2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧
●『レネットとミラベル/四つの冒険』(エリック・ロメール)をアマゾンで観た。これだけ喋りまくって、説明して、解釈して、議論して、それでも「言葉は必要ない」と強弁するというアイロニー。数えたわけではないが、「沈黙」という「言葉」が一体何回でてき…
●なんとなくぬるっと『愛と幻想のファシズム』(村上龍)を読み始めてしまった。上巻の半分くらい、全体の四分の一くらいを読んだ。つづけて最後まで読むかどうかはわからない。 この小説は、世界中を国家の域を超えた統一規格の統一システムとすることを目指…
●すごく画質が悪い状態だけど、『大いなる幻影』(黒沢清)がYouTubeにあったので久々に見た。1999年、黒沢清がのりにのっていた時期の作品。 この作品の特徴は、最初から最後まで、登場人物がまったく変化しないというところにあると思った。この時期の黒沢清…
●『私立探偵濱マイク 名前のない森』(青山真治)をDVDで観た。観終わって、なんとなく「名前のない森」でグーグル検索したら、自分が二十年前に書いた日記が二番目に出てきて、二十年前の自分と思わぬ再会となった。 https://furuyatoshihiro.hatenablog.com/…
●『アクターネットワーク理論入門』(栗原亘・編著)の第ニ部を読んだ。とても面白いし、アクターネットワーク理論が重要だということがまず前提としてあるとしての話だが、ちょっと気になってしまう感じはあった。 これは、誤解に基づいた言いがかりに近いと…
●窓や扉をあけ放って入ってくる風を浴びる気持ちよさに気づいてしまったので、暑くてもまだ冷房は入れない。資源ごみに出すために、大量の紙や雑誌、段ボールなどを縄でくくっているだけで汗があとからあとから湧いて出て、ポタポタ紙の上にこぼれる。ぱたぱ…
●『万延元年のフットボール』(大江健三郎)、七章から最後まで読んだ。今回は、メモをとるでもなく、線を引くでもなく、ただ、すうーっと読んだだけだから、具体的な引用や細部の指摘はできず、ふわっとした感想になってしまうのだが。 改めて、ここには、こ…
●本棚の整理をしていて出てきたもの。タモリのレコード。 タモリのレコードの帯の裏側に、荒井由実の広告が…。 タモリのレコードはYouTubeで聴ける。 タモリ 3 -戦後日本歌謡史- https://www.youtube.com/watch?v=JY_GtyceL98 タモリ 2 https://www.youtube.…
●本棚の整理と模様替えをしていると、いろいろ出てくる。下の写真は、『星座から見た地球』(福永信)論「マイナス1、プラス1 /『星座から見た地球』と『あっぷあっぷ』のなかを動いているもの」(「新潮」2012年5月号に掲載された)を書くためにつくったノー…
●ふと思い立って、本棚にさしてある『万延元年のフットボール』(大江健三郎)を手に取って読みだした。ふだん本を読むときは、何色ものボールペンや蛍光マーカーなどで線を引いたり書き込みをしたりするのだが(集中力がなく散漫なので、そういう動作をかませ…
●夢。大勢の子どもたち、ようやく、立って歩いたり、はしったりを、それほどたどたどしくなく行えるようになった、というくらいの年齢。子供たちには、巨大なイカの足のようなぐちゅぐちゅした尻尾が一人にひとつついている。遊んだり、はしやいだりしている…
●連続トークイベント「ベルクソン思想の現在 21世紀に炸裂する20世紀の生の思考」の第一夜「生きるとは?---『創造的進化』の未来」(藤田尚志×米田翼、司会:平井靖史)を、オンラインで観た。『生ける物質』(米田翼)は買ったのだが、『ベルクソン 反時代的…
●『アクターネットワーク理論入門』(栗原亘・編著)の第一部を読んだ。とても面白い。 とはいえ同時に、この議論には『ラディカルマーケット』に感じたのと同質の「落ち着けなさ」があり、「引きこもりや怠惰、ダメな奴であることを許さない調子」も感じられ…
●インスタグラムで他人のアカウントを見るためには、自分でもアカウントを持っていないと見られない。ある人のアカウントを参照する必要があってアカウントをつくったのだが、せっかく作ったのだからちょっと触ってみようと思っただけだった。日記が非リニア…
●冬は暖房を使うし、夏は冷房を使うので、窓も扉も締め切ることになるが、この時期は暖房も冷房も使わないので、窓も扉も開けっ放しにすることができて、開放的で気持ちがいい。部屋にいて、外の風が入ってきたり、外の音が入ってきたりすることは、外にいて…
