2020-04-05

●複数の異なるレギュレーションを実践して、その間を行き来すること。そしてその、いくつもの根本的に異なるレギュレーションを貫いて、共通している「何か」を、探り、追求し、掴むこと。

レギュレーションの異なる複数のものを並置することで、その「何か」を提示できるのか。というか、複数の異なるレギュレーションを並置することによってしか示せない、その間にある「何か」を提示しようとする。そのようにしてしか示せないことを示そうとすること。

●作品において、みえるものをできる限り繊細につくることを通じて、みえないものを示そうとする。ここでみえないものとは、表層に対する深層ではなく、まず第一にはその構造であり、さらにその構造が示す空隙(盲点)である。作品によって示される空隙(というか、作品の構造に穿たれた空隙)は、そこにあるはずなのにない、にもかかわらず、それが「ない」ということがみえない、という、二重の不在という形をとる。この二重の不在とは、内側に入れ子的に仕込まれた(入り込んだ)外側のことだ、と考えられる、内側があることによって----内側によって包摂されることで---はじめて示される(暗示される)外側。作品は、その内側に外側を抱え込んで、それを暗示する装置ではないか。