●引っ越しのために後回しにしていたことや遅れ気味になっていることをひたすらやる。荷物の整理などはちょっと後まわしで、五月中はずっとこんな感じなのだろうと思う。疲労は少しずつだけどとれてきた。
●午前中はマティスについての短い文章を書く。昼過ぎに一時間くらい散歩(通っていた小学校で運動会みたいなイベントをやっていた、高校の時に映画を撮影した団地は閑散として、店が集まっていたスペースもほとんどシャッターが閉まっていた)。午後、単調な作業のなかで「おおっ」というものを発見する。
●この引っ越しは偶然タイミングが合ったことによって成立した。一つは、たまたま父の知り合いから格安の物件の話があったこと。もう一つは、たまたま二ヶ月つづけて文芸誌にある程度まとまった文章が載って、ほんの一瞬だけ、ちょっとだけお金に余裕があったこと(引っ越しでほぼなくなってしまった)。この二つのことの時期が重ならなければ引っ越しは不可能だった。もちろん、他にもいろいろ理由はあるけど、「この偶然にのっかる」感じで引っ越すことになった。
●『ワープする宇宙』(リサ・ランドール)を読み始める(「Warped Passages」という原題がかっこいい)。面白い。最近、ポピュラーサイエンスの本ばかり読んでいる気がするのだが、それは、引っ越しでバタバタして落ち着かない(なかなか腰を据えられない)なかでも割と気軽に読めるということもあるけど、それだけではなく、どの分野の本にも、科学というものがこの十年二十年くらいでまったく別の位相に突入したという感じが書かれているからなのだろうと思う。