2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

04/12/30

●昨日は遅く目覚めた朝方(近所のガキの奇声で目覚めた)から雪で凄く寒くて(上着の下に厚手のセーターを来たもこもこの着膨れに毛糸の帽子で、雪のなか足をとられつつもビデオ屋に返却に行った)、むしろ夜になってから寒さがふんわりと緩んでゆく感じだったが…

04/12/29

●ロバート・アルトマン『バレエ・カンパニー』をDVDで。この映画の面白さはアルトマンの空虚さにあると思う。実際にアルトマンがバレエやこの映画の題材にどの程度の興味を持っていたのかは知らないが、ここでのアルトマンにとってその題材や内容は(極端に言…

04/12/28

●essa氏によるこの記事になんとなく惹かれて、出先の近くの本屋で『デッドエンドの思い出』(よしもとばなな)を買って、帰りの電車のなかで冒頭の短編『幽霊の家』を読んだ。よしもとばなな(吉本ばなな)の小説を読むのは最初の二冊以来で、読まなかったのはた…

04/12/27

●冬の、日のまだ出切っていない、夜のうちに降りてきた冷えた空気が地表に積もったままの早朝。夜通しにぎわう繁華街の裏にある細い一方通行の道路は灰色のトーンに統一されたような印象で、人通りも車もまばらで、空気も動かない。ビルの地下駐車場へとつづ…

04/12/26

●斉藤環『文学の徴候』。これは面白く、かつ難解な本だと思う。いや、書かれてていることを文字通り理解するだけなら、特に難しいことが書かれているわけではなく、むしろ気軽に読み進むことが出来る。特に前半の、イマドキの流行の作家を扱っている部分は、…

04/12/25

●22日に書いた「トレロカモミロ」の唄についてメールをいただいた。なんでも、「トレロ」というのは闘牛士という意味だそうで、だから闘牛士トレロカモミロではなくて「闘牛士カモミロ」ということらしい。歌詞も送っていただいたので、全部引用する。 『ト…

04/12/24

●トビー・フーパー『ツールボックス・マーダー』をDVDで。とてもきっちりと端正に出来たホラー。例えば多くのジャパニーズ・ホラーは人のセンチメントに訴えかけるもので、繊細な感情表現の一種として恐怖が語られるのだが、この映画の怖さはきわめて物理的…

04/12/23

●ごちゃごちゃとめんどくさい言葉を並べるよりも、実際に会ってその人の顔を見るだけですんなりと分かることがある、という事実は圧倒的なものとしてあるし、面と向かって話さなければ通じないような事柄もあるということも、忘れてはならないだろう。ただ、…

04/12/22

●小学校の給食の時間だったか昼休み時間だったかに、毎日というわけではないがしばしば校内放送でかかっていた曲で、正確なタイトルは知らないのだが「闘牛士トレロカモミロの唄」というようなものがあって、闘牛場に「黒牛」が「すごい鼻息」出ては来たもの…

04/12/21

●来年の頭にMOT(東京都現代美術館)で、榎倉康二・展をやるそうだ。今、榎倉康二(1942~1995)という選択が渋い。若い人にはあまりなじみのない名前かもしれないが、ぼくと同世代やそれより少し上の世代の美術家にとって榎倉氏の影響はかなり大きいものがある…

04/12/20

●『そこでゆっくりと死んでいきたい気持ちをそそる場所』(松浦寿輝)に収録された短編で一番よかったのは『あやとり』なのかなあと思った。これはまさしく「物語ること」の原初的な欲望に触れてくるような作品ではないだろうか。(宮沢賢治『やまなし』のカバ…

04/12/19

●からだの芯まで冷えると言うか、からだの芯から冷えるというような寒さ。時刻は夕方だがもうとっぷりと日は暮れて夜の黒い暗さの道を、駅に向かって身を縮こませながら歩いて行く。(自然と急ぎ足になる。)通り過ぎた家の軒のあたりから、石油ストーブに火を…

04/12/18

●仲俣暁生『極西文学論』。この本は何かを掘り下げて論じるというような本ではなく、ある「地域」の存在を指し示し、人々にそこへ訪れることを誘い、そのなかを訪れた各人がそれぞれの関心に従って歩き回り、あるい立ち止まってその場所を掘り下げることが出…