●久々につくっていて手応えを感じられたタブローが一点できた。いままで縛られていたものから、なんかちょっと解放された感じの作品になった気がする。
それは多分、制作の途中で、キャンバスが左に90度傾いたことと関係がある。左右が途中で上下に変換されたことで、自分がいままで、いかに(つまり、どのような形で)左右に捕らわれていたのかが少し意識された。なんというか、「上下への捕らわれ」を意識するより、「左右への捕らわれ」を意識する方がぼくには難しい。勿論、今後も「左右に捕らわれていること」が無くなるわけではないし、それが望ましいわけでもないけど、「左右」に対する今までとはちがったアプローチが可能になるんじゃないかと期待したい。
あと、それだけじゃなくて、今までは相互にあまりつながりがないままで(いや、つながりはあるはずだという確信はあるけど、具体的にはどうつながっているのかはよく分からないままで)平行して制作してきた、線による作品と色彩による作品の、ちょっとした通路みたいなものも、制作中に発見できた気がする。まだまだ「なんかそんな気がする」という段階ではあるけど。
●なぜかぼくには、130×130cmというフレームサイズに対する愛着がある。いままでつくった作品のなかから自薦ベストテンを選ぶとしたら、多分、半分くらいはこのサイズの作品になるんじゃないかと思う。
●この作品は、今月の22日からはじまる「アートプログラム青梅2011」で、青梅市立美術館に展示される予定です。この作品だけじゃなくて、去年から今年にかけて作った作品が展示されます。
http://www.art-program-ome.com/About_2011.html
●絵を描いていると(あるいは散歩をしていると)、身体というのは、この肉やこの骨やこの筋肉のことではなくて、上下左右と前後(がある)ということなのではないかという気がしてくる。あるいは、上下左右、前後の、傾きと偏りと捻じれの度合いのことなのではないか、と。