2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

2021-07-31

●お知らせ。VECTIONによるエッセイをアップしました。「3レイヤーサイクル」の話は少し休みして、今後数回は、「苦痛」をトレースするブロックチェーンで組織を改善できないかという「苦痛トークン」というアイデアの概要についてです。 苦痛のトレーサビリ…

2021-07-30

●マンガを読むとすごく目が疲れるのでいつからか苦手意識が芽生え、最近ではほとんど読まなくなってしまったのだけど、文庫版ならなおさらだが、単行本サイズでさえも、字が小さ過ぎ、それだけでなく絵も小さ過ぎる、というのがその主な原因なのではないかと…

2021-07-29

●折りたたまれた(押しつぶされた)立体。

2021-07-28

●昨日と一昨日の日記を書くために、非周期的な平面充填、ペンローズ・タイル、五回対称性、正五角形と黄金比、準結晶などの関係について、分かりやすく、かつ、十分に説明してくれるような文章や動画を探していたのだけど、日本語で検索する限り、かなり苦労…

2021-07-27

●ボルヘスの「バベルの図書館」では、最初に「無限」が強調される。しかし中頃になると、蔵書には25種類の記号によって可能なすべての配列パターンが記されていて、そして《おなじ本は二冊ない》とされるので、数は膨大であるが無限ではないことになり、最初…

2021-07-26

●ボルヘスの「バベルの図書館」において図書館=宇宙は、正六角形による周期的な平面充填が無限階層積み重ねられているという世界像(結晶モデル)になっている。だがこれを、準周期的でフラクタル構造をもつペンローズ・タイルによる平面充填の重なりという世…

2021-07-25

●お知らせ。VECTIONによる権力分立についてのエッセイ、第9回をアップしました。本文につづく「補遺」の部分です。 補遺:「多様性」なら何でもいいのか? ー Google vs Pynchon https://spotlight.soy/detail?article_id=u6rjzvdhp Is Any Diversity Good E…

2021-07-24

●チェーホフ「聖夜」の舞台は「ゴルトワ川」沿いの教会とその対岸なのだが、それはロシアのどのあたりなのだろうかと、グーグルで「ゴルトワ川 ロシア」とか「チェーホフ 聖夜 ゴルトワ川」とか日本語で検索してもまったくヒットせず、結局、自分が十一年前…

2021-07-23

●チェーホフの「学生」は聖書に材をとった小説だ。この小説は《復活祭前の金曜日》が舞台となる。復活祭前の金曜日(聖金曜日)は、キリストが殺された日ということで、信者は肉や卵や乳製品を口にしない(あるいは食べ物を口にしない)のだという。だからこの時…

2021-07-22

●チェーホフの「少年たち」に書かれていることは、他愛もないことだ。(おそらく全寮制の)中学に入学して今年から家族と離れて暮らす長男ヴォローヂャがクリスマスを前に帰省する。だが夏に帰ってきた時とは様子が変わっている。クリスマスの準備にはしゃぐこ…

2021-07-21

●ホーソーンの代表作といえば『緋文字』だし、ホーソーンを読むというのならまずは『緋文字』を読むべきなのだろうが、「ウェイクフィールド」という短編は一種の珍品のようなものとして有名で、この短編には単純だけど人の心に強く残ることがらが書き込まれ…

2021-07-20

●「代書人バートルビー」の書き出しは次のようなものだ(酒本雅之・訳)。《わたしはすでにかなりの年配だ。職業柄、この三十年来、わたしがひとかたならぬつきあいをしてきた相手は、興味深く、少々風変わりで、わたしの知るかぎり今までのところは何一つ文字…

2021-07-19

●講義のために読み込んでいるのだが「代書人バートルビー」は、読めば読むほど面白い。調べたら、この小説には、酒本雅之、土岐恒二、坂下昇、柴田元幸、牧野有通、平石貴樹、 高桑和巳という七人の訳者による翻訳があるらしい。すべての訳を精査したわけで…

2021-07-18

●音楽を、高音質で、出来れば大きな音量で聴くのが望ましいことはもちろんだが、逆に、決して音がいいとは言えない再生機で、小さなボリュームで、流しっぱなしにしておくことの気持ちよさに、最近になってようやく気づいた。音楽を流しっぱなしにしておくこ…

