2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
●アートが閉じてる、という話はやめた方がいいんじゃないだろうか。「閉じている(ように見える)こと」が、そのまま悪いことであるかのように言うのは思考停止だと思う。たとえば、芸術の特徴は、純粋な観客を必要としないという点にあると思う。芸術の観客は…
●一日じゅう制作。うーん、ドローイングの時にあった良さ(この感じ、面白いんじゃないかという、その「感じ」)が、タブローになると後退してしまう感じがある。もう一度、ドローイングに戻って「感じ」を取り戻すべきか、タブローをつづけて、この段階を突き…
●三鷹のSCOOLで『新しい小説のために』(佐々木敦)刊行記念イベント。1.キュイ「演劇・移人称」、2.いぬのせなか座「私らの距離とオブジェクトを再演する/座談会6」、3.滝沢朋恵ライヴ、4. 上妻世海×佐々木敦、対談。五時間以上ずっと立ち見で疲れた。用事…
●この人はスティーブ・ウォズニアック「ビットコインはドルや金より優れている」」(ビットコインニュース) http://btcnews.jp/2j7qfmvf13060/ 《アップルの共同創業者の一人スティーブ・ウォズニアック氏は今月22日、カンファレンス・イベント「Money20/20」…
●マルタで、パナマ文書をもとに不正を追及していたジャーナリストの乗っている車が爆破された。タックスヘイヴンの現在はどうなっているのか。『タックスヘイブンの闇』(ニコラス・シャクソン)は、一人でも多くの人に読んでほしい本だけど、2011年に出た本な…
●noteに、「冥界と身体、冥界の身体/『ゼーガペイン』と横尾忠則」(1)と(2)とをアップしています。 https://note.mu/furuyatoshihiro/n/nf9c5671498c9?creator_urlname=furuyatoshihiro https://note.mu/furuyatoshihiro/n/n64e884808e87?creator_urlname=fu…
●「穴の空いた絵画(台紙つき)」、その二。このシリーズはサイズが小さいので、セブンイレブンのコピー機で直接スキャニングした画像を小さくして載せています。 ●アトリエでの制作は、今週は、最近ずっと透明水彩と水彩紙のドローイングのシリーズで試してい…
●noteに、「自作自演の眼差しと身体/クリント・イーストウッド『許されざる者』以降(92年から09年まで)の自作自演について」というテキストをアップしました。 https://note.mu/furuyatoshihiro/n/n6560260033fa?creator_urlname=furuyatoshihiro もともとの…
●「文藝賞」を受賞した「おらおらでひとりいぐも」(若竹千佐子)がとても面白かったので、文藝賞の受賞パーティーに行ってみたのだけど、審査員の一人である保坂さんが欠席ということで、「文藝」の編集者以外に誰一人として知っている人がいなくて(ぼくが一…
●基本的に、日曜日には「8B33」のスカイプ+ミラノートでの会議があるのだけど(リアルに会う予定の日だったのだが台風のためにオンラインになった)、そこで話題になったのは、やはり「アルファ碁ゼロ」のことだった。これはマジでヤバいだろう、と。メンバー…
●ここ何日かは、アトリエから帰ってくるとぐったりと力尽きて何もできず、ただ、寝るまでずっと音楽を聴いている。しかし、これがすごく楽しい。自分が、こんなに音楽を楽しめるのだということを、五十歳を過ぎてはじめて知ったというくらいに。 いままでぼ…
●「穴の空いた絵画」のシリーズは、下のように台紙に貼れば展示可能になる。でも、これはあくまで妥協だ。紙(折り紙だし)というのは、モノとして弱すぎて、自分自身の構造を自分で保ち続けることが困難だ。だから、台紙という支持体を必要とする、という妥協…
●これはかなりとんでもないことではないか。やばい。背筋が凍る。技術の進歩がはやすぎる。「アルファ碁、さらに進化=自己学習のみで最強に---グーグル」(時事通信) 10/19(木) 2:06配信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2017101900097&g=int 《米グーグ…
●「盛るとのるソー」のトークの後で小林椋さんに、「ディスプレイを作品に組み込むと、制作費が大変じゃないですか」というようなことを聞いたら、「型落ちした安いのを探すので一万円くらいで買えます」という答えだった。画材屋で、透明水彩の絵の具を十数…
