2022/06/19

●連続トークイベント「ベルクソン思想の現在 21世紀に炸裂する20世紀の生の思考」の第一夜「生きるとは?---『創造的進化』の未来」(藤田尚志×米田翼、司会:平井靖史)を、オンラインで観た。『生ける物質』(米田翼)は買ったのだが、『ベルクソン 反時代的哲学』(藤田尚志)は6600円という値段にビビッて躊躇していたが、イベントが面白かったので買ってしまった…。

(質疑応答がガチだった、というか、まるで事前に仕込んだかのように、トークを補完するような内容の質問ばかりで驚いた。質疑応答の部分がとても充実していた。発表の部分が充実していないという意味ではない。)

ベルクソンの言う「神秘主義(神秘家)」とは、過剰な行動力をもつ人のことで、たとえばいきなり教団をたちあげてしまうとか、あるいはマイナーな本屋さんをつくってしまうとか、行為の大変さに見合った見返りがあきらかに期待できないようなこと、なにに繋がるか先の見通しもたたないようなことを、それでも思い立ったらはじめてしまうような人のことだ、というのはとてもいい話だと思った。

ベルクソンの言う---あるいは米田翼の言う---「可能的(たとえばオルタナティブなバイオケミストリー)」は、あくまで「この世界(この宇宙)」のなかでの、あり得た別様な可能性(あり得る別の道筋)の話であって、この現実より先に無数の可能世界があって、その一つとして「この現実」があるという話や、この世界の外に並行世界があるというようなことを想定しているのではなく、その意味で、ベルクソンにとって「敵」はライプニッツなのだ、というのも、なるほどと思った。ならば、「この宇宙」という一つの全体があるということになり、「世界は存在しない」というのも否定されるのだろうな、と。

●【本のあるところ ajiro】連続トークイベント「ベルクソン思想の現在 21世紀に炸裂する20世紀の生の思考」全4夜のご案内

https://note.com/kankanbou_e/n/n50223e07ff8c

●これから寝る朝。