2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧
●『思い出のマーニー』(米林宏昌)をDVDで観た。これはよかった。傑作というようなものではなく、むしろ物語の類型そのものという感じなのだけど、類型を類型として、ここまでのクオリティでやり切ったものは他にはそんなにないんじゃないかと思った。 このお…
●「攻殻」の新劇場版をもう一度観直して状況を整理してみた。以下、ネタバレしています。 (1)旧型の義体に合うように電脳化された脳をもつ人は、新しい規格でつくられる義体と接続できない(旧型で義体化した人はバージョンアップできないだけでなく、義体の…
●『攻殻機動隊 ARISE』のシリーズは一通り観ていると思っていたのだけど、調べてみたら、四つ目のエピソード「Ghost Stands Alone」を観ていないことが分かった。五つ目のエピソード「PYROPHORIC CULT」を観た時に、え、ホズミ大佐って誰だっけ、みたいな記…
●昨日につづいて、『知覚の宙吊り』(ジョナサン・クレーリー)から引用、メモ。「19世紀末に居たセザンヌ」。セザンヌを、絵画の歴史のなかに置いて、近代絵画の画家だとすると、どうしても収まりが悪いし、なぜこんな人がいきなり出て来たのか分からない。で…
●「フィクションを怖がる」を書いたケンダル・ウォルトンの主著『フィクションとは何か ごっこ遊びと芸術』の翻訳が来月に出る。これはまさに今読みたいと思っていた本なのでとても助かる。名古屋大学出版会はラマール『アニメ・マシーン』の翻訳も出してい…
●『攻殻機動隊 新劇場版』をDVDで観た。これは面白かった。今まで「ARISE」シリーズはあまり面白いと思えなかったので、一応チェックはしているけどだらだら流す感じで、あまり真面目に観ていなかったけど、もう一度新シリーズを最初から観直さなければいけ…
●しつこく、もうちょっと「新しさについて」(ボリス・グロイス)について。昨日、一昨日の日記ではあまり触れなかったけど、このテキストでは一つ重要な指摘がされていて、それは現代のアートが知覚できないものを扱い、提示しているということ。ありふれた物…
●(ちょっと、昨日のつづき)「新しさについて」を読むと、グロイスが「美術館」に要請するのは次の三つの機能だといえる。(1)アーカイブとしての無尽蔵性。(2)展示空間の有限性。(3)その内にもちこまれたものを聖化する力。 実際には無理だとしても、理念とし…
●金沢21世紀美術館のウェブサイトから、ボリス・グロイス「新しさについて」というテキストがダウンロードできる。 http://www.kanazawa21.jp/data_list.php?g=52&d=2 かつてマレーヴィッチは、美術館の古いコレクションは破壊しろ、ルーベンスなど灰になっ…
●お知らせ。明日、4月22日づけ、東京新聞の夕刊に、茅ヶ崎市美術館でやっている青木義雄展についての美術評が掲載されます。この展覧会、絵が好きな人には観ることを強くお勧めします。日本の近代絵画史に、こんな画家がいたのかということに驚くと思います…
●朝カルの西川・保坂講義で、西川さんが『魂のレイヤー』という本のタイトルの由来を語ったところが気になった。 グランドキャニオンに行った時、風景が薄っぺらなつくりものに見えて、まったく感動できなかった。人間の目はこんなに大きな空間を感じるよう…
●朝カルで、西川アサキ・保坂和志講義。意識の連続性についてまず空間的に考えてみる。そして、空間的に考えたのでは届かないリミットが示せれば、それが「時間の空間化」の限界としてはっきりするだろう、と。その時、意識の統合性に関わる三つの境界原理と…
●『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』を観た。最初は、傑作「パトレイバー2」の続きになっていることでテンションが上がるのだけど、最後まで観ると、あれっ、「パト2」のほぼそのまんまのリメイクだよねえ(というか、九十年代の押井守のほぼその…
●「サイエンスゼロ」でハイスピードカメラの特集をやっていた。以下、番組内容のたんなるメモです。 最初に、マイブリッジの、走る馬の連続写真の話が出てきて、これが6秒で12コマ、1秒あたり2コマ撮影できたことになる。これで明らかになったのが走る馬の脚…
