2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

2021-05-31

●U-NEXTで『あのこは貴族』(岨手由貴子)を観た。確かに、ここまで明示的に「階級」を描いた物語は他にあまりないかもしれない。ここで面白いのは、二つの階級がたんに対比されるのではなく、かといって交流が起るわけでもなく、「接点」が描かれているところ…

2021-05-30

●お知らせ。朝日新聞の下の記事で取材を受けました。 (扉)シュレーディンガーの猫、エンタメ彩る ありえた世界は「今を変える希望」 https://www.asahi.com/articles/DA3S14921894.html ●「多量の文章を読み込んで少なくない量のテキストを書く」ミッショ…

2021-05-29

●中断していたが、『現実界に向かって』(ニコラ・フルリー)の続きを読んだ。第三章「ラカン的政治」。アイロニカルであることを批判するむきもあるが、アイロニカルですらあり得なくて知的であることなど出来るのか、とは思う。とはいえ、その前提は共有しつ…

2021-05-28

●『大豆田とわ子と三人の元夫』第七話でのオダギリジョーのセリフを書き下している人がいて、それを読んで、ちょっと思うところがあった。 オダギリジョーが言っているのは要するに、時間は過ぎ去って消えてしまうものではなく、場所のように「別のところに…

2021-05-27

●近所のセブンイレブンの文房具が軒並みダイソー商品になっていて、著しくクオリティが下がってしまって地味にダメージをうける。文房具へのこだわりが特にあるわけではないが(今までセブンイレブンに売っていた3Mとかの普通のやつで満足していたのだし)、露…

2021-05-26

●『今ここにある危機とぼくの好感度について』、第四話。わざわざ文句みたいなものを書くのも嫌なのだけど、四話まで観つづけたのでメモ程度に書いておく。 分かりやすくすることと紋切り型にすることとは違うと思う。このドラマではあらゆることを紋切り型…

2021-05-25

●『大豆田とわ子と三人の元夫』、第七話。空野みじん子、「佳作」はリアルだが地味に辛い…。というか、地味に辛いがリアルだ。そして、インターフォンの音でいちいち気分が下がるという、この細部の表現のすごさ。 そうか。市川実日子の死の衝撃を松たか子以…

2021-05-24

●今、改めてサチモスをYouTubeで聴く。改めてすごく好きだと思った。 Suchmos 「YMM」2015.9.10 Live at Shibuya WWW https://www.youtube.com/watch?v=e3iID2OyFjo Suchmos "MINT" Live Edition https://www.youtube.com/watch?v=qHQF3Z-BaoA Suchmos "Fall…

2021-05-23

●今月は、「多量の文章を読み込んで少なくない量のテキストを書く」仕事が大変だ。今のペースを維持していれば、締め切りに間に合うか間に合わないかギリギリの感じで出来そうだが、ペースがちょっとでも崩れるとヤバい。 とはいえ、一日ずっと部屋にいて、…

2021-05-22

●そういえば、ちょっと前に新聞の簡単な取材に応えた。いままで何度か新聞社から取材の申し入れがあったことがあるが、一度も受けたことはなかったが、今回はじめて受けた。別に、新聞に対する不信から応えなかったのではなく、応えようもないことしか聞かれ…

2021-05-21

●子供の頃の記憶。祖父は酒好きで、夕食の時にビールを飲むのだが、ビールだけではアルコール度数が低いからか、いつも、ビールに焼酎かジンを足して飲んでいた。焼酎のビール割りにはチャッピー、ジンのビール割りにはドッグス・ノーズという名がついている…

2021-05-20

●『大豆田とわ子と三人の元夫』、第六話についてもうちょっとだけ。社員たちが総出で、必死に予算削減を検討しているのに、社長の松たか子は(事情があるとはいえ)一本の連絡を入れることすらしない。これは、社長としての責任を果たしていないと言われても仕…

2021-05-19

●連続ドラマを、一気観するのではなく、一話ごとに観ることの意味は、中途半端なところで切られて、一週間の間宙ぶらりんの状態に置かれるということだ。つまり、一週間という咀嚼する時間が与えられる。これは貴重なことだ。 連続ドラマの各話の感想を、先…

2021-05-18

●田村正和をはじめて意識したのは何時(どの作品)だったのかもう憶えていない。テレビドラマでは『夏に恋する女たち』(中学生の時に観た大人のおしゃれドラマ)、映画では『無理心中 日本の夏』(高校生の時、「戦メリ」関連の大島渚特集上映で観た)の印象が強…

2021-05-17

●U-NEXTでゴダールの『カルメンという名の女』が観られるようになっていたので、観た。かなり久々だと思うが、いつ以来だろうか。はじめから最後まで、ひたすら「かっこいい」と感嘆するばかりだった。超絶技巧と繊細さに、ぶっきらぼうな粗っぽさが奇跡的に…

