●展覧会の展示を撮影した。撮影を見ていて、やはりフィルムで撮るのとデジタルとでは、作業がかなり違うのだなあと思った。撮ってすぐ、その場でパソコンで画像を見せてもらえるし。
前の、「零のゼロ」の時の画像は、自分でいいかげんに撮ったやつだけど、今回はちゃんとカメラマンに撮ってもらったので、これはちゃんとした形で見られるようにしたい。とはいえ、紙に印刷されたものをつくるようなお金はないので、ウェブで、ということになるけど。この日記にサイズの小さい画像をアップして終わりとかじゃなくて(もちろんアップはするけど)、なんかもうちょっと、ちゃんとしたもの。ダウンロードしてプリントすると図録になる、みたいな感じのことが出来ないだろうか。
●紙に印刷された図版は、反射光によって見えるけど、パソコンの画面上の画像は、自ら発光し、透過光によって見える。この違いはかなり大きい。そして、オリジナルの絵は、(油絵具で描かれたものは特に)反射光と透過光が微妙に混じり合っている。基本は、表面にあたった光が反射するのだが、半透明な絵具の層には光が浸透して、地や下の層で反射して、再び半透明の層を通って目に届くのだから、それは透過光でもある。この複雑な混合が、複製では決してコピーできないものだ。制作のプロセスや、素材、絵具の層構造までをそっくり複製出来れば別だけど。
●人と待ち合わせして食事をして、その帰り、別れて一人でホームに立っている時に携帯電話をチェックしたら、番号非通知の着信が、三、四分おきくらいの間隔でだーっと並んでいた。うわ、なんだこれ、と思っている時に携帯が振動した。「もしもし鈴木さんですか」「は」「おたく、鈴木さんでしょ」「違いますけど」「鈴木さんじゃないの」「だから、違います」「あー、そう、ごめんなさい」鈴木さんとは誰か。男と鈴木さんとの関係は?しかしそれよりも、あれだけ執拗に電話してきたわりに、男が案外すんなりと引き下がったことが一番気になった。お前、本当に鈴木じゃねえのか、とか、鈴木を出せよ、そこにいるんだろ、とか言われるかと思った。
●中央線のアナウンス。「この電車が高尾駅まで行きますともう上りの電車はありません、現時点でお乗り過ごしに気付かれた方は、次の西八王子で急いで上り電車にお乗換えください」なんかすごい親切だ。高尾駅は中央線の終点で、駅は、八王子-西八王子-高尾と並んでいる。