●『バタフライ・エフェクト』を、実はいまさら初めて観たのだけど、どこかでみたことがあるように感じて(もちろん、『シュタインズゲート』の元ネタの一つなのだろうけど)、ああ、そうか、『僕だけがいない街』に似ているのだ、と気付いた。 時間が戻ってや…
●『20世紀少年』22巻分と『21世紀少年』上下巻を最後まで読んだ。このマンガについては、途中で飽きてもともかく最後まで読むということに決めて、最後まで読んでみた。 最後に、偽物の「ともだち」の正体が主人公の口から告げられるのだけど、えっ、それっ…
●『境界の彼方』の劇場版をDVDで観た。テレビシリーズの『境界の彼方』は傑作だと思うのだけど、あまり高い評価を聞いたことがないのが不思議だ。 テレビシリーズ+劇場版で完結という時にありがちだと思うけど、劇場版はきれいにまとめようとしすぎというか…
●お知らせ。勁草書房のウェブサイト「けいそうビブリオフィル」に、「虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察」の連載第一回が公開されています。 http://keisobiblio.com/ この連載は、現在の「技術的な環境」のなかで、フィクションというものがどのよ…
●下のリンクの記事。「755メガピクセル可変焦点のLytro Cinemaカメラは映画撮影からグリーンスクリーンを追放する」 http://jp.techcrunch.com/2016/04/12/20160411lytro-cinema-is-giving-filmmakers-400-gigabytes-per-second-of-creative-freedom/ ≪Lytro…
●シャマランの『ヴィジット』をDVDで観た。シャマランはちゃんとシャマランだった。08年の『ハプニング』以来の、久々のシャマランらしいシャマランで、とても嬉しい。まるで無名の新人監督が撮るような、あるいは、週末を利用して親戚のもっている別荘で友…
●マーク・スタインバーグは「デジタル・イメージの諸次元」(日本映画は生きている六巻『アニメは越境する』所収)というテキストで、いわゆる「アニメ」を特徴づけるイメージの構築の仕方として、イメージ間の四つの「隔たり」を指摘している。第一の隔たりと…
●久しぶりに『AKIRA』(大友克洋)を観ていた。今観てもすごくかっこいい。さすがに、物語的には今これをみせられても驚かないという感じだし、あと、キャラクターの作画がちょっと不安定で、鉄雄が時々「ドラゴン・ボール」みたいに見えたりするけど、演出や…
●『パプリカ』(今敏)をDVDで観た。あまりにも『パーフェクトブルー』と同じなので驚いた。虚実反転(虚実溶解)、自他溶解、分身、そして自己言及。「パーフェクト…」が九七年で、この作品が〇六年。悪く言えば同じことの繰り返しとも言えるが、この頑なな作家…
●ふと思っただけで何の根拠もない妄想だが、『バケモノの子』で最も魅力的なキャラクターは一郎彦だと思え、細田守はこの一郎彦の物語こそ描きたかったのではないだろうか。 (キャラたちのなかで一郎彦だけが、声のコントロールのされ方が他とぜんぜん違って…
●『バケモノの子』(細田守)をブルーレイで観た。これは面白いんじゃないかな、と思った。 細田守の仕事としては、ぼくは『時をかける少女』と『サマーウォーズ』は正直嫌いで、『おおかみこどもの雨と雪』は、嫌いなところと好きなところがマーブル状になっ…
●ガタリの『カオスモーズ』が面白い。他のガタリの本より(は)分かり易い。図書館から借りたのだが手元に置いておきたいと思ってアマゾンを検索したら七千円近い値がついていた。返却まで気になる所をできるだけメモをとっておこう。以下は、一章の「主体感の…
●ツタヤのレンタルを利用して、(マンガをほとんど読まない時期が長かったので)未知の領域を開拓するみたいに、ランダムにいろいろなマンガを読んでみているのだけど、ちょっと面白いと思った作品の一つに『セキセイインコ』(和久井健)というのがあって、物語…
●『パーフェクトブルー』(今敏)をDVDで観た。97年に製作されたアニメ映画。同じ年に黒沢清の『CURE』があり、この頃はサイコスリラーに最前線感があった。90年代の終わり頃はこの感じがリアルだったなあ、と。 確かにすごい。特に最後の三十分は本当にすごい…
●三月に撮った写真、その二。
●三月に撮った写真、その一。