午前5時過ぎ、昨日が寒かったせいか、今朝の明るくなる直前の空は、少しだけ凄みのある青だった。すぐ空は白みはじめる。カラスの第一声のあと、いろいろな鳥の声。
ふと、腕時計を見ると、電池がなくなったのか、数字が消えてしまっている。
駅前の工事現場の、道路と現場を仕切る鉄の壁に、趣味の悪い色が塗られていて、げげっと思っていたのだけど、それには意味があるらしいと、人から指摘される。よく見てみると、確かに『ナントカ小学校のトーテムポール』だとか『ナントカストアのカゴの色』だとか『ナントカ大学行きのバス』だとか『駅前のタイル』だとか、説明が書いてある。地域に関係した色を塗ってみました、ということだろう。なかには『めぐのマフラー』だとか『あのひとのセーター』だとか『ぼくのピカチュウ』とかいう、ウケ狙いのものもあったりする。
ますますうんざりして、力が抜ける。新興住宅地の薄ら寒さというか、こういう場所には住めないなあ、と感じる。(幸い、住んでいる所の最寄り駅じゃない。)
昨日も寒かったけど、今日はさらに冬のような寒さ。しかし花粉は飛んでいるし、やはり春になりつつあるのか、やたらと眠い。ビデオでヴェンダースの『ことの次第』を観ていても、決して詰まらない訳ではないのに、強烈な睡魔に襲われる。サミュエル・フラーが、奥さんの死で撮影現場を離れる頃から無性に眠くなって、パトリック・ボーショーがプロデューサーを捜しにハリウッドへ出かけてゆく頃には、もうぐっすりと眠っていた。ふっと気がつくと、音楽が流れ、エンド・タイトルになっている。でも、まあ、こういう眠りはとても心地よいものではあるのだった。『ことの次第』は何度も観てるし。
安いワインを買ってきたら、それがゲロゲロに甘くて大外れ。なんだよこれ。