2020-06-30

Netflixの『攻殻機動隊 SAC_2045』は、面白くなりそうなのか、ならなそうなのかも、よく分からなくて、なかなか先(つづき)を観たいという気持ちを保てない感じだったのだが、6話まで来てようやく物語が動き出したというか、その芯にちょこっと触れたみたいに感じられ、もう少しつづきを観てみようという気持ちになった。

世界的なサスティナブル・ウォー(経済をまわすために、コントロールされた戦争状態を持続的に維持している)という状況下で、元9課のメンバーたちが傭兵をしているという最初の設定は面白いと思ったけど、その状況での戦闘シーンと作戦行動ばかりがつづき、それはそれとして面白くないわけではないのだけど、最初の状況から発展がなくて(他のメンバーと離ればなれになっているトグサが、アラマキからの要請でメンバーの行方を追い、だんだん近づいていくという展開はあったけど、それは展開を転がしていくテクニックに過ぎなくて、物語そのものとしては---あるいはそのコンセプトの提示としては---全然深まってはいないように思えた)、先延ばしみたいな展開だったのが、ようやく「ポスト・ヒューマン」という謎の存在(新しい概念・新しい局面)が出てきた。

(戦場で食物を屋台で売っている中年女性が、常に何かを払うように手を振っていて、小バエのような虫を払っているのかと思ったら、実は、自分の電脳の視界に次々と入ってくる広告バナーを払っていた、という小ネタとかは面白いのだけど、こういう小ネタの濃度---頻度---ももっと高くてもいいと思う)

フル3DCGの画面は、けっこういけると思う場面もあるが、時々すごく貧相な感じになってしまうところがあるのが残念。

2020-06-29

U-NEXTで、森崎東『女咲かせます』を観た。上昇と下降、そして視線と宴会。

●川谷拓三も平田満名古屋章も、松坂慶子を見ている。川谷は愛情と監視、平田はただ引きつけられるように、名古屋は監視。特に面白いのは平田の視線。平田のまなざしは、冒頭近くで港の突端から船を見つめているカットから既に印象的だ(平田が船を見上げているカットに、クレジットタイトルの「平田満」の文字が重なる、これは意図的だろう、平田満はこの映画の一つの軸だ)。炭鉱の事故で記憶喪失になったという平田は、目の前に居る女性を自分の妻だと思い込む。その視線の先にはいつも松坂慶子がいて、その後をついて歩く(同じく、愛をもって松坂を見つめる川谷と衝突する)。そして、時間を知るためにそこにはない腕時計を見る。一方、松坂が見ているのは役所広司で、役所は常に高い位置にいる(新幹線の二階席など)。

エレベーター、階段、ダスト・シュート、ボタ山松坂慶子は、ぶら下がり健康器から無残に落下するが、ダスト・シュートから滑り降りる時はきれいに着地する。そして、役所広司、川谷拓三と横並びで弁当を食べた後、駅の階段を泣きながら下り、警察署の階段を(「逃げてもいい」「動けなくなった」と言う)川谷拓三を引っ張り上げるように堂々と昇っていく。平田満は、船で去る松坂を目で追いながら歩いていて海に落下する。ラストはボタ山を昇る松坂。

繰り返される宴会。松坂と故郷の高島の仲間たちとの数々の宴会。川谷拓三と柄本明が酔い潰れている背後で行われている謎の宴会。そして、奇術師のスーツを着た役所広司たちの宴会。

●「貧困」というものの像が、この映画が作られた87年と現在とでは決定的に異なってしまっている、ということを感じた。監視カメラのない時代の映画、とも思った。

2020-06-28

●気持ちがすさんでいるときは、星野源のこの曲を聴きたくなる。

地獄でなぜ悪い(music video)

https://www.youtube.com/watch?v=nkIMVLEVNWI

ただ、好き嫌いを言えば、この曲が好き。

星野源 – 恋(Live at Tokyo Dome 2019)

https://www.youtube.com/watch?v=ucR8y5BaLLE

これも素晴らしい。ドクター・キャピタル&古川昌義 デュオライブ

星野源「恋」 cover 〜 フルキャピ特別ライブ版

https://www.youtube.com/watch?v=BJpVIcKiO0U

ドクター・キャピタルの、この「ビハインド・ザ・マスク」、かなりいいのでないか。

Yellow Magic Orchestra (YMO) の Behind The Mask - Dr. Capital

https://www.youtube.com/watch?v=epaOP7KVVq4

2020-06-27

●ちょっと前から、YouTube広瀬香美が妙なテンションではっちゃけているのが気になっていたのだけど、さっそくミラクルひかるがネタにしていて、さすがだと思った。1:34くらいから。

ミラクルひかる 新作ものまね3連発!! 小池百合子/広瀬香美/蓮舫

https://www.youtube.com/watch?v=fKdMhA-s3yg

【クセが強いんじゃ〜】ミラクルひかるによるリアルゴールドを歌うこうみょんのものまね

https://www.youtube.com/watch?v=ssDF-tis5Bo

ミラクルひかるというば、最近のネタではcocomi とkokiのインスタライブのやつが気になった。こちらは、モノマネの方を先に観てから、その後、YouTubeにあったオリジナルの動画を観た。

