2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
●人生の時間に限りがあるとしたら、その残された時間で現実として何が出来るのか、と考えるより、どれだけ多くの、そして多様な「おもしろい夢」がみられるのか、と考える方がおもしろいのではないか、と、ふと思った。ここで「夢」とは、希望や欲望のことで…
●夢。最近、コトッと音がして、見るとボールペンが落ちている、ということが頻繁にある。そのボールペンを持ち歩いているわけでもない(自分の所有するペンではない)のに、必ず、同じボールペンが落ちる。それが気になって仕方が無い。その音をマイクで拾って…
●『天国にちがいない』(エリア・スレイマン)をU-NEXTで観た。「NOBODY」の2021年ベストで黒川幸則さんが挙げていた。これは最高だった。観ている間に何度も(例えばカットがかわった時とかに)「おう」とか「おぉぉぉぉぉ」という驚きの声が出た。驚きに満ちた…
『バーニング・ゴースト』(ステファーヌ・バテュー)をU-NEXTで観た(ネタバレしています)。新しい感じのゴーストストーリーを期待して観てみたのだが、最初の方はかなり良くて、もしかするとこれはすごい当たりではないかと思ったが、途中で「幽霊が生身の女…
●昨日観ていた映画『水を抱く女』(クリスティアン・ペツォールト)は神話を題材とするものだが、ベルリンという都市についての映画でもあった。それを観ながら、東京という都市との違いを強く感じていた。 たとえば塚本由晴は、東京という都市は、大都市であ…
●「NOBODY」の2021年ベストで複数の人が挙げていたので、そしてアマゾンビデオにあったので、そして90分くらいと時間的にも手頃だったので(まったく予備知識なしで)『水を抱く女』(クリスティアン・ペツォールト)を観てみた。 「2021年ベスト」(NOBODY) http…
●レヴィ=ストロースが、神話と音楽の類似性を述べたあとに、神話も音楽も、言語から生まれて異なる方向へと発展した《二人姉妹》のような存在だといっているのがおもしろい。言語には、音素、語、文という三つの階層がある。音楽には、音素にあたる楽音と、…
『犬からみた人類史』という本をパラパラと読んでいる途中だが、第一部「犬革命」の第五章「イヌとヒトをつなぐ眼」(今野晃嗣)に興味を惹かれた。 ヒトは、サルからヒト化するときに、横長で白目と黒目のコントラストがはっきりした、顔のなかでも目立ち、そ…
●『葵ちゃんはやらせてくれない』(いまおかしんじ)をU-NEXTで観た。しみじみ良かった。 (いまおか作品をきちんと追っているわけではないので他にもあるかもしれないが)『かえるのうた』、『川下さんは何度もやってくる』につづく、「自殺した先輩が帰ってく…
●『れいこいるか』(いまおかしんじ)をU-NEXTで観た。すばらしかった。 この映画の最後の30分ちかく。武田暁が卓球場(?)の横で「はじめて逢うたんはここや」と言う場面の次にくる、震災後23年とされる場面はすべて、「現実らしさ」という意味ではまったくリア…
●(昨日からのつづき)「顔」が問題になるとき、いつも必ず想起される(この作品における)マティスの顔の描写。顔でないもののなかから今にも「顔」がたちあがってくるかのような、あるいは、顔が「顔」であることが今にも崩れて散ってしてしまいそうな感じ。一…
●去年、この日記に何の説明もなく掲載したりしたが、少し前から「一筆書きで描かれた顔」というドローイングをやっている。これは作品と言えるほどのものではないく、酔った時に勢いで描いている落書きようなものだが…。 何が問題にされているのかというと、…
●『時空犯』(潮谷験)を読んだ。これって「涼宮ハルヒ」だよねえ、と思いながら。同じ一日が繰り返されるなかで事件が起こるという事前情報から、おそらく「エンドレスエイト」や「シュタインズゲート」の世界でミステリを成立させようとする試みなのだろうと…
●納得できる。こちらの方が実感に近い。 約100年も信じられてきた身体概念を修正 〜運動するときの「心の中の身体」は一つではない〜(東北大学) https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2022/01/press20220118-01-kokoro.html#.Yeou-Ra04PY.twitter ●『そこにな…
●お知らせ。去年の11月25日に行った、佐々木敦さんの最初の小説『半睡』についてのトークイベント「はじめての小説と「小説」の終わり ー『半睡』と、その他の話ー」のアーカイブ映像の試聴チケットがSCOOLから販売されました。登壇者は、佐々木敦、山本浩貴…
