2021-10-18

●ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』(鴻巣友季子・訳)の第一部のクライマックスとも言える一堂が会するディナーの場面で、ウィリアム・バンクスという植物学者の男が、義務的な社交の場に倦んで、こんなことは時間の無駄ですぐにでも自分の仕事に戻りたいと思…

2021-10-17

●お知らせ。noteのVECTIONアカウントに、「社会的シンギュラリティ、センサー計画経済、権力分立の未来」をアップしました。 https://note.com/vection/n/n71e7e6809d37 英語版、「Social Singularity, Sensor Planned Economy, and the Future of Power Div…

2021-10-16

●「東京画」(保坂和志)の舞台となる土地は小説では「××町」と伏せて書かれている。だがその位置は、部屋を借りようとする主人公に不動産屋が「人によっては車の音が気になるかもしれない」というので、《ここにくる少し前に遊歩道が環七の下をくぐるトンネル…

2021-10-15

●三、四十分くらい眠ってすっきりしてから作業をつづけようと思った。肩がこっている時の短い睡眠でよくその姿勢をするのだが、仰向けで、両腕で顔を囲むように輪をつくって、右手と左手の指を組み、伸びをしている姿勢を眠っている間もキープするようにして…

2021-10-14

●夢。朝、出かけるための支度で忙しなくしている時(一面が硝子張りで外の光がさんさんと注ぐ部屋にいる)に携帯に着信があった(夢のなかではじめてスマホを使う)。出ると、相手は五十歳代くらいの女性で、「あなたはわたしを裏切りましたね、あなたには大変失…

2021-10-13

●講義のために「東京画」(保坂和志)を読み返したのだが、これは本当にすごい(『この人の閾』所収)。95年か96年くらいにはじめて読んだときに、「小説」でこんなことが書けるのかと衝撃を受けた。いや、「小説」がどうとかということではなく、このような思考…

2021-10-12

●スマホのカメラの広角ぎみのフレームとどう折り合いをつければいいのか。スマホのカメラにまだまだ慣れない。それと、スマホで撮った写真をアップする時は位置情報を消す、ということに気をつけないと。

2021-10-11

●講義のために『ペドロ・パラモ』(フアン・ルルフォ)を読んで、自分がいままでこの小説のラストを誤読していたのではないかと気づいた。いままで、ペドロ・パラモは最後の場面で、(小説の最初に出てきて、主要な語り手であるフアン・プレシアドをコマラに招…

2021-10-10

●週二回講義があると、どうしても準備に追われてしまう。それに、講義の中身を詰め込みすぎで、一本調子の早口で喋りまくって無理矢理時間内に納める感じに、どうしてもなってしまう。 今、九回目の『ペドロ・パラモ』についての講義のスライドをつくってい…

2021-10-09

●新潮新人賞の「彫刻の感想」(久栖博季)、とても周到に構成・構築された小説だと思った。 樺太に居住するウィルタという民族のナプカという少女が、戦中に家族と別れ、日本人の家族にもらわれてフイという日本の名に変わる。フイの一家は戦火を逃れ北海道に…

2021-10-08

●大学の講義がはじまっているのだが、ぼくは、大学の様子も知らず、学生たちの雰囲気も知らず(一人として学生を目の前にすることなく)、学生たちの反応も分からないまま、一人、遠く離れた部屋にいて、ただ、時間が来たらPCの前で喋りはじめ、時間が来たら喋…

2021-10-07

●『ロル・V・シュタインの歓喜』(マルグリット・デュラス)の語り手がジャックだと書くことは、それだけで重大なネタバレになる。 《以下に、事細かに述べるのは、タチアナ・カルルが話したそのうわべの見せかけとやらと、T・ビーチのカジノの夜に関して私が…

2021-10-06

●『ロル・V・シュタインの歓喜』(マルグリット・デュラス)における、三人の主要な登場人物たち(ロル、ジャック、タチアナ)の力関係の構造について考えて、図にしてみた。 小説の全体の構図は下のようになっている。 まずは、三人の力の及ぶ範囲を示した図。…

2021-10-05

●「早稲田文学 2021年秋号」に掲載される小説「ライオンは寝ている」のタイトルは、もちろんThe Tokens の「The Lion Sleeps Tonight」からきているのだけど、この曲をはじめて知ったのは、「ライオンは起きている」というタイトルで日本語カバーされたバー…

2021-10-04

●今年もちゃんと、TIF(トーキョー・アイドル・フェスティバル)のプログラムに「スナックうめ子」が含まれていたので安心した。 「スナックうめ子」は、コロナ前は、よゐこの濱口優が主催する「濱口コントサークル」において三ヶ月に一度、そしてTIFにおいて…

