2023/11/25

⚫︎日本だけでなく、世界的な情勢を見ても、代議員制がそもそもやばいのではないかという話を、VECTIONではいつもしている。一度選挙で当選してしまえば、一定期間好き放題というのはどうなのか、と。権力者、いくらなんでもゴリ押ししすぎだろう、と。確かに、権力者は世論調査の結果や、デモなどの動向を気にするだろう。しかし、気にした上でゴリ押しすることができるし、たいていゴリ押しする(選挙が近ければ気にするが、遠ければ気にもせずにゴリ押しする)。選挙という制度は、民意の反映という点に関して、あまりに鈍くて、遅い。だから、人(政治家)や党にではなく、政策や法案、予算案に対して、常時、直接的に投票できるような制度が必要なのではないか。もちろん、完全な直接民主制は不安定だし、継続性の問題や長いスパンの判断ができないという問題があって危険だ。しかし、代議員制と直接民主制とのハイブリッドにはする必要があるのではないか。

(だから、有権者の投票によって法案が決まるというのではなく、直接投票で一定以上の反対があった場合その法案は通せなくなる、というような抑制的に働く形が現状においては適当だろう。また、この投票は「二次の投票」が良いかもしれない。)

昔は、選挙というやり方しかなかった。しかし今なら、有権者によるスクリーミング電子投票が技術的には可能なはず(投票過程の透明性を保証するのは相当大変だと思うが)。

政策や法案への直接投票の他に、例えば、行政が、常態的な世論調査を行っているような形でスクリーミング投票を受け付けていて、その結果や変化を常時表示して、その数字の変化によって権限が抑制されるようにする、とか。ものすごく大雑把な例として、内閣支持率が一定水準以下になったら、その内閣には重要事項の決定権がなくなり、重要事項に関しては一時保留して、内閣の方針や人事の改革で支持率回復を待つか、総辞職して首相を選び直すかしなければならなくなる、とか(実際にこれをやると色々弊害が出そうだし、軍事や外交などについては除外せざるを得ないかもしれない、これは雑なたとえでもっと丁寧なシステムのデザインが必要だ)。

とにかく、「人による判断(裁量)」が忖度や権力の癒着を生む元なので、投票の数字によって権力の制限が裁量なしに自動的に行われるという点が重要。党の重鎮たちの力の駆け引きで物事を決めんな、と。VECITONでは、右だろうが左だろうが、保守だろうがリベラルだろうが、「人のする政治」にとても懐疑的なので、統計的数値がある閾値を越えたら自動的に作動する制度が必要だと考える。判断において「(専門家的な)人の裁量」が必要な場面はあるだろう。だが、裁量の範囲や強さが一定の値を超えた場合に制限をかけることができる制度が必要であり、そしてその「制限の判断」は、人の裁量(権力者たちの駆け引き)ではなく統計的、自動的に行われなければならないのではないかと考える。

(権力と結びついた「利益団体」が、その実際の規模=数以上に強い力を持ってしまうという問題も、直接投票でかなり回避できるのではないか。)

裁量とは権力であり、権力のあるところには権力が集まりがちで、固定された権力は大きくなり、大きくて固定された権力は忖度や癒着や不正の温床となる。そして、独裁者は暴走する。これはさまざまなレベルの権力で起きる。分かり切っていることだが、分かり切っていることを止めることが人にはできない。だから、統計的な数字によって自動的にそれを制限するしかないのではないか。そのために、代議員制と直接民主制をハイブリッドにする必要があるのではないか。

(SNSにおける炎上や誹謗中傷の発生を見ると、直接民主制への不安もないわけではないが、VECTIONは「人のする政治(政治をする人)」は信用しないが、「個人としての人」の大半は日常的、常識的なレベルでは「ちゃんとしている」であろうと信じているという点では人を信用している。だから「議論」ではなく「統計(投票)」が重要だと考える。話をすると、話の上手い奴≒人を騙そうとする奴に誘導されるし、オーディエンスを気にするとアテションの強い方に引っ張られる。多様な個が、個として無記名投票をし、それが統計的に処理されることが重要。もちろん、個々が判断するための十分な情報の提供は必須だ。そしてこの投票は、マイノリティができるだけ損をしないように「二次の投票」であることが望ましいだろうと思う。)

(難問は、この「一定水準」の値をどのように決めるのかということで、ここでまた「政治」が始まってしまう…。おそらく、普段は、リアルタイムでかなり詳細な公的世論調査くらいの力しか持たなくてもいいのだが、「大きな反対」が起こった時には権力者がゴリ押しできない、というくらいの塩梅がいいのだと思う。)

⚫︎bot議員なら、制度を変えずにハイブリッド化が可能。

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