●午前中のはやい時間から制作を始めても、アトリエの側の雨戸を閉め切ってしまえば、思ってたほどには光の状態は気にならない。はやい時間から制作を始め、午後の盛りには風呂に入っている。手にべったりとついたアクリル系の絵具は、乾くと日に焼けた皮膚のようにポロポロと剥がれ落ち、そのまま流すと排水口に詰まってしまうので、洗い桶で手を洗い、汚れたお湯を笊でこしてから流す。風呂桶のなかでぬるい湯に浸かり上を向いてぼーっと放心している。天井近くに空いた細長い換気用の穴(と言うか「隙間」)から入ってきた光が天井に反映して、その四角いオレンジがかった光のフレームのなかで、木の影がゆらゆらと揺れている。