようなところにまた戻っているだけではないかという懐疑との間、突き抜けつつある手ごたえとぐるぐる回っているだけという感じとを、(一日の…

●十月に撮った写真。その二。

●十月に撮った写真。その一。