2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧
●通常人はほとんど論理的に考えない。人が「考える」という時にしていることは、多くの場合、経験則と常識とを組み合わせる、ということをしている。人が生きている様々な場面の、ほとんどはそれで乗り切ることができる。 しかし、経験則と常識とを組み立て…
●『響け!ユーフォニアム2』、終わってしまったなあ。二期の最終話に、一期の回想を入れてくるということは、一期、二期通して「これで終わり(3期はないよ)」ということなのだろう。 (塚本は塚本らしいまま、黄前-塚本関係はイマイチはっきりしない感じで終っ…
●ようやくストラザーンの『部分的つながり』を読み始めることができたのだけど、最初のところに、ぼくが最近「地にはスケールがない」という言い方で考えようとしていたこととそっくりなことが書かれていて驚いた。 (でも、ストラザーンの書き方だと「地のス…
●お知らせ。「けいそうビブリオフィル」で連載している『虚構世界はなぜ必要か?SFアニメ「超」考察』の第十三回、「量子論的な多宇宙感覚/『涼宮ハルヒの消失』『ゼーガペイン』『シュタインズゲート』(3)」が公開されています。今回は『ゼーガペイン』に…
●渋谷LOFT9で、「小説家の饒舌 vol.2」(佐々木敦、青木淳悟、磯崎憲一郎、柴崎友香、山下澄人+保坂和志)。青木さん、磯崎さん、柴崎さん、山下さん、そして保坂さんという組み合わせは、ある意味あまりに「そのまんま」な感じなのだけど、この「そのまんま…
●無事、今年最後の締切を終えた。12月は雑用が多くバタバタしていて、あまり集中して本を読んだりできなかったけど、『時間と自由意思』(青山拓央)はとても面白かった。面白いとは言っても、この本の示す「結論」は、ぼくが最も恐れている「直観」---この「…
●働きアリのうちの二割はほとんど働かない。よく働くアリだけを選んでコロニーをつくっても、そのうち二割は働かなくなる。この話はよく聞くけど、あまりに良くできた話であり過ぎて(ある種の社会的な教訓話みたいなものに「使え過ぎる」話なので)、一種の都…
●『響け!ユーフォニアム2』、12話。まだ最終話ではなかった。 ●最終回ではないけど「いい最終回だった」、特にBパートは最終回的な展開で、この作品で描くべきことはほぼ描き切った感じがある。とてもよかった。でも、この最終回的展開を前倒しにしてここへ…
●昨日の日記で触れた「エントロピック重力理論」について、量子情報物理学の研究者の堀田昌寛さんのツイッタ―から。 https://twitter.com/hottaqu 《「情報が重力に関係しているとするエントロピック重力理論が正しいのは、中身のつまった分厚い本のほうが重…
●なんかすごい理論が来た(フェイスブックで三宅陽一郎さんがリンクしていた)。「ダークマター存在せず? 「エントロピック重力理論」と観測データが一致」。 http://news.mynavi.jp/news/2016/12/22/230/ 《ライデン天文台(オランダ)の天文学者マーゴット・ブ…
●ある計算可能な、ちゃんと解の導ける式があるとする。その場合、式がたてられた瞬間に答えは決まっているといえる。1+1という式がたてられると同時に、(計算をするよりも前に)その解は2と定まっている。 ここで、もし、歴史上で誰もたてたことのない式がた…
●109シネマズ湘南に『溺れるナイフ』(山戸結希)を観に行った。DVDになってからでもいいかなあとも思ったのだけど、この前はじめてお会いした映画監督の安川有果さんがすごく良かったと言っていたということもあって、観に行くことにした。 面白かった。前半…
●一つ、大変な用事が片付いたので、地元のシネコンに二度目の『君の名は。』を観に行った。二度目を観て思ったのは、一度目に観た時に感じたよりもずっと『シュタインズゲート』的だったということだ。組み紐の絡まりというのは、世界線というイメージそのま…
●「サイエンスゼロ」で科学の未解決問題の第一弾として「意識(心)」が取り上げられていたけど、特に目新しいトピックはなかった。 デカルトの心身二元論ではなく、現代の科学者は物理的な一元論をとる、と。仮に、心は脳の機能により、脳で発生するとする。…
