●『オール・ユー・ニード・イズ・キル』をDVDで。確かに面白い。すごい量の、知恵と技術と労力(そしてお金)が投入されているのが分かるし、とても立派なものだと思う。意外性があって、かつ筋の通った展開で、少しも弛緩した場面がないし、かと言って詰め込みすぎでもないし、適度に複雑で、単純すぎてバカっぽいということもないし、でも難しくなり過ぎるのを巧妙に避けている。トム・クルーズはスターだなあ、とか思う。いやー、よく考えられているなあ、よく出来てるなあと思って観ていた。
(かなり「シュタインズゲート」に似てるとは思った。)
でも、この映画が自分にとって必要なものなのかどうかと考えると、観れば面白いけど、別に観なかったとしても悔やむこともないという感じ。そしてこれは、映画の出来不出来の問題ではきっとない。ぼくにとっては映画は娯楽ではないのだな、ということが分かった。二時間の間、おーっすげーとか盛り上がったりしていろいろ楽しめて、あー、楽しかったー、と言って気分爽快になればよいというものではないのだな、と。というか、ぼくはそういうことを何に対しても求めていないと気付いた(だからきっと、他人に対してもサービス精神というものがないし、気が利かないのだなと思った)。
ホン・サンスの『自由が丘で』の公開がもうはじまる。これは観逃さないようにしないと。
http://www.bitters.co.jp/jiyugaoka/index.html
今、公開されている映画では、あと、『楽園追放』と『インターステラ―』を観たいと思うのだけど、こちらは、正直、DVDでもいいかなあという気持ちもあるのだが、ホン・サンスは観たい。
観られなかった『ヘウォンの恋愛日記』と『ソニはご機嫌ななめ』も、来年の一月後半にシネマ・ジャック&ベティでかかる。
http://www.bitters.co.jp/h_s/theater/index.html
●たとえば、人工知能ホン・サンスの映画をどのように理解するのだろうか。あるいは、人工知能にとって、ホン・サンスの映画を理解することは、たやすいことなのか、困難なことなのか。