2024/04/10

⚫︎ハーマン的な「出会い」の図式。

実在的なわたしと実在的な木があり、わたしの志向性のなかで実在的わたしと感覚的な木とが真摯な出会いをする。それにより実在的な対象「わたし+木」が生まれるが、実在的な「わたし+木」は、その構成要素でもある「わたし」からも脱去する。これは幽体離脱的と言えるのではないか。あるいは、大江健三郎の小説における古義人とコギーの関係を思わせる。

実在的な「わたし+木」の一部であると同時に、その外にある実在的わたしに、豊かに茂る木の葉の緑と美しい対比を見せる、その隣に咲いている鮮やかに赤い花が目に入ってくる。ここで実在的わたしは、感覚的な「木+花」に出会っており、この出会いが実在的な「わたし+「木+花」」を生む。そしてそれも、実在的わたしから脱去する。わたしの経験する空間は、感覚的な「わたし+木」から、感覚的な「わたし+「木+花」」へと移行している。

このようなときの、現在の「実在的なわたし」と、先ほどまでの「感覚的なわたし」の関係を考える。