2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧
●門前仲町の門仲天井ホールで、「関わりを解剖する二つの作品」(振付・手塚夏子)を観る。四十分程度の二つの作品「サンプル」(出演・山縣太一 音楽・スズキクリ)と「プライベートトレース」(出演・手塚夏子 音楽スズキクリ)。 「サンプル」は、舞台中央の向…
●体調は良なくいが、出かけてみることにした。上野の森美術館でVOCA展と田中功起ショー、にしすがも創造舎で、ベケットラジオ『残り火』(演出・阿部初美)『カスカンド』(演出・岡田利規)。上野公園の桜はほぼ満開で、公園をすこし歩いた。 ●VOCA展は毎年まっ…
●あいかわらず体調がパッとしない。外へ出るのが辛い。午前中、ドローイング。午後はひたすら本を読んで過ごす。三冊くらいの本を、少し読んだら次、また少し読んだら次、という風にぐるぐるまわしながら読んでゆく。最近ようやく、ベケットの『モロイ』の読…
●体調がいまいちで、風邪が治ったのか治っていないのかよく分らないグズグズの状態。寝ている程ではないのだけど、動き出すと身体が重く、頭も冴えない。午前中、二時間ほどかけて、全紙大のドローイングを二枚ほど掻く。ドローイングにはかなりの集中力が必…
●『トゥモロー・ワールド』が面白かったので、アルフォンソ・キュアロンの98年の作品『大いなる遺産』をDVDで観てみた。(『天国の口、終わりの楽園。』は新宿のツタヤにはなかった。)いろいろとやりたいことのある、作家としての野心のある、将来化ける可能…
●お知らせ。今、出ている「ユリイカ」4月号(特集・米澤穂信)http://www.seidosha.co.jp/index.php?%CA%C6%DF%B7%CA%E6%BF%AEに、「互恵関係と依存関係/〈小市民〉シリーズについて」という文章を書いています。 ●晴れて気持ちのよい天気だったので、病み上が…
●アルフォソン・キュアロン『トゥモロー・ワールド』をDVDで。以下、ネタバレあり。この映画は悪口が言いづらい。とにかく、よくぞここまでやった、という努力と心意気に対して感動してしまって、それが作家に対する過度な同調を生み、作品そのものにどうし…
●ジョン・カサヴェテス『ラヴ・ストリームス』をビデオで。若い頃は、カサヴェテスはとにかくぶっ飛んでいて凄いという風に感じていたのだけど、今になってみると、そのようなぶっ飛んだ喧噪よりもむしろ、その裏側から滲み出て来るような、ずっしりとして、…
●出かける前に鏡をみたら、今まで自分の顔では見たことのないような大きな隈が目の下にくっきり浮き出ていて(というか、垂れ下がっていて)、まるで自分の顔ではないみたいだった。なんか本当に「病気の人」みたいな顔で、確かにこの二日間かなり辛かったけど…
●風邪ひいた。二日目。甘くみていた。まる一日寝てれば何とかなると思ったのだが、症状は改善しない。昼過ぎに、食べるものも飲むものも完全に底をついたので、仕方なく買い物に出る。よく晴れて空が真っ青で、ポカポカしているのだろうけど、悪寒があるため…
●風邪ひいた。昨日からなんとなく徴候はあったのだが、今朝、半端ではない寒気で目が覚めた。背筋から脳天を直撃するような悪寒で、身体が小刻みに震え、モコモコに重ね着して布団にくるまっても納まらない。頭は痛いし身体は重いのだけど、このままでは眠れ…
●ある一つの音が最初にあって、次に別の音が鳴る。そこに、ある点から次の点へ移る動きが生じ、その軌跡は線となって形態を予測させ、同時に二つの音の響きはある色彩を生む。この時、二つの音の連なりによって感じていた感覚は、次に三つめの音が付け加えら…
●ロバート・アルトマンの『ウェディング』をDVDで。時間的な展開(物語、アクション)ではなく、あくまで空間的な広がり(配置、関係性)によって映画を成り立たせようとする映画。とはいえ、映画は始めから終わりまで順番の決まった時間的な展開によって示され…
●ネットで注文した『三月の5日間』(チェルフィッチュ)のDVDが届いたので観た。 戯曲として読んだ時には、かなり複雑な操作がされているように感じられたのだが、上演されたものを観ると、「語り」の次元でその複雑さそのものが意識されることはあまりなく、…
●展覧会を観てまわった。気になったものは以下。上野の芸術院会館の文化庁買上優秀美術展(浅見貴子と金田実生)、銀座、資生堂ギャラリーの内海聖史、なびす画廊の利部志穂、ギャラリー21+葉の河野圭一、京橋、ASK? art space kimuraの金田実生。 ●特に面白…
