●『スライ・ストーン』(ウィレム・アルケマ)をDVDで。映画としては、「最近のスライの姿が見られてよかった」という以上のものではないけど、でも、最近のスライの姿が見られてよかった。
映画のなかに、スライの評伝を書こうとしている双子が出てくるのだけど、この二人が良くも悪くもオタクで、「オタクってこうだよなあ」という感じで、彼らは愛の対象について熱く語るが、その存在の仕方はスライの存在の仕方とまったく似ていない。だから悪いというのではないのだけど、何かを愛する時、愛の対象に近づこうとするのではなく、愛の対象に対する知識をコンプリートしようとするというやり方に、疑問を感じないでいることはやはり難しいなあ、と思ってしまった。同族嫌悪に近いけど。