●非常に興味深い。「365日食べられる究極の普通味!?200円カレーを提供する「原価率研究所」とは?」(ニューアキンドセンター)
https://new.akind.center/201706/genkaritsu/
《うちの社長が福島で東日本大震災を経験して、新潟に引っ越した際に地元の方々に良くしてもらったそうです。その恩返しをしようという想いで創業したのが、この会社でして
カレー屋をやりたいから始めたわけではないんです。
社長に飲食店のビジネスノウハウがあったのでカレー屋にしただけで、一番大切なのは多くの人に喜んでもらうことなんですね。》
《具体的には3つの役割があると思っています。》
《食のインフラ 200円じゃないとご飯が食べられないという方々もいらっしゃいます。
そういう方々を含めて、誰でも食べたい時に食べられることが大切です。》
地域活性化 人通りの少ない場所に出店することで、人の流れができます。
カレーライスが200円ですから「お金が浮いたから、近くで惣菜を買い足そう」とか「コンビニでサラダも買っていこう」とか、周りのお店に波及効果がでるように狙ってます。》
《災害時の支援拠点 これは社長が被災したときの経験からです。
災害になったとき500〜600食は提供できるように備蓄しています。》
《お店のコンセプトややりたいことが達成できないので、都心には出さないと思います。仮に渋谷に出店したら大騒ぎになって、まわりの飲食店も面白くないでしょう。渋谷に遊びに来れる若者なら、別にカレーを200円で食べる必要もありませんし。》
《大きい炊飯器で炊くと小回りが効かないんですよ。
小さい炊飯器なら食品ロスを最小限にできます。ただ、客足の予測がつくので、ほとんどロスはでません。
炊飯器はメーカーのこだわりもないので各店舗に任せています。うちはフランチャイズ経営もしていますが指定備品はほとんどないんです。安く手に入るものを使います。》
《8〜9割がテイクアウトですね。商売的にも回転率が上がるからその方がいいんですよ。あえて店内も居心地がいいようにしてないんです。
この椅子だって1000円しませんからね(笑)》
《はい、どの店舗でも365日来てくださる常連さんが10人くらいいると思います。
平日だけ毎日来てくださる方を数えたら10〜20人なんてもんじゃありません。中には1日3回来た方までいるくらいです。》
《「原価率研究所」というネーミング、かなり大きいですよ。この名前が目立つので今回みたいに取材が来てくれます。宣伝広告費を大きく抑えられますね。》
●『貧乏人の経済学』には、一日99セント以下で生活する途上国の貧困層の人でも、現在では一日当たり2400キロカロリーを摂取することは可能だと書いてある。しかしその場合、食事はバナナと卵だけになってしまう、と。だから多くの人は、カロリーや栄養的には効率の悪い、食べ慣れたものや美味しいものを少量だけ食べることになり、その結果として栄養が足りなくなる(部外者から、食習慣についてケチをつけられるのも嫌う)。そして、相当に貧しい人でも、嗜好品や祭りやテレビなどに多くお金を使う。腹を満たすことより、楽しい生活をすることが優先される(人間だから当然だ)。貧しい人が「飢えている」という時、その「飢え」の内容を詳細に見てイメージを変える必要がある、と。だから、必要かつ有効な食糧援助は、不足しがちな微量栄養素(ヨウ素や鉄分など)を、彼らの好むものに混ぜることのできる形で提供することなのだ、と。
しかし上の記事では、カレーが200円であると同時に、美味し過ぎないことが、毎日食べられるための条件だとされる。バナナと卵ばかりを毎日食べているとうんざりしてしまうのに、カレーなら毎日食べられるというのは、香辛料というものの力なのだろうか。とはいえ、《私たちの目指すカレーは極論をいえば、食べている時に何も感じないカレーです。「食事を摂っている」ということ以外、何も考える余地のない普通のカレーを目指してるんです》、という部分がどうしてもひっかかる。でも、これは「表現」の問題に過ぎなくて、要は毎日食べても飽きない味、ということなのかもしれない。
(あと、テイクアウトでいいのなら、百円ショップのレトルトカレーでもいい気もする。ぼくの経験では、百円ショップのパスタに百円ショップのレトルトカレーをかけて食べるのが、最も満腹コスパが高い。レトルトカレーよりは美味しいというのなら、それはけっこう美味しいということだろう。)