2014-01-01から1年間の記事一覧

●引用、メモ。岡本源太「眼差しなき自然の美学に向けて」(「現代思想」1月号)より。 《アドルフ・ポルトマンとレイモン・リュイエの洞察を引き継いでプレヴォーは、動物の外観が「非有機的[anorganique]」であることを重視する。体表の紋様や色彩は、生体の…

●「電車道」(磯崎憲一郎)、連載七回目から十二回目(完結)まで読んだ。 ●これは日本の近代百年の話であり、そしてそれは磯崎さんの世代の人物まで来たところで終る。さらにこれは、「家を出る」人たちの話で、後に私立学校の校長となる男が家を出るところら始…

●今年最後の締め切りの原稿を送ってから、「電車道」(磯崎憲一郎)を最初から読み返しはじめた。とりあえず今日は連載六回目まで。 連載の二回目が特にすごいと思った。これをはじめて読んだ時は、ちょっとクラシックな趣味に方にはしり過ぎているようにも感…

●海まで散歩した。 海の近くの高校に通っていた。自転車通学だった。二年の途中か三年の始めくらいの頃に、裏道的な、学校までの最短コースを発見した。細い路地を繋いだけっこう複雑な経路で、でも、今となってはそれがどうしても思い出せなくて、再現しよ…

●高円寺のグリーンアップルで「レトリカ」のイベント。 http://tweetvite.com/event/rhetorica_live ●会場で『現代思想』と『レトリカ』を買う。 ●帰ってから、『ゴーストの条件』(村上裕一)『七夕の国』(岩明均)『REAR』24号を注文した。 ●石岡良治さんとは…

●『SHIROBAKO』の12話を、夜中に一人で観ていたのだけど、庵野秀明(みたいな人)が出てきたところで、けっこう大き目な声で、「あ、出た」と独り言が口から出てしまって、自分で驚いた(そっくりな顔がアップで、ドアから、ぬっ、と出てくる)。 作中のアニメ「…

●モンティ・ホール問題の納得のいかなさ、というのが面白い。問題自体を把握することはそんなに難しいわけではなく、答えを聞いて、ちょっと考えればなるほどと納得するのだけど(数学的に厳密に考えようとするといろいろ条件を付けたりしないといけないみた…

●ツイッタ―における清水高志さんの発言から。とても興味深いのでメモとして引用させていただく。 《一日、あれこれ読んだり考え事をしたりしてゆっくり過ごす。。ハイエクは集団を成立させ、有効に機能させる行動規範やルールを媒体的なオブジェクトとして捉…

●『サイコパス2』。うーん、これ終わってない。続編へのブリッジみたいな感じ。この物語のラスボスはあきらかに常森で、常森とシビュラシステムの対決がないと話は終わらないと思う。というか、意識的にそちらへと観客の関心を誘導しておいて、「つづきは劇…

●夢を録画して、それを観るという夢を見た。夢は視覚だけではないので、録画を観るというより、記録された夢のなかに入り込むという感じ。夢であることは意識されていて、つまり、夢のなかで、夢として、意識的に夢の録画を試み、一度見て既に忘れてしまった…

●『ごめんね青春』、最後まで面白かった。宮藤官九郎作品としては、久々によかったのではないかと思う。脚本が面白いというだけでなく、演出とかキャスティングとかも上手くハマっていたように思う。ネタバレになるので一部伏字にするけど、最後の最後まで「…

●DVDで観た『かぐや姫の物語』がなかなかすごかった。技術的にすごいというのも勿論なのだけど、なんというかえぐい作品だった。 この作品を観ながら思い出していたのは小津の『晩春』で、『晩春』の原節子は映画の最初には本当に幸福そうににこにこ笑ってい…

●『新しい左翼入門』(松尾匡)、面白かった。 この本には、日本の左翼的な運動が、起こり、分裂し、挫折する、という過程が、初期の幸徳秋水から戦後の共産党と社会党の対立まで、歴史を通じて、何度も繰り返し起こっていることが書かれている。起こった運動…

●自分がこれから感じること、経験することは、ほぼすべて、既にこの人たちによって先取り的に経験されてしまっているのだ、という感覚をはじめて感じたのは美大受験のための予備校に通っている時だった。 予備校の講師たちは皆、過去の美大受験生であり、さ…

●とても寒い。買い物からの帰り道で歩いていたら、熱いよう、じりじりくるよう、焼き豚にされちゃうみたいだよう、熱すぎて震えちゃうよう、と叫びながら、夜道を自転車で走ってくる中学生くらいの女の子の二人組とすれ違った。 (すれ違ったのは、昔、市内に…

