吉祥寺のスケッチ

●吉祥寺のスケッチ。
●今、作品の展示をしているA-thingsの道を挟んだ向かいに小さな魚屋があり、そこからは魚を焼く煙がもうもうとたっている。昨日の搬入が終わった帰り、林さんが、ここのおばさんの焼く魚はおいしい、と言っていた。今日、展示を見に来てくれた画家の井上実は、去年ここで作品の展示を長いことやっていたのでそのことを知っていて、帰りに焼き魚を買っていた。
A-thingsのまわりは道が狭く、しかし、人も車もかなり通っていて(ぎりぎりでバスも通るけど、車は擦れ違えない程の幅なので、多分一方通行なのだろう)、車を、一時的にでも停めておくような場所がない。作品を搬入する時も、軽トラックを、作品を降ろす短い間だけ、近くにある行き止まりの私道のような場所に停めさせてもらって、なんとかした。いつも展覧会の時、展示や作品の写真を撮ってもらっているカメラマンは、撮影機材一式をライトバンに積んでやってくるのだけど、どうしようかと考えている。
吉祥寺駅を降りてA-thingsに行く途中にある東急の、表通りに面した駐車場の出口に配置されている警備員は、大勢の人の流れを留めて、車を出したり、入れたりしなければならないので、2,3人でチームを組んで、やたらと大きな声を出して、きびきび動いている。同じ東急の、裏側にたった一人でいた年配の警備員は、人ごみのなかで、どこか遠くをみつめるようにぽつんと立っていた。(今日は雨で寒かったけど、昨日はあたたかかったので、東急の裏のオープンスペースには、湧いて出てきたみたいに、親子連れが溢れていた。)
●駅から会場に行くのに、いつもと違う道を通って行ったら、途中に弁天湯という銭湯があり、そこに「曽我部恵一 風呂ロック」というビラが貼られていたのがなんとなく目についた。
●展示を見に来てくれた、画家の井上実、中垣直美と、その後食事に行き、そのままだらだら軽く飲んだ。入った店は、バリバリのモダンジャズがかかっている(とはいっても、あまりレアな感じではなく、ぼくでもアルバムのタイトルが分かるようなスタンダードなものが多くかかっていた)、基本的には飲み屋だけど、簡単なディナーも出しているという感じの店で、結局、三時間以上いたのだけど、その間、他の客は一組か二組くらいしか入ってこなかった。(ぼくが店に入った時は他の客はいなかった。)中垣さんは、(途中ニューヨークへ行っていた時期を挟んで)十年くらい吉祥寺に住んでいるのだけど、今週中に引っ越しをするそうだ。カフェオレがおいしい店を教えてもらった。