●遠くまで見渡せること。市役所の近くの、二本の川が合流する地点は、河原も広くとられていて、長い橋がかかっている。市役所側の河原は整備されていて、ジョギングしている人もいれば、凧を揚げている人もいるし、犬がはしったりもしている。(おっさんが、手にもった何かよく分らない器具をカラカラ回していて、一体何をしているのだろうと思ったら、凧揚げをしているのだった。凧があまりにも空高くまで揚がっていて、ほんの小さくしか見えず、しかも、それをおっさんがあまりにも事も無げに操作しているので、気付かなかったのだった。)向こう岸の方は、河原はむしろ市役所側よりも広いのだが、木々や雑草が生い茂り、立ち入り禁止になっている。ぼくはいつも、河原を散歩する時、市役所側の土手の上の道を歩いているのだけど、ふと、橋を渡ってみようと思いついた。
橋を渡ってから市役所側の方を見るとき、今、自分がいる方が「こちら側」であるにも関わらず、「対岸からこちらを見ている」という感じになるのだった。二本の川と河原とを挟んだ向こう側までは、かなりの距離があり、いつも通り慣れた土手の道が、見慣れない方向から、かなり遠くに見えるという、ただ、それだけのことなのに、まるで自分自身を遠くから見ている、冥界からの視点であるかのように感じられるのだった。(これはおそらく、対岸までかなり距離があること、と、その距離=空間が、何もないスカスカの空間でもなく、建物などがぎっしりとたて込んでいるわけでもなくて、生い茂る緑の植物によって埋められていること、の効果もあるのだろう。)散歩06/09/04(http://www008.upp.so-net.ne.jp/wildlife/sanpo.3.html)。