2021-07-17

●お知らせ。VECTIONによる権力分立についてのエッセイ、第8回をアップしました。本文はここでひとまずは「結び」ですが、この後に「補遺」がつづきます。また、このテキストは、長いテキストのほんの序章で、この後、3レイヤーサイクルの話は、対称/非対称5…

2021-07-16

●一筆書きで描かれた顔、その五。

2021-07-15

●ここ数日、ボルヘスの小説をいろいろ読み直していたのだが、東工大の講義で取り上げる作品は、思い切りベタに「円環の廃墟」と「バベルの図書館」にしようと思った。ある意味で小説入門のような講義なので、あまりひねった感じにしない方がいいだろう。ただ…

2021-07-14

●U-NEXTで、『花束みたいな恋をした』を観た。「大豆田とわ子」にハマった者としては(同じ坂元裕二脚本の近作である)この映画をスルーするわけにはいかなかった。ただ、観始めて30分くらいは、あまり良い印象はなかった。有村架純と菅田将暉は、なんとと言っ…

2021-07-13

●プリミティブなスキャナー版画をつくってみた。 正方形を下の形で切り分けた二つのパーツと、その元になった正方形という、三種類のパーツの組み合わせだけで出来ています(昨日のものも含めて)。 (チープなスキャナーなので、肉眼で観るのと発色がかなり違…

2021-07-12

●安い、中古のスキャナーを買った。

2021-07-11

●お知らせ。VECTIONによる権力分立についてのエッセイ、第7回をアップしました。 三権分立の脆弱性を修正する (Part V, 2/2):局所的な逆転、相対主義、権力分立維持 https://spotlight.soy/detail?article_id=wi2nculp8 Local reversal, Relativism, Mainta…

2021-07-10

●下のリンクは、最近、気になったアイドル曲。情報元は、「アイドル三十六房」(と一部、吉田豪のツイッター)。ライブアイドルの曲を探して聴く面白さは、昔、「坂本龍一のサウンドストリート」でやっていた「デモテープ特集」を聴く面白さに近いのかもしれな…

2021-07-09

●一筆書きで描かれた顔、その四。

2021-07-08

●川縁を散歩していて、ふと、自分の人生は川縁を散歩するばかりだ、川縁を散歩することしかしていないのではないか、と思った。

2021-07-07

●メルヴィルの「バートルビー」は、基本的にコメディとして書かれているように思う。バートルビーはダウンタウンの不条理コントのキャラクター(トカゲのおっさん、とか)のようであるし(ぼくはどうしても、バートルビーを吉田戦車の絵で思い浮かべてしまうが)…

2021-07-06

●(昨日からのつづき)ムージルの『トンカ』で、トンカの母語はおそらくチェコ語であろう。しかし、彼女の暮らす環境ではチェコ語はマイナーな言語であり、公的にはメジャーな言語であるドイツ語を使う必要がある。だからトンカは、働き口である《彼》の家では…

2021-07-05

●ムージルの『トンカ(三人の女)』。これは難解な小説だ。カフカやベケットには難解さを感じないが、ムージルは難解だと感じる。観念とロジックとイメージとを、普通ではあまり考えられないやり方でモンタージュしている。それがある圧縮された塊をつくってお…

2021-07-04

●タブレットを買ったので、はじめての電子書籍として、試しにドゥルーズの『フランシス・ベーコン 感覚の論理』を買ってみた。理由は簡単で、紙の本よりも四百円以上値段が安かったから。そのかわり、電子版にはベーコンの絵の図版がまったく入っていない。…

2021-07-03

●お知らせ。VECTIONによる権力分立についてのエッセイ、第6回をアップしました。 三権分立の脆弱性を修正する (Part V, 1/2):政府、世界、国民とチャネルの向き https://spotlight.soy/detail?article_id=j6vw9veuz Fixing Vulnerabilities in the Triparti…

2021-07-02

●東工大の講義の準備として『変身物語』(オウィディウス)を読んでいるのだが、とても面白い。紀元8年くらいの時期に完成されたと思われる、ギリシア・ローマ神話から変身をモチーフとした話が集められている本。イカロスの翼とか、ディアーナとアクタイオー…