●『ナイト・スリーパーズ ダム爆破計画』(ケリー・ライカート)をU-NEXTで観た。これも面白かった。特に前半。ただ、後半の展開をどう考えていいのか、少し難しい。カメラも演出も『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』ほどはキメキメではなくて、いい感じ…
●昨日の日記で引用した『今日のアニミズム』の第二章「トライコトミーTrichotomy(三分法)、禅、アニミズム」でも触れられていたが、グレアム・ハーマンの面白いところは、オブジェクト(対象)を、内的構成(下方解体)にも外的関係(上方解体)にも還元されない、…
●引用、メモ。『今日のアニミズム』(奥野克巳×清水高志)、第二章「トライコトミーTrichotomy(三分法)、禅、アニミズム」(清水高志)より。 西洋の哲学が基本的に《「主体/対象」「一/多」》という二つの二元論の組み合わせとしてあり、多である対象を統合する…
●お知らせ。noteも地味に更新しています。 note.com ●もうすぐアマゾンプライムでの配信が終わってしまうようなので、『孤独な場所で』(ニコラス・レイ)を観た。空間の演出の面白さが際立つ映画なのだけど、それとは別に、これは、ハンフリー・ボガートが「…
●(一昨日のつづきで)蛇足だけど、『ライフ・ゴーズ・オン 彼女たちの選択』(ケリー・ライカート)の三つのエピソードのうち、一つ目と二つ目は、「え、ここで終わるの」という、おさまりの良くないところ、階段がもう一段あると思って足を出したら地面で足が…
●猫舌SHOWROOM「豪の部屋」、沖井礼二の回。沖井礼二という人について、RYUTistなどアイドルに曲を書いている人という認識しかなく、シンバルズというバンドについて何も知らなかったのだが、聴いてみたら驚くほど良くて驚いた。なぜ今まで知らなかったのか(…
●現代の映画に対して特にアンテナをはっているわけではない(むしろかなり疎遠になりつつある)ぼくでさえ、去年くらいからその評判と名前を目にすることの多くなったアメリカのインデペンデント系の映画作家ケリー・ライカートの映画がU-NEXTで何本か観られる…
●『あの家に暮らす四人の女』をNetflixで。前からちょっと気になっていたのだが、今まで観る余裕がなかった。宮本信子、中谷美紀、永作博美、吉岡里帆という四人の女性が都内の洋館で暮らしているという話。肩の力を抜いて観るのにちょうど良い感じだった。 …
●アマゾンプライムで『ずっと独身でいるつもり?』(ふくだももこ)を観た。「文學界」で「新人小説月評」をやっていた時に読んだ「君か、それ以下」という小説がとても良くて、そこで、それを書いた作者のふくだももこという人が映画監督でもあることを知った…
●2017年に行われた『三月の5日間 リクリエーション 横浜公演』の動画がYouTubeにあったので、なんとなく観てみたら、引き込まれてそのまま最後まで観てしまった。 Toshiki Okada "Five Days in March Re-creation in Yokohama"【EN/FR/DE/PT/簡中/繁中/RU】 …
●『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直)で呉は、昭和20年3月19日に最初の本格的な空襲に襲われ(そこから作品のトーンが大きく変わり)、それから頻繁に空襲があるようになり、そして5月5日に大規模な空襲で破壊的な打撃を受ける。その3月19日から…
●『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』(片渕須直) をU-NEXTで観た。ちょうど一年前、去年の今頃に観ていて、言いたいことはだいたいその日の日記に書いた。 https://furuyatoshihiro.hatenablog.com/entry/2021/01/16/000000 『この世界の片隅に』では、…
●DMMのスクリーミング配信で『熟女 淫らに乱れて(スリップ)』(鎮西尚一)を観た。画質の悪さが気になった(DVDより画質が悪いのではないか)が、映画はとてもすばらしい。 この映画ではまず、男(伊藤猛)がひたすら弱っていく。弱っていく様が、淡々と、ひょうひ…
●大晦日から元旦のDOMMUNEでコーネリアスのファーストアルバムの曲を久々に聴いたが、思いの外良いと感じた。ファーストが出た時点では(小沢健二のファーストが大胆に振り切っていたということもあって)、ボーカルの線の細さみたいなものをどうしても感じた…
●「早稲田文学」につづいて、小説を掲載してくれるという雑誌があるので、また、短い小説を書いているのだが、小説について考えるヒントとして、『2-9-1』(小林耕平)と、『にほんかいいもうとといぬ』(小林恵)という、奇跡のようにすばらしい二つの映像作品…