2011-01-01から1年間の記事一覧

●DVDを観て過ごした。 ●シャブロル『最後の賭け』。すごいこれ。隅から隅まで洗練されまくっている。初期のヌーベルバーグが夢見たものの実現というような作品なんじゃないかと思った。ただ、このような完璧に贅沢な美食みたいなものを前にするとなんとなく…

●(昨日からつづく、小林秀雄『近代絵画』をめぐって) 最近、ゴッホが色覚異常だったみたいな話から、ゴッホと色彩について、というか、絵画において色彩って一体何なの?、という雲をつかむような事柄についてあてもなくいろいろと考えていて、そんな時に読…

●昨日、日付を間違えてアップしてしまいました。『キック・アス』に関する日記は昨日の日付のところにあります。 http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20111228 ●時々、『近代絵画』を読み返して、やはり小林秀雄はすごいと、改めて思う。それと同時に、…

●テレビを点けていても面白くないので、DVDで『キック・アス』をぼんやり観ていた。 ぼんやり観ていた感想でしかないけど、『キック・アス』は確かによく出来ていると思うけど、アメリカのヒーロー物ってなんでこんなにシリアスというか、陰惨な印象になるの…

●新百合ヶ丘の川崎アートセンター、アルテリオ小劇場で『ゆめみたい(2LP)』(中野成樹+フランケンズ)。すごく面白かった。 ●「ハムレット」の誤意訳版。舞台上から客席にまで及ぶ一枚の大きな壁が舞台を左右に切り分けていて、舞台上に二つ、客席に一つ、人…

●午後二時すぎまで寝ていて、起きてから前日分の日記を書いた。昨日よりはだいぶ調子が良くなっている。様子を見る感じで、DVDの返却と買い物に出てみる。外に出るのはまだちょっとつらい。明日のために今日は部屋でじっとしておこうと思う(だがこれを書いて…

●朝起きたらとつぜん風邪をひいていた。そういえば昨晩鼻がちょっとぐずぐずいっていたなあ。思い返せばそう言えるけどその程度の徴候しかなかったのに起きたらいきなりかなり苦しい。一日じゅうぼーっとして、寝たり起きたり。夢をたくさん見て、いろいろな…

●DVDで『ヒアアフター』を観たのだが、観ている間ずっと、この作品はどこへ向かおうとしているのか、イーストウッドは何をやろうとしているのか、ということが掴めなくて、ふわふわした感じで観ていて(それは必ずしもつまらないということではないけど)、『…

●『輪るピングドラム』最終回。素晴らしかった。納得できる終わり方。現実にはそんなことはありえなかったし、そして、それを思い出すことも決してできないが、しかし確かに存在する「ある記憶」に支えられることで、人は生きている。ある意味「夢オチ」とも…

●昨日の『建築と日常』の打ち上げの帰りの中央線のモニターで、森田芳光が亡くなったというニュースを観て驚いた。現在の時点で映画作家としての森田芳光にはまったく興味はないけど、十代の中頃のアートにかぶれたガキだったぼくには『の・ようなもの』『家…

●まだ読み始めたばかり(一章と二章まで読んだたけ)だけど、『魂と体、脳---計算機とドゥルーズで考える心身問題』(西川アサト)がすごく面白い(「西川アサキ」でした、名前間違えてしまって失礼しました)。一章、二章では(サブタイトルにある)ドゥルーズとい…

●もうちょっと、「過去の話」(磯崎憲一郎)について。 この小説は、一九八三年に二十歳だった「私」が、《長く続いた恋愛に敗れ傷つ》き、京都を訪れるエピソードを中心にして、それより前の十代の出来事と、それよりやや後の二十代の後半か三十になったばか…

●「過去の話」磯崎憲一郎(「文学界」1月号)より。 《叡山電車の中では隣り合わせに並んで座った。何かの拍子に彼女が電車の進行方向に振り返った。すると背中が、拒む間も与えぬほど重々しい質量となって私の前に迫ってきた。茶色い髪が垂直に落ちて、肩甲骨…

●目白の日本女子大で「中沢新一は何を云おうとしているのか」第三弾『カイエ・ソバージュ1 人類最古の哲学』。 http://www.ustream.tv/channel/%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%82%A8-%E3%82%BD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A5-1-%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E6%9C%80%E…

