2025-09-01から1ヶ月間の記事一覧
⚫︎昨日の日記で、オダギリジョーがやっていることは「リンチの継承」というよりも「リンチのパロディの継承」だというようなことを書いたが、しかしそうだとしても、オダギリジョーがリンチのインパクトを正面からきちんと受け止めている稀な映画作家である…
⚫︎地元のシネコンで、『THE オリバーな犬、(Gosh !! )このヤロウ MOVIE』(オダギリジョー)。とても好きな感じだった。観てよかった。 本来、低予算の深夜ドラマとしてやる(べき)ようなことを、わりと大きな予算と、有名俳優使いまくりの豪華キャストで…
⚫︎今、一番気になっている映画はオダギリジョー監督の新作。これを観るために、予習としてテレビシリーズと前監督作を観ておくべきか、あるいは、それらは映画を観た後で観る方がいいのか。調べたら、一応、地元のシネコンでも上映されているが、上映回数が…
⚫︎我々は、ある作品を(あるいは、あるテキストを)、雑に読むこともできるし、丁寧に読むこともできる。大仰な言い方をすれば、どこまでも際限なく雑であることもできるし、どこまでも際限なく丁寧であることもできる。では、極めて雑であることから極めて…
⚫︎京橋の南天子画廊で岡﨑乾二郎展。 ぼくが大学に入ったのが1989年で、ギャラリーで美術作品を観るようになったのはそのちょっと前くらいからだが、35年以上前のその頃から、同じ場所で、まったく変わらない佇まいで、南天子画廊はあり続けている。京橋から…
⚫︎何日か前の日記で、『解剖、幽霊、密室』(サイトウマド)というマンガについて書いて、そこで「コミックを買うことは稀なことだ」と書いたが、わりと最近、もう一冊、別のマンガを買っていたことをすっかり忘れていた。忘れていたのは、それが電子書籍で…
⚫︎ただただ、ひたすらに気持ちの良い、秋の午後。
⚫︎マニアではないし、マニアになる気もないが、ミステリの、マニアックな傾向にある分厚い小説で、再読したいと思う作品(『虚無への供物』や『匣の中の失楽』や『夏と冬の奏鳴曲』や『哲学者の密室』など)、それと、未読だが読んでおきたい作品(『暗黒館…
⚫︎横浜聡子監督の映画『海辺へ行く道』は、パンフレットにテキストを書いたということもあって、ネットにあがっている感想をときどき見たりするのだけど、ヤバいんじゃないかなあと思うのは、多くの人が「カナリアの笛」という装置について、簡単にというか…
⚫︎ガツンと直撃的に自分に返ってくるブーメランでもあるのだが、何かしらの「作品」に対する批判的な感想を見ていると、その多くの場合、それが表現しているのは、作品の欠点であるよりも、それを評している評者の見識の狭さというか、思いこみや臆見である…
⚫︎稀なことだが、コミックを買った。紙の本で。この10年で買ったコミックといえば、三好銀、施川ユウキ、三島芳治、久野遥子くらいだろうか。 『解剖、幽霊、密室』(サイトウマド)。まったく何の知識もなく、タイトルと表紙に惹かれて買った。他には、榎本…
⚫︎『黄龍の村』をU-NEXTで。初めての阪本裕吾監督がこの作品で良かったのか悪かったのか。ホラーかと思って観たのだがぜんぜんホラーじゃなかったし。 この作品を受け入れられるのかそうではないのか、楽しめるのか楽しめないのかで、「作品」というものをど…
⚫︎近所にある市立図書館の分館は頻繁に(週二回くらい)利用するが、ほぼ、カウンターで本を返却して、カウンターでネットで予約していた本を受け取るだけで、書棚の方までなかなか行かないが、たまに、気まぐれで書棚をみて回る。ひさびさに書棚をみたら本…
⚫︎『蛋ヶ岳学会事件』(寺西涼)をU-NEXTで。20分の短編。これは習作という感じだが『屋根裏の巳已己』とどちらが先なのだろうか(どちらも2020年とクレジットされている)。病院で清掃の仕事をする男が、アパートの自室で密かに自分の精子と鶏卵を掛け合わ…
⚫︎『うらぼんえ』(寺西涼)をU-NEXTで。『屋根裏の巳已己』を作った監督の約30分の短編。打って変わって、普通にいい話を、普通にいい感じで作っている。ちょっと、「いい話」方向に傾きすぎているかなあというきらいはあるが。 「屋根裏の…」と違い、きっ…
⚫︎『屋根裏の巳已己』(寺西涼)。昨日の日記に書いた『劇場版 ほんとうにあった怖い話 変な間取り』を作った監督の、PFF準グランプリ作品というのがU-NEXTにあったので観てみたら、ガチですごい映画だった。驚いた。それにしても、この映画を作った人に、改…
