●昼間は法事で、夜は忘年会、そして朝帰り。ずっと呑んでいた感じの日。
白内障の手術を終えたばかりの母が、新聞の文字がこんなにくっきり黒いとは思わなかった、空の青がこんなに鮮やかだとは思わなかった、道を歩いていてもずっと先まで見える、と、興奮ぎみに語っていて、そういうのって大事だよなあと思う。
●終電がなくなって帰れなくなり、もうけっこういい歳の男たちが松屋で一杯150円のハイボールを何杯か呑みつつ始発を待つ。夜中で客もほとんどいないのに、黒人の店員は働き者で常に何か仕事を見つけては動いている。店員がせわしなく、かつ、きびきびと働くなか、眠気と酔いでぼんやりした頭でまったりと映画の話をしている(一人はカウンターに突っ伏して寝ている)。夜明け間近の松屋では、『狼になりたい』(中島みゆき)的感情は気配すら見当たらない。