●久しぶりのいい天気。近所にある栗の木に、イガイガした実が、いっぱいついていた。一日、原稿を書いて過ごした。
●八月じゅう、まるまる一ヶ月かけてやるべき目標が出来た。一時の、爆発的な制作モードは退潮したけど、制作は割といい感じでつづいているので、それを途切れさせないようにしつつ、こっちもやろうと思う。自分でもどんなことが出来るのか分らないのだけど、ぼくはだいたいいつも、決めにはいったり、狙ったりすると、肩に力が入ってしまって「外す」という特性があるので、あまりかしこまらないでやれればいいと思う。
●深夜、『ゴダールリア王』をビデオで。『映画史』の原型のような作品だけど、ぼくはこっちの方がずっと、作品として好きだ。すごく美しいショットや複雑なモンタージュ、重層化されたサウンドトラックなどの高度な達成が一方でありつつ、同時に、レオス・カラックスが銃をもって森をうろついていたり、ゴダールがへんなものを頭にたくさんくっつけてマンガみたいに口元を歪めていたり、幼稚なズームがあったり、唐突に白馬が出て来たり、たんなるフィルムの逆回転を「奇蹟」であるかのように見せたりする、内輪ノリな自主映画か学芸会みたいな「安い」感じが同居しているところに、不思議な開放感がある。ただ、冒頭にノーマン・メイラーとの関係が上手くいかなかった部分をわざわざくっつけたりしていて、ゴダールって本当に嫌な性格だなあとは思う。