●シノドスに、井上智洋さんによる記事が出ていた。「機械が人間の知性を超える日をどのように迎えるべきか?――AIとBI」 http://synodos.jp/economy/11503 そのうち経済は、技術進歩によって、資本家が労働者なしで商品をつくり、それを資本家に売るという、…

●朗らかであることはとても貴重なことだ。朗らかである人をみると感動する。しかし、朗らかである人の多くは、恵まれた環境にいる人だとも言える。誰でもが朗らかであれるわけではない。だから「朗らかでない」と言って人を批判したり、「朗らかであれ」と強…

●話題になっている、ポリタスの松尾匡の記事(「どうする!? 安倍総理の野望と景気対策」)を読んで、とても面白かったので著書を三冊注文してみた(『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』『新しい左翼入門』『不況は人災です!』)。 http://politas.jp/articles/2…

●勉強するということは、自分の意見や気持ちをいったん置いておいて、(自分の外にある)ある考え方のシステムを受け入れようとするということだと思う。それを一度受け入れてみた上ではじめて、そのシステムを採用することが本当に妥当なのかを検討することが…

●『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をDVDで。確かに面白い。すごい量の、知恵と技術と労力(そしてお金)が投入されているのが分かるし、とても立派なものだと思う。意外性があって、かつ筋の通った展開で、少しも弛緩した場面がないし、かと言って詰め込…

●はじめて、東大の本郷キャンパスに行った。赤門を見た。三四郎池も見た。夜で暗くてよく見えなかったし、雨上がりで足元が悪く、滑って池に落ちそうで怖かったけど、とにかく見た。日本の国土の0.1%は東大が所有する土地だという話を聞いた。カミオカンデ…

●『インターステラー』をなかなか観に行けないので、とりあえず『インセプション』をDVDで観た。以下、ネタバレしまくりなので注意されたい。 ●この物語は三つの異なる目的の絡み合いとしてみることができる。(1)大企業の実力者がライバル企業を弱体化させよ…

●夢。なにか、自己循環的で、しかも決定的と思われる文(それは夢のなかでしか再現出来ないような論理構造で出来ている)を思いついてしまい、その文の内部に巻き込まれて出られなくなり、車酔いしたように気持ちが悪くなって、何度も目が覚めては、また眠ろう…

●『トランセンデンス』をDVDで。つまらないとかダメだという話を事前にさんざん聞いていたのだが、観始めてしばらくは、そこまでひどくはないのではないかと思っていた。しかし話が進むにつれて、あー、これはやはりダメだったと分かる。 つまらない物語は何…

●「WIRED」の量子脳理論の記事のところに、ハメロフによる次のような発言が書かれている。 《ロジャーとふたりで計算してみたんだ。意識の統合に必要なニューロン数はだいたい300。すると意識の瞬間は1分間に1度ほどになる。生物のサイズがこれだけのニュー…

●blanClassに、平倉圭さんの話を聞きに行った。すごく面白かった。 http://blanclass.com/japanese/schedule/20141206/ 以下は、平倉さんの話とは別に、話を聞きながらぼくが勝手に考えたこと。 ピカソ(だけ)ではなく物質としての絵画面(の蓄積)が考える、と…

●いやな夢。ぼくはどこか遠くの街に滞在して仕事をしていたのだが、そこではどうしても手に入らないものが必要となり、仕事の途中で新幹線に乗って地元まで戻ってきている。地元でそれを手に入れて、再び出かけようとすると、雨混じりの重たい雪が降ってくる…

●お知らせ。東京新聞の12月5日付け夕刊に、東京国立近代美術館があたらしく購入したセザンヌの「大きな花束」について書いた記事が掲載される予定です。一応「展覧会評」の枠なので、常設展についての評ということなのですが、セザンヌの絵について書いてい…

●スパイク・ジョーンズの『her』を、DVDで観た。これは、人工知能のヤバイ感じを、かなり上手く映画にしていると思った。この映画から、新しい物語(世界)の肌触りを読みとるのか、ちょっとひねった(従来通りの)変化球の恋愛モノとして処理するかで、その人の…

●今更だけどサンデルの『これからの「正義」の話をしよう』を読んだ。まず、サンデルの意見がどうこういう前に、現時点の様々な政治哲学の潮流のざっくりとした見取り図として面白かったし、勉強になった。 だけど、理論的な点から言えば、サンデルなどのコ…