●近所には、散歩の途中にふらっと立ち寄って立ち読みするような本屋や古本屋がないし、そこで長時間粘って本を読んだり書き物をしたり出来るような雰囲気の喫茶店もない。本屋はあるけど、そこに立ち寄ったら何かみるべきものが発見できるかもしれないという感じがまったくない。たまには気分を変えてファミレスに本を読みに行ってみようかと思っても、ガラス張りの店内を外から見ると、中年以上の女性のグループばかりでけっこう込み合っている様が見えて、このなかで長時間粘って本を読むという雰囲気ではないなあと感じて、そのまま帰ってきてしまう。本を買うという点ではネットにつながっていれば不自由はない。前に住んでいたところで喫茶店に通っていたのは、まずは部屋の殺人的な暑さや外より寒い寒さから逃れるためだったが、今のアトリエは風通しも良くいまのところ快適で、今年の猛暑にもクーラーの必要性を感じなかった。それに、前とは違って立派な机がある。だから実用的には困ることはないのだけど、でも、そうすると居る場所がアトリエくらいしかなくなって、なんいうか、引っ越してきて何か月も経つうちに微妙にストレスがたまってくる。
公園もあるけど、基本的にそこは、子育て中の親が子供を遊ばせる場所で、平日の昼間から中年のおっさんが一人でぼんやりしていることを許してくれそうな雰囲気ではない。飲食店はわりといろいろある感じだけど、貧乏なので基本的に外食はしないので、あまり縁がない。散歩をするのには不自由はないとしても、「ふらっと立ち寄る」みたいな場所がない。ホームセンターとか家電量販店とかはあるけど、それはなんかちょっと違う(ホームセンターは意外と面白いのだけど)。とはいえ、ホームセンターとかショッピングモールみたいな場所は、田舎では「公園」の役割を果たしているのかなあ、とは思うようになった。仕方がないので川沿いを散歩して海まで行って、海岸でぼーっとする。