⚫︎『劇場版 ほんとうにあった怖い話 変な間取り』(寺西涼)をU-NEXTで。これは「普通」かなあ。いや、ホラー映画としてはクオリティはかなり高い方だというべきかもしれない。よく考えられた三部構成が効いているし、最後まで引き締まっている。企画モノ(…
⚫︎『禁忌アーカイブ』(近藤亮太、深沢麿央)をU-NEXTで。うーん、この展開でこのオチはちょっと安易じゃないかな。 (いわゆる「心霊映像」の由来を、小ちゃいカリスマと彼を信奉する閉じた集団のヤバさ、およびそこにある意識化された悪意、に還元するとい…
⚫︎『飯沼一家に謝罪します』を、U-NEXTで観た。『魔法少女山田』と同じ、テレビ東京によるモキュメンタリーホラーシリーズの作品。『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』の近藤亮太も制作に関わっている。 出だしは、イマイチかなあと思いながら観た。世…
⚫︎昨日の日記に書いた『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』は、演出も優れているが脚本も優れていると思い、脚本を書いた金子鈴幸という人について調べたら(「調べた」といっても検索しただけだが)、他にも何本か映画の脚本を書いているが、基本的に…
⚫︎『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』(近藤亮太)をU-NEXTで観た。これは素晴らしかった。見かけは懐かしいJホラー風ではあるが(わざわざフィクションの「現在時」を10年前に設定することで、それよりさらに13年前の失踪事件にかんする呪いの「憑代…
⚫︎U-NEXで『はだかのゆめ』(甫木元空)。 青年、中年女性、中年男性、お爺さん、という四人の人物。この四人は、同じ空間(共通の建物や風景)にいるようだが、決して行き合わない。それぞれ、パラレルワールドの別の世界にいるかのようだ。 とはいえ、青年…
⚫︎YouTubeに、かなり高画質の『火まつり』(柳町光男)があったので観た。傑作というより、よくぞここまで頑張って作った、とという超力作だった。80年代でなければありえなかった、という種類の作品だと思う。この映画、こんなに凄かったっけと改めて驚いた…
⚫︎まだまだ暑いが、光の感じは少し優しくなった。緑にも、ほんの僅かの暖色味(黄色味や茶色味)が混じってきたか。 (そして、「奥行き」とは何か ? )
⚫︎メモ。西川アサキさんから教えてもらったGigazineの記事。マンボウがいかに素晴らしいのか ! 。 gigazine.net
⚫︎現代は、「判官贔屓」の感覚を持つ人こそが「保守」になる時代なのだなあと思う(このことは、「アーティスト気質」の人こそが「陰謀論」にハマるということと少し似ている)。まずは、このねじれをなんとか解く必要があるのではないかと思う。 つまり、理…
⚫︎日本でも最近、『7』という小説の翻訳が出た、フランスの哲学者で小説家でもあるトリスタン・ガルシアの、哲学における主著と言われる『Forme et objet. Un traité des choses』の英訳版(『Form and Object A Treatise on Things』)の「翻訳者まえがき」…
⚫︎昨日から続く。グレアム・ハーマン『The Graham Harman Reader』から「ZERO-PERSON AND THE PSYCHE(ゼロ人称と精神)」について。これは、いわゆる「心身問題」をハーマン独自の「身体-身体問題」として構築し直そうとする力作だが、ぼくには、その流れを…
⚫︎昨日に続いてグレアム・ハーマンの『The Graham Harman Reader』から、「ZERO-PERSON AND THE PSYCHE(ゼロ人称と精神)」を読んだ。Gemini 2.5 proによって日本語に翻訳したもので、42000字を超えた。こうなると紙にプリントアウトしないと読めない。 い…
⚫︎グレアム・ハーマンの『The Graham Harman Reader』から、とりあえず短めのテキスト「THE WELL-WROUGHT BROKEN HAMMER: OBJECT-ORIENTED LITERARY CRITICISM(巧みに作られた壊れたハンマー:オブジェクト指向文学批評)」を読んでみた。二十世紀の批評理…