●ちょっと前に古いソファーをもらった。表面はかなりボロボロだが、余りものの布で覆ってごまかす。 ソファーの導入は、生活に思わぬ変化をもたらした。いままで、部屋にいるときに取り得る姿勢は、立っているか、椅子に座っているか、横になっているか、基…
●攻殻機動隊SAC、「Individual Eleven」、「The Laughing Man」につづき、「Solid State Society」も観直した。同じ神山版攻殻でも、シリーズによってけっこう絵柄が違うのだなあと思った。 「傀儡廻し」は「人形使い」のそのまんまの言い換えで、押井版の「…
攻殻機動隊SAC、「Individual Eleven」につづいて、「The Laughing Man」も観直した。新シリーズ「SAC_2045」では、物語の構えは「Individual Eleven」に近いのだが、犯人像は「The Laughing Man」の方に近いのだな、と思った。というか、クゼとアオイ(笑い…
●さっきまで晴れていたのにいつのまにか空が灰色の重たい雲で覆われた、と思っていたら、しばらくして大粒の雨粒がポツポツと落ちてくる。稲光がして、おくれて大きな破裂音。みるみる雨が激しくなり、雷がビリビリと響きわたる。強い雨と雷の音があたり支配…
●本を整理していると、いろいろ古いものが出てきて、どうしても回顧モードになってしまう。下の写真は「季刊 思潮」のNo.1とNo.2。1988年、発行。「批評空間」の前身といえる雑誌。この二冊には大きな影響を受けた。 おそらく、(名前は知っていたはずだが)荒…
●『攻殻機動隊SAC_2045』のシーズン2がおもしろかったので、「Individual Eleven」を観直してみた。ネタがみっしり詰まって、それらがかっしり構築されている。改めて、ポリティカル・フィクションの傑作だと思った。 でも、ただ一つ不満というか残念なのは…
●『VILLAGE ON THE VILLAGE』の黒川幸則監督の新作ができたようだ。『にわのすなば GARDEN SANDBOX』というタイトル。特報の映像を観るだけでわくわくする。《友達の誘いで知らない町にアルバイトの面接に訪れたサカグチが、理不尽な仕事を断って家に帰ろう…
●いろんな人が坂本龍一を演奏する。 The End of Asia / Yellow Magic Orchestra (Ryuichi Sakamoto) ピアノ https://www.youtube.com/watch?v=Ax_9ZYGIbiM Dear Liz / Sakamoto Ryuichi / Sep.2012 https://www.youtube.com/watch?v=SkecJl0fUog 坂本龍一 AQ…
●お知らせ。「群像」7月号に、『君たちはしかし再び来い』(山下澄人)の書評を書きました。 ●「新潮」の記事で、坂本龍一の病気が、漠然と思っていたよりもずっと深刻であったことを知り、動揺している。 《2014年に発覚した中咽頭ガンはその後、晴れて寛解し…
●『攻殻機動隊SAC_2045』のシーズン2を最後まで観た。ちゃんと終わっていた。以下、ネタバレしますので注意。 なるほど。面白かった。これを観て改めて、ぼくにとって攻殻とは、神山版攻殻のことなのだなあと思った。神山版攻殻が、押井守から引き継いだもの…
●『攻殻機動隊SAC_2045』のシーズン2の七話から十話まで観た。三話ずつ区切って観ようと思っていたけど、九話の終わりのところでやめられなくて、続きを観てしまった。 江崎の復活によって、第四の流れが生じる。国から独立した「N」という集団をたちあげよ…
●お知らせ。ランダム再生「偽日記」@インスタグラム、をはじめてみました。くじ引きのように、あるいはトランプの神経衰弱のように、あるいはランダムチェキのように、開けてみなければそのカードに何が書かれているのか分からない。適当に画像を選んで、開…
●『攻殻機動隊SAC_2045』のシーズン2の四話から六話を観た。四話では江崎プリンの来歴が語られ、五話ではトグサの過去の記憶(しかしこれは偽の記憶かもしれない)が語られた後、六話で本格的に物語が動き出す(四話で最後で、タチコマたちが江崎の疑似人格をつ…
●Netflixで『攻殻機動隊SAC_2045』のシーズン2の三話まで観た。いい感じの滑り出し。とくに、一回まるまるアクションのみに特化した二話がすごかった。普通の場面では、3DCGのキャラクターへの違和感はどうしてもあるのだけど、3DCGでなければできないアクシ…
●「ブロッコリー・レボリューション」(岡田利規)がとても素晴らしかったので、「新潮」の2015年6月号を引っ張り出してきて「スティッキーなムード」を読んだ。まさに文字通りにスティッキーな小説だった。 岡田利規は唯一無二の作家だと思うが、にもかかわら…