●必要があって読み返そうと思ったのに、持っているはずの本がなかなか見つからなくて、探し続けるより図書館へ行って借りてしまった方が早いと思って---本を探していると目的ではない本をいろいろ発見してしまって効率が悪い---(純文学としては)わりとポピュ…
●noteに、本棚の奥から発掘した「虚構の人物と「作者」/吉田健一『瓦礫の中』と松浦寿輝『あやめ』」というテキストをアップしました。これはもう十年以上前に書いたもので、「ユリイカ」2006年10月号(特集・吉田健一)に掲載されたものです。 https://note.m…
●2008年の「ユリイカ」11月号「ピカソ特集」に書いたテキストをnoteにアップしました。「ギターと仮面とコンストラクション/一九〇七年から一九一二年のピカソ」。 https://note.mu/furuyatoshihiro/n/nd1a96e6465ae?creator_urlname=furuyatoshihiro ピカソ…
●五反田のゲンロンカフェで「哲学と映像の『存在論的転回』---『実在への殺到』と『映像の境域』の交点から考える」(金子遊×清水高志×渡邉大輔)。初ゲンロンカフェ。 話の途中で清水さんが、金子さんが訳したインゴルドについて触れながら、ホワイトボードに…
●別の本を探しているときに、たまたま、自分の書いた文章の載っている古い「ユリイカ」をみつけ、改めて読んでみたらわりと面白くて、今の自分の関心と重なる部分もあったので、noteで公開することにした。ちょうど、一冊目の単著が出る間際くらいのバタバタ…
●『皆さま、ごきげんよう』(オタール・イセオリアーニ)をDVDで。なんて苛烈で、荒々しい映画なのか。フランス革命で、貴族の首がギロチンで落とされ、民衆が歓喜する場面からはじまり、戦場で、兵士たちが人々を襲い、殺し、強姦し、そこで奪った金品を、兵…
●最近のドローイングをちょっと出し。ぼくはこれ、ちょっと面白いと思うんだけどなあ……。すべて、紙に、鉛筆、透明水彩。2017年。
●アマゾンビデオの配信で『メッセージ』(ドゥニ・ヴィルヌーヴ)を観た。これはぼくには全然ダメだった。今のハリウッドは、元がどんな話でもハリウッドメソッドに合わせて話を組み替えなければ成立しないという変なドグマが出来てしまっているのだろうか(「…
●そろそろ『メッセージ』のレンタルや配信がはじまりそうなので、原作である「あなたの人生の物語」(テッド・チャン)を読み返してみた。 この話キモは、一見むつかしい言語学や数学や物理の話が出てきそうな雰囲気はあっても、実はそんなに難しい話にはなら…
●「Asian Art Award」の谷口暁彦「何も起きない」について。この作品で重要なのは、ディスプレイに映し出されている出来事がリアルタイムでレンダリングされているというところにあるのだろう。それは、今、計算機のなかで起きていることが映像へと変換され…
●ICCに、「盛るとのるソー」の小林椋のアーティスト・トークを聴きに行き、その後、寺田倉庫の「Asian Art Award」を観た。 ●小林椋の最初期の作品は、物と物とをぶつけたり、震わせたりして「音を出す」というサウンドインスタレーションとしいう形式をもち…
●お知らせ。といっても、これを書いている時点でもう過去になってしまっていますが、10日6日付け東京新聞、夕刊に、ICCのエマージェンシーズで展示されている「盛るとのるソー」(小林椋)についての美術評が掲載されています。 ●『ニューロラカン』(久保田泰…
●『ニューロラカン』(久保田泰考)、最後までざっと読んだ。面白かった。これは、あらためて精読したい(特に後半)。ここでは、人間の思考装置=機械である「脳」と、ウイルスのようにその脳を宿主として、生体的な脳とは自律して独自の進化をする言語構造(ラ…
●昨日、成瀬の『稲妻』を観ている時に、なんとなく連想して観たくなって、ジョージ・キューカー『素晴らしき休日』を、ネットで探して、iTunesの配信で観た。二十代の頃にすごく好きだった映画だけど、観るのは二十数年ぶりだと思う。 物語としては、自分自…
●少し余裕ができたので、『稲妻』(成瀬巳喜男)をDVDで観ていた。成瀬は素晴らしい。いや、ほんとに素晴らしい。胸に迫るとは、こういうことかと思った。 この映画における、「二階の女性」と「世田谷の下宿」こそが文化なのであり、それはもう、とてもか弱い…
●『かわうそ堀怪談見習い』(柴崎友香)について、もうちょっと。この小説の舞台は大阪市であるが、そこに架空の地名が混じっている。「かわうそ堀」は実在せず、そのモデルは「立売(いたち)堀」で、「羽凪(うなぎ)公園」は実在せず、モデルは「靱(うつぼ)公…