2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

●夕方、とつぜん電話で呼び出されて飲みに出た。今日やるべきノルマは八割方こなしていたので、夜はお休みにすることにした。外に飲みにゆくのは十一月にはいってはじめて。電話を受けたときは喫茶店で「お仕事」中だったのだが、ヒゲも剃ってなかったし、起…

●次の時間の体育、かったるいからサボるべえ(「べえ」は神奈川方言)、と思って、着替えもせずにそのまま教室に残り、ぼんやりと窓から、グランドを走る同級生たちを見ているうちに、でも、今年はいくらなんでも体育サボりすぎで、これじゃあ単位とれないかも…

●もう何週間もDVDやビデオを観ていない気がする。リモコンがどこにあるのか分からない。映画館にも行けてない。こんなの、おそらく自分史上初のことではないか。ひたすら毎日、読んで、書いて、修正することばかりしている。本の再校ゲラのチェックはなんと…

●暗い夜道(といっても七時前くらいだけど)でいきなり呼び止められ、みかんを売りつけられた。普通、予期しないようなその状況そのものが面白くて、高かったけど買ってしまった。べつにカツアゲされたというわけではない(と思う)。 喫茶店で本の再校ゲラをチ…

●洗濯中の洗濯機のなかで靴下の片一方が姿を消すという密室殺人並みの不条理な出来事が、なぜこんなにもしばしば起ってしまうのだろうか。 ●ぼくの今度出る本では、ある作家や作品について論じる時に、その作家の作品以外のものを引用したり、言及することを…

●今、頭の使い方の全然ちがう三つのことを同時にやっていて、その切り替えがなかなか上手くいかなくて、この二日、三日くらい停滞ぎみ。それとはまた別に、朝、本のあとがきを書いた。セブンアンドワイではもう、本の予約を受け付けているみたいだ。ここまで…

●デュシャンの画集を改めて観ていて、当然だけど、やはりレベッカ・ホルンとデュシャンとは全然違うんだな、と思った。レベッカ・ホルンの孤独な自動装置たちは、それでも誰かに向かって上演されているのだが、デュシャンの装置は、上演とは別の有り様をして…

●レベッカ・ホルンの作品の面白いところは、一つは、一昨日書いた、自閉的な時間性にあって、つまり、ずっと沈黙-静止していて、いきなりきまぐれに動き出す、というところ。静止と運動との関係が作品それ自体に内包されていて、周囲の環境との関係や、誰か…

●本の初校ゲラのチェックと、新しく書く部分の原稿が終わった。明日の午前中に原稿をもう一度推敲して、ゲラと原稿を送り出し、とりあえずいったん本の仕事はぼくの手から離れる。しかし、これで気を抜くことは出来なくて、これから先の一ヶ月が、(別の仕事…

●東京都現代美術館へ。 常設展は、岡崎乾二郎すげーっ、という言葉しかない。とはいえ、ペインティング(ペインティングと言っていいのかわからないけど)の仕事は、ほとんどの作品が既に観ているものなので、すごいけど、すごいのはわかってるよ、という感じ…

●今日も、午前中にマック、ちょっと昼寝して、夕方から夜遅くまで喫茶店。こうなってくると、アパートから駅前までの歩いて十分ちょっとの距離が、外気に触れるとても貴重な時間になってくる。道順をかえたり、ちょっとだけ回り道をしたりする。もし、ずっと…

●夢の話。ぼくはどこか知らない町に、短期のアルバイトのために滞在している。仕事場はデパートのような巨大な商業施設。どんな仕事をしているのかはよく分からないが、その仕事をはじめてもう数日経っているらしかった。仕事が終わって、かなりの疲労を感じ…

●久しぶりに天気が良かった。空が完全に冬の空の色になっていた。ずっと雨だったせいで空中のチリが流されたからなのか空気が澄んでいて、斜めから射す光に照らされて、ずっとまっすぐ伸びる道路を渡る時、ずっと先までがくっきり見える。遠くがぐっと近づい…

●喫茶店からの帰りには雨がやんでいた。深夜までやっているスーパーの手前の道路はこの時間(午後十一時過ぎ)にはほとんど車が通らなくなるので、律儀に信号を守る必要はないのだが、ただ立ち止まっている口実として赤信号で立ち止まる。ゆっくり深く息を吐…

●昨日の日記に「散歩に行こう」と書いたのに、今日もけっきょく一日ずっと本を読んでいた。今日中には読み終わらないとやばいから。朝早くから昼過ぎまでマックで読んで、いったん帰ってすこし昼寝して、夕方から閉店時間までいつもの喫茶店で読んだ。閉店時…

