2024-11-04

⚫︎夢。さる高名な資産家の老人のエージェントだという男が現れ、ご老人からあなたにへと託されたと言って、冷凍された肉団子を差し出される。エージェントによると、この肉団子はとても貴重なもので、お金に変えると数千万はくだらないが、ご老人は、あなたがこれを金に変えることなく、ご自身で適切に料理して召し上がることを期待されている、あなたにおかれましては、くれぐれもご老人の期待を裏切ることのないようにお願いしたい、と。やけに強く圧をかけてくるのだった。肉団子は冷凍されているとはいえ溶けかけていて、このまま放置していたらお金に変えることも食べることもできなくなってしまう。エージェントは長々といつまでも、この肉団子の歴史的、また政治的な意義について語り続けている。とにかく急いで家に帰ろうと思うのだが、久々に訪れた巨大ターミナル駅で迷って、東京駅に向かわなければいけないのに逆方向の電車に乗ってしまう。エージェントはいつまでもまとわりついてきて、日本が過去に犯した歴史的な罪について語り、老人がそれといかに真摯に対峙しているかを語り続ける。逆側のホームへ移動するためには、なぜか一度自動改札を通り抜けなければならないようだ。その自動改札では、タッチするのではなく、交通系ICカードを切符のように機械の中に挿入しなければならない。急いで通り抜けようとカードを挿入するのだが、自動改札に吸い込まれたカードはいつまでたっても出てこない。いや、自動改札機は次々と多くのカードを吐き出すが、そのどれもが自分のものではなく他人のカードだ(カードには名前が記されている)。一枚一枚確認するが自分のカードはない。なんでカードが出てこないのだとイライラしているのに、エージェントは耳元で、ハン・ガンのノーベル賞受賞の意義の大きさについて語り、韓国文学の未来について語っている。通りがかりの駅員に、カードが出てこないと訴えても、半笑いの表情で無視して立ち去ってしまう。なぜちゃんと対応しないのだと怒りが込み上げるが、エージェントは喋り続け、手元にある肉団子はかなり溶けて、ぬらぬらと生々しい肉のてかりを見せている。