●最近は、図書館が立ち読みがわりで、少しでも興味をもったり気になった本はネットで検索・予約して一度に多量に借りてきて(県立図書館は十冊まで、市立図書館は七冊まで借りられる、鞄がとても重い)、パラパラみたり、流し読みしたりして、熟読の必要があると思った本をネットで買うという感じになっている(近くに大型書店がないので、本を手に取って判断することができない、本屋の棚を見て新刊の情報を得るということもない)。
でも、案外、図書館には本が少ない(基本、新刊がない)。図書館にない場合、中味をみないで一か八かカンでネットで買うしかない。五千円近い本を、実物をみないでカン頼りで買うのは勇気がいるが、新刊を都心の大型書店まで見に行こうとすると、もう一冊別の本が買えるだけの交通費がかかる。
●そもそも、本屋に立ち寄るという習慣がなくなってしまったなあと思う。美術館やギャラリーを観るために都心に出ても、本屋には寄らないで帰ってしまうなあ、と。
ネットの方が情報が多いので、本屋という場所に「トレジャーハンディングするワンダーランド」感がなくなってしまったということだろうか。新宿のジュンク堂がなくなったのがけっこうデカい。あの、ワンフロアーがとにかくひろい---上下ではなく水平に広がっている感じ---というワンダーランド感は他にはないものだった。
セレクトショップのような本屋は、あらかじめキュレーションがはいってしまっているので、ハンターとしての本能があまり掻き立てられない。その点、古本屋の方が、売り場面積が小さいとしても「何があるか分からない」という期待があるので、そそられるものがある。雑多で玉石混交という感じがないとハンター心がくすぐられない。でも、古本屋というものが、近くにはめっきりなくなってしまっている。
●立川にある、オリオン書房ノルテ店とか、好きな本屋さんだったけど、住んでいるところが遠くなりすぎて、最近まったく行っていないなあ、と。