●ここ、二週間くらい、テレビをまったく観ていないことに、今日、きまぐれにテレビをつけてみた時に気づいた。午前中、ぼんやりするか、ちょっと制作するかして、午後からはずっと閉店時間まで喫茶店にいて、本を読んだり、書き物をしたりして、夜中に帰って…

●宅配便のノックで目が覚めた。ちょうど夢をみている時に目覚めたせいか、さっきまで見ていた夢を、異様なくらい鮮明に覚えていた。意識的に夢を思い出そうとしなくても、向こうから勝手に、湧き出てくるように、鮮明なイメージが頭の中につぎつぎと貼りつき…

●「蝸牛」と「補陀落」(中上健次)を読んだ。一昨日の日記で、「蝸牛」を、中上健次が「中上健次」になった小説と書いたのは正しいと思うけど、「蝸牛」のあらすじとして書いたのは「補陀落」のあらすじだった。そして、岡田利規を想起させる語りをもった小説は、…

●『言葉の外へ』に収録されている樫村晴香+保坂和志対談を久しぶりにじっくりと読み直してつくづく思ったのだが(十二年前にこの対談が載った「現代思想」が出て以来、これを何度繰り返し読んだことか)、前の本のあとがきにも書いたけど、ぼくの考えているこ…

(追記)以下に書かれていることは、基本的に間違っています。記憶のなかで「蝸牛」という小説と「補陀落」という小説がごっちゃになって一つになってしまっていたようです。「蝸牛」は『十九歳の地図』の三つ目の短編で、「補陀落」は四つ目の短編です。 ●部屋…

●新宿で編集者と打ち合わせ。編集者が考えてきた本のタイトル案がすごく面白くて、えっ、そうくるのか、と驚いた。本の内容との関係というより、タイトルそれ自体として面白い。本文の一部をそのままピックアップしたタイトルのなだが、こんなタイトルの本が…

●リベットによれば、我々の知覚意識は、外界に対して常に0.5秒遅れているという。実験では、脳への電気的刺激が0.5秒以上持続しない場合、その刺激は受検者に意識されないらしい。つまり、脳の神経細胞は、0.5秒以上持続しない刺激は意識にのぼらせない。刺…

●人に作品の写真を見せている時、この絵で、最初に手を入れたタッチはどれなの?、と聞かれることがあるのだが、ぼくはそれを憶えていない。ぼくの作品は、タッチにしろ線にしろ、まず最初に置かれたものがあって、それに対して次ぎのものが置かれ、その二つ…

●キャベツが安い。丸ごと一個買ってきて、手でちぎって、塩こしょうをまぶし、オリーブオイルを垂らして、スナック菓子みたいにバリバリ食べる。気がついたら、ポテトチップスを一袋食べてしまっていた、という風に、気がついたら、キャベツを丸ごと一個食べ…

●保坂和志「未明の闘争」二回目(「群像」十二月号)。小説のなかにぐぐっと入ってゆく感じ。主人公が、死んだ篠島の夢を妻の沙織に話し、沙織がその夢のことを誰にもしゃべっちゃダメだと言う場面を読んで、「ドリーマーズ」(柴崎友香)で、妹の夫マサオの「さっ…

●『回転』(ジャック・クレイトン)をDVDで。ホラー映画の古典であり幽霊表象の技法の教科書のような作品。思いの外、ヘンリー・ジェイムスの原作に忠実な映画だった。物語としては、必ずしも忠実ではないのだが、あくまで原作のやろうとしていることを尊重し…

●ガルシア=マルケスの自伝を読み始めた。七百ページちかくある本のまだ最初の七十ページ弱くらいだが、面白い。すごい胡散臭いし。面白いと、なかなか先に進まない。 人に小説を書きたいと思わせるもっとも「素朴」な欲望に、自分の記憶を語りたい、記憶を語…

●ホテルの一室で、何故かせんだみつおと密談するという夢を見た。

●寒い夜だった。最寄り駅に着いたのは十二時を過ぎていた。冷たい雨が降っているが傘はなかった。アパートまで歩く途中、細い道を消防車と救急車とパトカーがふさいでいた。人も何人か集まっていた。どこかが焼けたような痕跡は見つけられなかった。酔ってい…

●五時前なのにもうすっかり暗いと思いながら喫茶店に向かう。十一月になった。 「偽日記」は、99年の11月5日からはじまった。だからもうすぐ丸十年になる。十年ということでの感慨などは特にはないけど、自分にとっての「偽日記」に位置づけについての迷いや疑…