2021-05-16

●お知らせ。 Spotlight (日本語)とmedium(英語)に、VECTIONのアカウントをつくりました。ガバナンスにおける権力分立の望ましいあり方について考えるエッセイを、週一のペースで公開することを目標にしています。長いエッセイを、少しずつ出していきます。 S…

2021-05-15

●『今ここにある危機とぼくの好感度について』、第三話。変わらず、現実や権力のあり様を単純化、紋切り型化しすぎていることで、批判の論点がブレてしまって、何が言いたいかよく分からなくなっているように思うのだけど。ただ、松坂桃李のキャラはだんだん…

2021-05-14

●『大豆田とわ子と三人の元夫』、第五話。 この回でまずすごいと思ったのは、「気づき」という状態を発生させるための、未来へ向けた伏線ともいうべきものの機能だ。もやもやっとした予感を生成し、そのポテンシャルが上がっていき、ある時、ふっと「気づき…

2021-05-13

●以下は、ぼくが以前書いた「「ふたつの入り口」が与えられたとせよ」という小説の一部分です。「群像」2011年4月に掲載されています。これは、はじめて公的に発表できた小説で、他分野の人の書いた短編小説を掲載する「新鋭短篇競作」という企画として依頼…

2021-05-12

●以下は、ぼくが以前書いた「ライオンと無限ホチキス」という小説から取り出した二つの断片です。「群像」の2012年4月号に掲載されています。 http://gunzo.kodansha.co.jp/10050/12507.html あなたたちがいなくなって何年になるだろう。あの日、ギャラリー…

2021-05-11

●おお、《atelier nishikata(小野弘人+西尾玲子)の作品集》が出るのか。長島明夫さんのツイートより。 《【メモ】来年5月30日発売予定で、atelier nishikata(小野弘人+西尾玲子)の作品集が予約販売されている。著者はミースやアドルフ・ロースの研究者…

2021-05-10

●思弁的空間性と思弁的身体性。下に引用するのは、以前ぼくが書いた「グリーンスリーブス・レッドシューズ」という小説の書き出し部分。異なるスケール感の共立、言葉が発せられてから届くまでの距離(伝聞的空間性)の伸縮と混線、主客の混交、仮定と確定の混…

2021-05-09

●最近は、一万円で本三冊買えない。たとえば、3850円の本、1980円の本、4840円の本(税込み)を買うと、もう一万円を越えてしまう。ただ、この一年以上は、交通費と飲み会代の支出が大幅に減ったので、割と躊躇無しに本を買うようになった。

2021-05-08

●なるほど。激辛好きの人のことも、激辛なものを我慢して完食するみたいな動画がYouTubeに沢山あることも、意味がよく分からなかったのだけど、そういうことなのかという納得があった。 《リリーさんが病んでたとき、どんな料理にもタバスコかけまくるぐらい…

2021-05-07

●最近のアイドル曲をYouTubeで聴く(情報はほとんど「アイドル三十六房」から)。 MIC RAW RUGA(laboratory)/SEE YOU(Let's Dance) https://www.youtube.com/watch?v=gvnOdAe-jSY Newruru 「透明ロンリネス」MUSICVIDEO https://www.youtube.com/watch?v=q9s1…

2021-05-06

●neteはいろいろ評判の悪いプラットホームになってしまったけど、74本も記事を投稿していて、これを全部移動させるのは面倒なので、しばらくはnoteへの投稿を続けるつもり。で、そのnoteの全体のヴュー数がようやく10万を越えた。切りのいいこの機会にリンク…

2021-05-05

●『大豆田とわ子と三人の元夫』、第四話。こんな展開あるのか、という驚きの回。市川実日子は、誘拐される人であると同時に誘拐する人でもあった、と。また、今回はじめて松たか子の「労働」が描かれなかった。 今回の中心にいるのは市川実日子だと言えるが…

2021-05-04

●八年ぶりくらいに書いた小説を、ある雑誌が掲載してくれそうで、とてもうれしい。掲載はまだかなり先になるようだけど、うれしいので書いてしまうのだった。 原稿用紙換算で三十数枚のごく短い小説で、八年前くらい前に「群像」に掲載された四つの短篇小説…

2021-05-03

●毎年、五月になると、毎日、かなり多量の文章を読み込み、それにかんする少なくない量のテキストを書くが、それは公表されることなく、おそらく数人の目に触れるのみだ。それでお金がもらえることと、稀に、幸福な出会いがあるということがモチベーションと…

2021-05-02

●『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマ本体には「泣く」要素はほとんどないのだが、エンディングでこの曲が流れると毎回泣きそうになってしまう。 STUTS & 松たか子 with 3exes – Presence I feat. KID FRESINO (Official Music Video) https://www.you…