●溝口健二『浪速悲歌』(1936年)、『祇園囃子』(1952年)をDVDで。たしかに『祇園囃子』はとても立派な映画ではあるけど、ぼくはやはり、五十年代の溝口よりも三十年代の溝口の方がずっと好きだと思ってしまうのは、マニアックな心性によるものなのだろうか。…
●夜、テレビを観ていると、別に面白いと思っているわけでもないのに、つい惰性でずるずると観つづけてしまう。テレビを消すには、惰性の流れを断ち切るような力が必要だ。なんとか重い腰をあげ、力を引き絞って、えいやあっとスイッチを切る。しかしスイッチ…
●『冷血の罠』(瀬々敬久)をビデオで。この映画は何度か観ている。ぼくは瀬々監督の映画をそんなに好きではないのだけど、とても好きで何度も観ている作品が二本あって、それは『KOKKURI こっくりさん』(97)と、この『冷血の罠』(98)だ。この映画は哀川翔主演…
●絵画にしか出来ないことをすることと、絵画というジャンルを前提として何かをすることとは全くことなる。過去に絵画を描いてきた先人たちの仕事を尊重することと、絵画史という言語ゲームに乗っかって作品をつくることとも、全くことなっている。 ●何かを掴…
●何かをやろうとする時、自分がそれをすることによって「何をしたいのか」ということが、自分ではよく分っていないことはけっこう重要なことだと思う。よく分っていないという不安のなかで物事に触れる時にしか、リアルに何かに触れることは出来ないのじゃな…
●溝口健二の映画がまとめてDVDで出ていたので、『祇園の姉妹』と『お遊さま』を借りてきて観た。 『祇園の姉妹』は、何度観ても隅々までの全てがいちいち新鮮で素晴らしいとしか言えないような傑作で、映画では七十年も前からまったく何も新しいことなど起こ…
●昨日観た『叫』(黒沢清)について。以下、ネタバレしています。 ●『叫』には2種類の異なる幽霊が出てくる。小西真奈美と葉月里緒菜だ。しかしこの2種類の幽霊の質の異なりは、『LOFT』における豊川悦司と中谷美紀との欲望が決してかみ合うことがないのとは…
●新宿武蔵野館で、黒沢清『叫』を観て、損保ジャパン東郷青児美術館(損保ジャパン美術財団選抜奨励展)で、浅見貴子「樹木図5」を観た。 ●黒沢清『叫』。これはすごく良かった。『ドッペルゲンガー』、『LOFT』と、モヤモヤの晴れない作品がつづいて、観るの…
●昼食の後、すこしうつらうつらして夢を見た。ぼくは高校生で、校舎の四階にある教室に用事があって階段を昇っている。軽い急ぎ足で、一段飛ばしくらいの感じで、トントントンと昇っている。これが夢であることは、意識されている。夢なのに、空間をショート…
●昨日観た、銀座のGallery覚(http://www6.ocn.ne.jp/~g.kaku/)での小林聡子展(http://www6.ocn.ne.jp/~g.kaku/kobayashisatoko.html)について。この展覧会は、一昨年から去年にかけて一年間タイに滞在した作家が、タイで制作し、チェンマイとバンコクで発表…
●東京都庭園美術館で、アルフレッド・ウォリス展、銀座のGallery覚で、小林聡子展。 ●アルフレッド・ウォリスという画家については何も知らなかった。ずっと漁師をしていて、奥さんを亡くし、七十歳を過ぎてから絵を描きはじめたということだった。別に発表…
●必要があって、『神の子どもたちはみな踊る』(村上春樹)のなかの短編をいくつか読んだ。最初に載っている「UFOが釧路に降りる」を、風呂のなかで読んでいたのだが、読み終わった時、思わず声に出して「くっだらねえ」と言ってしまった。実際に声に出して言…
(昨日からのつづき。荒川修作の三鷹天命反転住宅について。) ●すり鉢状にへこんだ部分を中心として、同心円的にひろがってゆく円形の空間であるせいか、部屋に入るとすぐ、自分がどちらの方向からそこに入って来たのか分らなくなる。勿論、窓から外の景色が…
●荒川修作がつくった、三鷹天命反転住宅の内覧ツアーに参加させていだだいた。武蔵境の駅からバスに乗って、大沢という停留所で降りてすぐの交差点の先に、それは建っていた。思ったよりも目立たない(浮いていない)感じで、外観は割と普通に見えた。完成予想…
●物理的に不可能だということがない限り、基本的に毎日この日記を書いていて、そんなことをもう7年以上もやっていて、勿論、毎日全力を振り絞って書いているというわけではないにしても、一日の決して少なくはない時間を裂いていて、一体なぜこんなことをや…