20200624 01 (0:30くらいから)

https://www.youtube.com/watch?v=QJxqcv8v240&t=99s

広瀬香美とドクター・キャピタルは、選曲がけっこう被っている。

広瀬香美】米津玄師さんのLemonを歌ってみた①【※スタッフのご機嫌とり】

https://www.youtube.com/watch?v=SYYzWOtCak0

米津玄師(Kenshi Yonezu)のLemon - Dr. Capital

https://www.youtube.com/watch?v=V2ATGULOAlI

広瀬香美Official髭男dismさんのPretender歌ってみた②【※グッバイ勝負】

https://www.youtube.com/watch?v=I6cKlS3ipYE

Official髭男dism の Pretender - Dr. Capital

https://www.youtube.com/watch?v=khn421woq8k

広瀬香美あいみょんさんのマリーゴールド歌ってみた④【※休符のマジシャン】

https://www.youtube.com/watch?v=QNUxiRbFKlQ

あいみょん(Aimyon)のマリーゴールド(Marigold) - Dr. Capital

https://www.youtube.com/watch?v=74ExQPPQQuc

2020-06-26

野木亜紀子脚本の新しいドラマ『MIU404』を観ていたのだが、おばあさん役で出ている人が平野文だと気付いて衝撃を受ける。時間はそんなにも流れているのか、と。が、調べてみたら、どうも老けメイクをしての出演だったらしい。それはそうだよなあと納得する(心が穏やかになる)。

2020-06-25

●『ラディカル・マーケット』の著者の一人、E・グレン・ワイルが本の内容を「5つのアイデア」として自ら要約している。

ブロックチェーン開発者も注目する「ラディカル・マーケット」、著者のスピーチを紹介

https://coinchoice.net/author-of-radical-market-speech-at-edcon/

《1つ目は「Common Ownership Self-Assessed Tax(共同所有自己査定税)」だ。財産の所有者は自身でその価値を査定し、およそ7%の税金を支払う。この資産は自己査定額で購入したいと考える誰に対しても販売される準備ができていなくてはならない。この購入金は社会的配当として返還される。》

《2つ目は、「Quadratic Voting(二乗の投票)」だ。各市民には「ボイスクレジット」と呼ばれる予算が平等に配分され、それを使ってさまざまな課題に投票する。より多くの票を集めたアイディアが採用される。この仕組みにより、投票者にとって最も重要な課題が何かを表明することができる。同じアイディアに複数票を投じるために必要なクレジットは、1票なら1、2票なら4、3票なら9というふうに二乗で増加する。》

《3つ目は、「Visas Between Individuals Program(個人間のビザプログラム)」だ。この仕組みは、移民による利益を、移民を雇用する大企業ではなく、移民を受け入れる裕福な国の一般労働者に集めることで政治的なインセンティブを産み、移民を劇的に増加させる。》

《4つ目は、「Dismembering the Octopus(タコの手足を切り離す)」だ。今日の市場の力の源は、アンチ・トラスト法によって規制することができていない。アンチトラスト法では、労働者からより多くの力を得ようとする企業を規制し、合併を防ぐことはできない。また、企業経済のほとんど三分の一をコントロールする巨大な投資機関を規制することもできていない。》

《5番目は、「Data as Labor(労働としてのデータ)」だ。毎日私たちがFacebookGoogleのようなサービスに提供しているデータが機械学習の基盤となっている。そして、そのような機械学習システムが、私たちから仕事を奪うと言われている。私たちが提供するデータを労働として扱うことができれば、デジタルエコノミーはすべての人々にとって失業の脅威ではなく機会の源となる。》

2020-06-24

●『ラディカル・マーケット』に書かれているQuadratic Voting(二次の投票)が、近い将来実際に国政や地方の「選挙」で採用されるという未来を考えるのは難しいかもしれないけど、たとえば、マンションの管理組合とか自治会とかPTAとか、そういう(トップダウン的ではない、メンバーが多様で並列的な)組織における集団的な意思決定になら、すぐにでも使えるのではないか。多数決という、あまりに暴力的な制度よりはあきらかに良い制度のように思われるのだけど。これを使うだけで、政治的な(根回しや顔色伺いや忖度的な)めんどくささみたいなものも多少は解消されるのではないか。

(本文中では、世論調査をQVアプリを使って行った例が出てきていたけど、QVアプリはもっと幅広く実践的に使えるのではないか。)

(つまり、そういう小さな規模のレベルで、QVが本当に上手くいくのか、どこに問題があるのか、を、試してみることができるということだ。)

選挙制度を変えることができるのは、「今ある選挙制度で勝ち上がった国会議員」なので、これはなかなか難しい。だが、政党内の政策方針の決定や役職の人事をQVで行う、ということなら可能だろう。

COST(共同自己申告税)の考え方を、「国」という単位ではなく、もっと小さな組織でも応用できるとしたらどのような形でなのかを考えてみるのだが、こちらはけっこう難しい。

(『ラディカル・マーケット』は、とても急進的な市場至上主義とも言えるような立場で貫かれているのだが、たとえそのような立場には同意出来ないと考えるとしても、QVというやり方が多数決よりもずっと優れているという点は肯定できるのではないかと思う。)

●『ラディカル・マーケット』は、各章の先頭にある例え話的なフィクションの部分がとても面白いのが特徴的だ。学者が一般読者向けに書く啓蒙書に出てくる「例え話的フィクション」は、多くの場合とても残念な感じになってしまうのだが、この本ではそうではない。こういうところにも、著者の頭の良さの幅の広さが半端ではないことが出ている。