●昼間は法事で、夜は忘年会、そして朝帰り。ずっと呑んでいた感じの日。 ●白内障の手術を終えたばかりの母が、新聞の文字がこんなにくっきり黒いとは思わなかった、空の青がこんなに鮮やかだとは思わなかった、道を歩いていてもずっと先まで見える、と、興奮…
●『響け!ユーフォニアム2』、第11回。高坂の滝先生への感情についいての問題は、一応、今回をもって区切りがついたという感じなのだろう。田中先輩問題に比べるとずいぶんあっさりした感じだけど、 黄前の猫被りガードは完全にダダ漏れ状態で、もはや、内省…
●政治という語が嫌なのは、一方であまりに多義的であり、しかしもう一方で、その時、その語の意味するものの範囲が正確に測られないまま使われがちなので、意味としてノイズが大きすぎて、正確な伝達が困難なまま、ただただ人の感情だけを惹起しがちなところ…
●月がまぶしいほどに明るかったし、クリアに見えた。月の存在感をこんなに感じたのははじめてだと思う。手を伸ばせば届きそう、という紋切り型の表現が腑に落ちるくらいに。 月が明るいと、夜の空が暗い(黒い)ということがより感じられる。
●エリー・デューリングのプロトタイプを、ブリコラージュとあわせて考えるといいのではないかと思った。プロトタイプは、ブリコラージュによってつくられる、と。ブリコラージュによってつくられたものが、たまたま、世界のある鍵穴にぴたっとハマってしまっ…
●古い記憶。小学二年生くらいの頃だったと思う。ともだちと二人で学校から帰っている途中、なぜか「地球はどうやってできたのか」という話になった。ぼくは、科学図鑑などで知ったイメージに基づいて話し、ともだちはもっと神話的な話(神様が海の部分を青く…
●「サイエンスゼロ」でノーベル賞の話題をやっていたけど、オートファジーでもボブ・ディラン(はサイエンスじゃないけど)でもなく、地味で、いかにも一般受けしなさそうな、分子マシン(化学)とトポロジカル相転移(物理)を取り上げるところが渋い。 (どちらも…
●『響け!ユーフォニアム2』、10話。田中先輩エピソードは前回で終了なのかと思っていたら、さらに攻めてくるのか。田中先輩の鉄壁のガードをえぐる黄前。 一方に、やりたいことをあきらめて後悔している人(姉)がいて、もう一方に、今まさにやりたいことをあ…
●人間には、感情のセキュリティホールがたくさんあり過ぎるのだと、最近思う。そして、脳は、長い進化の過程で形作られた構造だから、構造は簡単には変えられない。感情のセキュリティーホールの存在を「意識した」くらいでは、そこをめがけて意図的になされ…
●ふと思った、どうでもいいこと。ひざまくらは、何故、膝枕なのか。実質的には腿枕だと思うのだけど。というか、ぼくの「膝」という語に対する理解が間違っているのか。膝は、膝小僧や膝関節の部分に限らず、腿と脛との間の、かなり広い部分を指す言葉なのだ…
●お知らせ、その一。「群像」2017年1月号に、津村記久子『浮遊霊ブラジル』の書評(「見えないもの」との多様な関係)を書きました。津村記久子の小説の書評を書いたのは三度目ですが、どれもタイトルに「関係」が入っています(『とにかくうちに帰ります』の書…
●ツイッタ―の岩田慶治 botから、引用。 《横死者の魂としての頭蓋骨も、今となっては怨讎と敵意の渦まく世界を離れて、やさしく私という旅人を見守っているに違いなかった。それは頭蓋骨というよりボルネオの山河のかたまりだった。その魂だった。眼窩の底に…
●フェイスブックで掬矢吉水さんが紹介していた、素因数分解を可視化する動画に見入ってしまう。 http://www.datapointed.net/visualizations/math/factorization/animated-diagrams/ 前に『虚数の情緒』という本を読んでいた時(読み終わってないのだけど)、…
●十一月に撮った写真。十一月はほとんど写真を撮れなかったし、面白いものもあまりない。
●ベクショニズムのメンバーで、ギャラリー・コエグジスト・トーキョーの井上実展を観に行き、トークを聴いた。メンバーで既に井上実の作品を観ていたのは西川さんだけだったけど、他の人も驚いていた。特に、柄沢さんが昂奮しているように見えた。 http://co…
●『響け!ユーフォニアム2』第九話。神アニメの神回。一期、二期を通じて積み上げてきたものが炸裂している。物語的な展開としてはありきたりとも言えるが、そこに黄前久美子というキャラが絡むことで複雑な表現になる。田中先輩が母親について「あの人が嫌い…