2007-01-01から1年間の記事一覧
●『電脳コイル』(磯光雄)をDVDで。まず、既にレンタルしてあった、9話から11話までが収録されている「4」を観て、面白かったので、近所のツタヤまで出かけて行って「1」から「3」までを改めて借りて、もう一度1話から11話までを通して観直した。(ここまで書…
●朝、テレビをつけっぱなしにしていたら、今年注目された企業の社長たちがあつまって、業績自慢や自身の方針や教訓といったお説教をたれるというような嫌らしい番組がはじまって、そこである投資会社の社長が、群衆心理について話していた。例えば、サブプラ…
●妙にあたたかい日。散歩していても、汗がじっとりと染み出てきて気持ちが悪い。●『サイドカーに犬』(根岸吉太郎)をDVDで。この映画が割とよいという話は聞いていたけど、ぼくはどうしても竹内結子が苦手なので劇場公開の時は敬遠していた。でも、観てみたら…
●『メリー・ポピンズ』をDVDで。ロバート・スティーブンスの映画というより、ディズニー・プロダクションの映画。なんというのか、人工甘味料と人工着色料がたっぷりのお菓子の家に閉じ込められた子供たちのみる悪夢のようなイメージが圧倒的。この悪夢から…
●去年も同じようなことを書いた憶えがあるのだが、「M-1」というのは、つくづく良くないなあと思う。普段、お笑いについて別に大して興味がない人でも、ついついM-1については何か言いたくなって、言ってしまう。別に、人は何でも好き勝手に発言してよいのだ…
●引用、メモ。《主体は対象の一次元である》こと、について。デュシャンの二つの作品(「大ガラス」と「1.落下する水、2.照明用ガス、が、与えられたとせよ」)と、アクタイオーンの神話(ディアーナの水浴)との関係について。オクタビオ・パス「★水はつねに★複…
●『悦楽共犯者』(シュヴァンクマイエル)をビデオで。傑作とかいうものではないけど、面白かった。笑えるし。「共犯者」というタイトルとは異なり、ここに出て来る人物は皆、自身の快楽のための装置を、一人でこっそりと制作し、こっそりと一人でそれを使用す…
●『欲望のあいまいな対象』(ブニュエル)をビデオで。物語としては、いかにもオヤジがよろこびそうなエロ話のネタと大差なくて、おっさんが女の子といい感じになる→もうすこしでなんとかなりそうだ→しかしその直前で思ってもみない抵抗に出会う(猥談ではここ…
●『昼顔』(ブニュエル)をDVDで。この映画ってつまり、カトリーヌ・ドヌーヴに、あんなことやこんなこともさせてみたい、という映画なのだけど、それがここでは不思議なくらいエロくない。この映画には、見せると思わせてはぐらかしたり、もったいぶってじら…
●『哀しみのトリスターナ』(ブニュエル)をビデオで。ブニュエルの映画で重要なことは、時間が正確なリズムを刻んで進行するということなのではないだろうか。これは、説話上の時間ということではなく、あくまでも映画としての時間という意味で(説話上の時間…
●リンチ論、第一稿をなんとか書き上げる。60枚とちょっと。冷静に読み返せば、おそらく内容的に繰り返しになってしまっている部分がいくらかあると思うので、推敲してもう少しスリムにしたい。●古井由吉のあたらしい本(『白暗淵(しろわだ)』)の最初の方を少…
●リンチ論が大詰め。ここを書くためにいままで積み上げて来たんだ、という感じ。それにしても、書いていて、どうもこの文章は全体的に熱過ぎるようにも思えてきた。「熱い」といえば聞こえはいいけど、ようするに、書く側の思いばかりが強く、クドく出てしま…
●『モレルの発明』(アドルフォ・ビオイ=カサーレス)を読みながら、青木淳悟の「四十日と四十夜のメルヘン」のことを思い出していた。カサーレスは青木淳悟と違って、SF的ともいえる、割合はっきりとして分かりやすい「お話」の輪郭があるのだけど、それを記…
●リンチ論を書いていて、細部を確認するために『マルホランド・ドライブ』のDVDを借りてきて観たら、ついつい惹き込まれてずっと観てしまった。ぼくにとって今年はまさにリンチの年で(そのきっかけは樫村晴香さんにお会いしたことによるのだけど)、リンチの…
●昨日も書いたけど、シュヴァンクマイエルの『アリス』ではカットごとに縮尺というかスケール感が少しずつ違っていて、そのためにパースペクティブが成り立たない感じがある。人は、映画館の大きなスクリーンに顔が大写しになったとしても、その顔が巨大化し…
