●四十歳を過ぎた今でも、恐怖の底の無さとか、悲しみの深さとか、怒りの抑えがたさとか、どうしていいのかわからずおろおろしてしまうとか、そいいう根底的な感情の有り様(強さや鮮やかさ)や、その心の動きの制御出来無さは、小学生くらいの頃と、ほとんどかわらない。多少、表面上で取り繕えるようになったくらいだ。こういうことは思ってもみなかったことだ。子供の頃は、四十過ぎたおっさんに、自分とかわらない心の動きがあることを想像できなかった。