2020-12-12

●エリー・デューリングの翻訳、はやく出ないかな。待ち遠しい。

(以下、立花史さんのツイートから引用。)

《最近、デューリングをいくつか訳していて、たしかにプロトタイプ論なんかは、彼が言うところの「ロマン主義」的なアート観に対する批判と対案なのだけれど、同時に、彼の形而上学としてのモノ論に立脚した芸術論でもあって、思弁的唯物論以降に美学を考える視座として、かなり冷静で有益に思われる。》

《SRやSMを経由した先でも、ラヴクラフトやスペキュラティヴ・デザインだけでなく、普通に様式、装飾、デザインを論じられるし、サイバーパンクスチームパンクも、ロボットアニメも宮﨑アニメも、バーレスクも扱える、そんなフレームをエリー・デューリングが整備しているという風に捉えている。》

《エリー・デューリングの「レトロ未来」は、早稲田の表メの紀要みたいなところに当時の院生が苦労して作った既訳があるのだけれど、あらためて原文と照らすと、難解な抄訳みたいなもので、訳のチェックはほとんど受けずに掲載された感じがある。実にあの論系らしい。でもあれではほぼ理解不能だろうね。》

https://twitter.com/FUHITOT/status/1329730985433305088

●2017年4月27日に、法政大学市ヶ谷キャンパスでおこなわれた「エリー・デューリングをかこむ学習と懇談の会」での講演の原稿の日本語訳を、ぼくは関係者から入手していたのだが(「偽日記」2019年9月10日から12日参照)、ネットでPDFを拾えることを発見した。これ、すごく面白いので激推し。「時間の形としての都市 : 東京のパラドックス」(エリー・デューリング、[翻訳]石渡 崇文)。この翻訳は、ぼくが入手したやつとは違うみたいだが(ちゃんと註もついている)。

https://hosei.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=21336&item_no=1&page_id=13&block_id=83