2021-10-03

●Spotlightに投稿した「苦痛トークン」にかんする記事を、ひとつにまとめてnoteにも投稿しました。 「苦痛のトレーサビリティで組織を改善する」(VECTION) https://note.com/vection/n/n60f5ea44b139 苦痛を表明するという行為それ自体が、より大きな苦痛を…

2021-10-02

●4日に東工大で講義「文学B」がはじまる。月木の週二回、一限(8時50分から100分)。シラバスをつくったのはずいぶん前なので、現時点で構成が少し変わっている。さらに、授業をすすめるなかで変わっていくかもしれないが、今のところの予定をここにメモしてお…

2021-10-01

●「早稲田文学」の見本が届いた(発売は11日)。 「ライオンは寝ている」は、一昨日(9月29日)の日記に書いたようなことを書いている小説だと思います(一昨日の日記を読んで何か感じるものがあった人は、是非読んでみてください)。

2021-09-30

●10月4日から週二回、リモートで東工大の講義だが、心配なのは裏の更地だ(本当に壁一枚隔てただけのすぐ裏だ)。解体の後、ずっと更地のままなのだが、いつ工事がはじまるのか分からない(二階建てのアパートができるようだ)。工事がはじまったら、工事の騒音…

2021-09-29

●眠っていたのはほんの十分くらいか。夢のなかで背中をかいた。右の手のひらをグーにして、親指だけ立てて背中にまわし、手首を支点に上下に動かす。夢の中でのその運動は、現実の身体にも作用して、右の手首が左右に動く。その動きがきっかけで目が覚める。…

2021-09-28

●昨日のパワーポイント・ドローイングを、少し追求してみた。複製できる。線を消せる。マウスで線を引く。

2021-09-27

●お知らせ。noteにVECTIONのアカウントをつくりました。まだ記事は一つだけですが。 https://note.com/vection ●スライドづくりに倦み、ぼんやりして、忘我のうちに手が動き、白紙のスライドに落書きをしていた。

2021-09-26

●近所に昔からある床屋がある。ぼくが小学生の頃にバリカンで刈り上げしてもらっていたところだ。前を通ると、二十代から三十代はじめくらいに見える若い男性が理容師をしているのが見える。いままでなんとなく、昔刈り上げられたあのおっちゃんの子供が店を…

2021-09-25

●講義のためのスライドをつくっていて、自己紹介が必要かと思い、自己紹介のスライドに簡単な経歴を打ち込んでていて気づいたのだが、来年で初めての個展から三十年で驚いた。時間が溶けるように過ぎていく。

2021-09-24

●お知らせ。10月11日発売の「早稲田文学 2021年秋号」に、小説「ライオンは寝ている」が掲載されます。「群像」2013年8月号に載った「グリーンスリーブス・レッドシューズ」以来、八年ぶりの小説です。 (特集の「ホラーのリアリティ」がとても面白そうで、よ…

2021-09-23

●ボルヘスの「バベルの図書館」の冒頭で、図書館=宇宙の構造が、以下のように描かれる。 《(他の者たちは図書館と呼んでいるが)宇宙は、真ん中に大きな換気孔があり、きわめて低い手すりで囲まれた、不定数の、おそらく無限数の六角形の回廊で成り立ってい…

2021-09-22

●びっくりした。下の記事にある写真の村上春樹の顔が、ぼくのおじいちゃん(父方)そっくりだ。二重写しのように似ていて他人とは思えない。 というか逆に、この写真を見た瞬間から、ぼくの記憶のなかの「おじいちゃんの顔」が村上春樹になってしまった。 (祖…

2021-09-21

●作業の合間の気晴らしに『証言モーヲタ』を読んでいたら、モーヲタ界隈で有名な(悪名が高い)「ビバ彦さん」が、もともとは水声社の編集者だったと書いてあって驚いた。

2021-09-20

●講義のために、スキャンした小説を場面ごとに割ってスライドに貼り、それを読んで気づいたことを、スライドの別のページに書き込んでいくという作業をつづけているのだが、こうやって読むと、本で読んでいる時には流してしまいがちなところで何度も立ち止ま…

2021-09-19

●講義のためのスライドをつくる過程でまた改めて読んでいるカフカ『審判』の第七章がおもしろい。 ヨーゼフ・Kは、切羽詰まった状態で、半信半疑で画家ティトレリに会いに行くのだが、半信半疑だったはずなのに、ティトレリとの対話によって、いつの間にかす…