●「世界神話学:比較神話学の現状と展望」(松村一男)を読んでとても驚いたので、メモとして引用しておく。なんというか、「ここまで分かっているのか」という驚き。 http://lizliz.tea-nifty.com/mko/2011/11/post-41b0.html ●まず、松村一男によるオッペンハ…

●バタバタ動いているというわけではないので忙しいという言い方は適当ではないかもしれないが、十一月の終わり頃からここ三週間くらいは、ぼくの処理能力としていっぱいいっぱいくらいの用事を抱えてあっぷあっぷな感じだったのが、ようやくそれらを期限まで…

●常日頃から生活のなかに自然に音楽がある、という風には音楽と親しい関係をもててはいないので、時々、音楽を聴くと、刺激が強すぎて、湯あたりするというか、チョコレートを食べすぎて鼻血が出る、みたいな感じになることがある。昨日の夜もそんな感じで、…

●ずっと調子が悪くて、機械のご機嫌をうかがうように使ってきたDVDプレイヤーがとうとう、もう、どうなだめてもすかしても動かなくなって、でも、今DVDが見られなくなるのは色々と支障があるので、ツタヤで2980円で売っているコンパクトなプレイヤーを買って…

●片付けても片付けてもまったく本が片付かない。一昨日の日記にも書いたけど、二十年前に録画したビデオがひょっこり出てきたりするのだから、89年に実家を出てからの様々なものが部屋には蓄積されてしまって、もうどうしようもなくなっている。なるべく買わ…

●『甘い罠』。シャブロルの映画には不思議な(というか不自然な)交差的組み換え(組み合わせ)があちこちに見られる。この映画でも、母のない父と息子と、父のない母と娘がいて、その息子と娘は生まれた時に病院で取り違えられた過去をもつ。だがこの映画では、…

●部屋を片付けていた時に出てきた、ずいぶん以前にテレビで放送したのを録画した『1000年刻みの日時計 牧野村物語』(小川伸介)のビデオをぼんやり観ていた。昔は、こういう映画もちゃんと深夜の地上波で放送されていたのだなあ、とか思いながら。CMもカット…

●『輪るピングドラム』第22話。 ●時籠が日記の半分を苹果に返した。また、夏芽が冠葉をかばうために死んだということになれば、苹果は、日記の残りの半分も手にすることになるのではないか。「自分を消して桃果を反復する」という過程を経て自分自身を発見す…

●『一一一一一』(福永信)。この本も書評を書くので簡単な感想だけざっくりと。ぼくはこの本を「ええ」が何回出てきて、「そうですね」が何回出てきて、という風に「受け」側の答えのすべてを「正」の字を書いて数えながら読んだ。あと、数字が含まれる単語を…

●来月出る文芸誌に『蜩の声』(古井由吉)の書評を書いたのだが、原稿用紙にして三枚程度の短いものだったので、入り切らなかったことをちょっと書く。 ●古井由吉の小説では、「何か動くものの影が見えた、よく見るとそれは自分の背中だった」という視線と、「…

●12月にはいってから撮った写真。

●もうちょっと、11月の後半に撮った写真。

●11月の後半に撮った写真。 ●ぼくにとって写真は、凝視するもの、凝視するためのもの、あるいは、凝視するための距離と配置を確保するもの、であるのだろうか。 フレームや距離は、ほぼ一瞬で、カンで決めるけど(同じ場所で何度かやり直すとしても、その都度…

●シャブロル『悪の華』をDVDで。以下、ネタバレあり。 冒頭というかオープニングで部屋の中でうずくまっている女性が誰なのか、うちの小さなテレビでは分からなかったのだが、あれは、妹でもあり、叔母さんでもあるということで良いのだろうか。この映画は歴…

●『輪るピングドラム』第21話。 ●冠葉が実は夏夏芽家の子供であるという事実、そしてラスト近くでの実の父の言葉(お前じゃ駄目だった)を鵜呑みにするのならば、冠葉には父との関係においてトラウマがあり、そしてそれは、冠葉の実の父と夏目家の祖父との関係…

●シャブロル『引き裂かれた女』をDVDで。冒頭から、フランソア・ベルレアンが上目使いで目つきが悪い。この人はこの映画ちゅうずっと上目使いの人だ。 個々の登場人物たちの思惑を(そして観客の予想や期待を)置いてきぼりにするかのように、話の軸がどんどん…