2023/01/23

●『ゴダールの決別』をU-NEXTで。この映画で、湖の近くに暮らす人々や学生たち、そこへビジネスでやって来た人々が、湖畔や、カフェや、(絵画教師のやっている)本屋や、ビデオ屋や、牧師と教師夫婦の家などで、落ち着きなくも騒々しく言葉を発しながら行き来し、交錯しては、行き違っていく描写(映像と音のモンタージュ)がひたすらカッコいい。とにかくそれだけをただ観ていたいと思う。切れ切れのフレームに忙しなく人が出たり入ったりする騒がしいモンタージュと、流麗な長回しとが組み合わされ、ドタバタと落ち着きなく気に障るようなノイズとリズム(頻繁なリズム変換)と、息を呑むような美しさ(美しいイメージ)が平然と、雑然と同居している(この雑然とした同居こそがゴダールなのだと思う)。

それに比べると、離婚の危機にある夫婦の夫の留守中に、夫の姿となった「神」が現れて妻と関係を持つという題材(主題)に対しては、そこまで興味を持つことができなくて、中盤以降の、「神」と妻との対話部分になると、興味や集中力がどうしてもやや散漫になってしまう。

●『ゴダールの決別』の撮影現場のリポートがYouTubeにあった。ゴダールが口移しに俳優たちにセリフを伝えている。

Jean-Luc Godard et Gérard Depardieu (1992) - YouTube

ゴダールの(というか、カロリーヌ・シャンプティエの)撮る画面がいかにカッコいいのか。ザ・ストロークスの「Hard to Explain」という曲に、『ゴダールのマリア』の映像を編集して合わせた動画があった。何度も観てしまう。

Hard to Explain / Je Vous Salue, Marie! - YouTube