●現代ハイツでの展覧会、終了しました。観に来て下った方々、この展覧会の実現に協力して下さった方々に感謝します。
●ぼくの展覧会に大勢の人が大挙して押し寄せるということはないのだが、それでも、あまり人と会うこともなく八王子で引き籠って生活しているので、普段からすると異例に多くの人と会う二週間で、慣れない状況に自分では気づかないうちに軽く緊張し、高揚もしているのか、ずっと、風邪をひきかけのような、治りかけのような、ちょっと調子が悪いのだがそれ以上悪くはならず、しかし、回復するのかと思っていると回復しもしないという状態がつづいた。
●九十年代に毎年展覧会をしていたギャラリー現の梶山さんが来て下さって、ギャラリーにずっと置きっぱなしだった、ぼくの九十年代の作品資料を届けてくれた。92年のはじめての個展の時から、97年まで、ぼくの二十代のころの作品の写真。ぱらぱら見て、うわーっ、と思う。一生懸命やってるのは分かるけど、今からみると、やはり下手だなあと思う。たまにまぐれあたりはあるけど、つづかないなあとか、打率が低いなあとか、それ、こだわってる場所が間違ってるよとか思う。自分と比べると、最近の二十代の作家は驚異的に上手いのだなあと、改めて思う。まあ、でも、ぼくは若いころから、自分は大器晩成だと(勝手に)決めて、わりとのんびりやってきたし、気分としては今でも、大学を出たばかりの作家とかわらない感じでやってるし、まだまだこれからですよ、という感じなのだが。
97年の個展というのは、ぼくにとって最初の大きな行き詰まりというか、このままではダメだと本気で思った時で、その頃の作品を観ると今でも苦しくなる。ここでいったん大きな切断があって、この切断以降から、現在のぼくの作品と直接つながっている流れがはじまる。その意味でこの作品資料には「プレ自分」の時期の作品が載っているのだけど、改めて見てみると、アプローチの仕方は大きく違っているけど、基本にある感覚というか、求めている感じは、ほとんどかわってないのだなあと感じた。92年のはじめての個展の時の作品と、次の93年の個展の作品は、今でも好きだと思った。下手だけど。
●展示の撤収を手伝ってくれた(たまたま終了間際に来たので手伝わされた)、利部さん、長島さん、ありがとうございました。