●シュヴァンクマイエルは、まず『ファウスト』を観てけっこう面白くて、次に『オテサーネク』を観たのだがこれが全然駄目で(多分この人は物語を語り出そうとすると駄目なのではないだろうか)、途中まで観てやめた後、再びつづきを観る気がしなくて、そのまま…
●散歩の途中で雨に降られた。空は明るかったので通り雨ですぐにやむだろうと思って、ちょうどさしかかった公園の駐車場の木陰で雨宿りする。空は青く、傾きかけた日が射して、目の前は日向であるのに、雨はどんどん強くなってくる。雨が防ぎきれなくなって、…
●ブニュエル『銀河』をビデオで。この映画を観たのは、確か83年か84年頃に日本で公開された時以来。同じ頃に、有楽シネマで『勝手にしやがれ』と『気狂いピエロ』が二十年ぶりとかでリバイバルされたり、シネ・ヴィヴァンで『パッション』とか『ミツバチのさ…
●今日は朝から一日かけて部屋の整理。大掃除にはまだはやいけど、大掃除が可能になる状態をつくるためのもの。(同時に、喫茶店にまで出勤しなくても原稿が書ける状態をつくるためのもの。)アトリエ部分は、あまり整理して、空間がかしこまった感じになると手…
●リンチ論のつづきを書く。以前にこの日記で書いたことが、メモがわりになる。青木淳悟論は、この日記に書き付けた感想などはまったく参照せずに、一から、あらためて小説を読み直すことではじめたのだけど(ぼくの持っている青木淳悟の本は、意味不明の記号…
●書こう、書こうとずっと思っていて、なかなか書き出せなかったデイヴィッド・リンチ論を、えいやあっ、という感じで書き始める。ニーナ・シモンの「SINNERMAN」を大きな音で繰り返しかけて、それに背中を押されるようにして。(『Pastel Blues』というアルバ…
●ずっと死んだ状態だったiPodが復活した。で、『ジャッキーブラウン』のサントラを聴いている。ボビー・ウーマックとビル・ウィザースとミニー・リパートンは、ちゃんとアルバムを探して聴こうと思う。●それとはまたちょっと違うのだけど、高橋悠治の『ATAK0…
●ゴンブロヴィッチ『コスモス』を読み始め、だいたい三分の一くらい読んだ。どんな小説でもたいがいそうなのだが、最初のうちは「これ、どうなんだろう」という疑いの感じが強いなかでそろそろと歩みをすすめるもので、特に、雀の首吊りみたいな細部には「ゲ…
●『恋愛睡眠のすすめ』(ミシェル・ゴンドリー)をDVDで。特別に面白いってことは全然ないけど、ミシェル・ゴンドリーってこういう人なんだろうなあ、というのが凄く感じられて、これはこれでいいんじゃないかと思った。『エターナル・サンシャイン』はアメリ…
●本を読んでいたり、映画を観ていたりするときに、ふいに強烈な眠気に襲われることがあって、その時には、ほんの三十分くらいだけど、すごく深く眠ることができる。(音楽を、その音の細部まで聞き漏らさないように入り込んで聴いている時、その覚醒と地続き…
●ニーナ・シモンの声を聞くと、どうしても『インランド・エンパイア』の記憶と結びついてしまう。別に映画で使われていた「SINNERMAN」じゃなく、全然違う感じの曲でも、その声がある特定の表情をみせた瞬間、その声の表情が『インランド・エンパイア』の印…
●『芸術の神様が降りてくる瞬間』(茂木健一郎)に載っている荒川修作の話が凄い。ぼくの知っている限りのアラカワの対談やインタビューのなかでは、もっとも分りやすく、素直に、その(あまりにも)広大なビジョンが語られているように思う。本屋で買って、その…
●一月に発売の雑誌に載るはずの、この夏に書いていた長い作家論のゲラのチェックをしているのだけど、文芸誌の校正の細かさというかその丁寧さに驚き、感動しつつも、自分がまったくバカみたいなケアレスミス(読み間違い)をしていることの指摘に、顔が赤くな…
●タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』をDVDで。タランティーノの映画では何が好きかと言われれば圧倒的にこの『ジャッキー・ブラウン』で、確かに映画としての欠点を言い立てればいくらでも言えるかも知れないけど、とにかく主人公のジャッキー・ブラ…
●11月25日から、29日と12月1日を除いて、毎日(意識的に)同じコースを散歩している。ゆっくり歩いて二時間ちょっとくらい。今日は出掛けたのが午後1時半過ぎで既に光がやわらかくなっていたことと、それ程空気が冷えてはいなかったことで、風景に緊張感がなく…