朝帰り。うわっ、今度はマウスとキーボードを結ぶ線をネズミが齧っていた。今までだったら、一、二匹殺せば、警戒してしばらくの間は部屋のなかへは侵入してこなくなってたのに。これはネズミとの全面戦争を覚悟しなければならないのか、などと寝不足のせいかまるで阿部和重の小説の主人公のように大袈裟に興奮してしまう。心を落ち着けつつ、今度はポイントカードを忘れないようにして、ヨドバシカメラへ。マウス購入。昨日の分の日記を書いてアップ。しかし、ネズミはなぜこんなにコンピューターのコードが好きなのか。電磁波好きなのだろうか。眠い目をこすりつつ、午前中のうちにビデオカメラを持って外出。
友人に、あるマイナーなレーベルの主催するクラブのDJを、年末にすることになったので、バックで流すビデオをつくってくれないか、と依頼されていたのだ。報酬は、豪華アジア料理とのこと。前もって、以前つくったビデオ作品を何本かサンプルとして送っておいて、気に入ったのを選んでもらい、だいたいこんな感じで、と、そういう話になった。「お前のだらだらビデオを見て、だらだらした曲を何曲か選曲してみた」とのこと。しかし、だらだらビデオをバックにだらだら音楽では、そんなので本当に客に受けるのか? 大丈夫か? 踊れるのか? まあ、どうせ人のことだから、どうでもいいけど。
ラッシュが終わって、空き始める時間を狙って中央線に乗り込み、撮影。秋から冬にかけての午前中、斜めから光の入ってくる電車のなかはとても光がうつくしいのだ。多分、それは、窓が両側についていて、しかも動いているので、両側から入り込んでくる光が複雑に乱反射して、それが電車の移動とともに常に変化しながら、ゆらゆらと揺れ動いている感じ、だからだろう。それに、電車の車両の大部分は光を反射しやすい素材でできている。
当然のことだけど、電車のなかでビデオカメラをもって撮影なんかしてると、ものすごくうさん臭そうな目で、他の客たちから見られる。だからかなり覚悟がいる。電車のなかの光を撮る、といったって当然乗っている乗客も写ってしまう。というか、撮られることを意識していない素のままの、いかにも電車の乗客です、って感じで存在している人たちの表情やたたずまいを撮るのも、ねらいのひとつ。まあ、誰だってそんなとこ撮られたら気分悪いに決まっている。考えてみれば、これは、覗き、なんかよりもよっぽどタチが悪いことかもしれない。だから、文句をつけられたり、いきなり殴られたりしても仕方がない。それにしても人は何故、電車のなかではあんなに無防備な表情をしているのだろう。(imageのページの「電車=光」を参照してみて下さい、)
その後、街を歩きながら撮影。今日は晴れてあたたかめ。さすがに眠くて頭がぼーっとしてきたので帰ることに。帰りの電車では、無防備な乗客になってぐっすり眠る。
帰って、撮影したテープのチェック。なんとか使えそう。前に撮ったものと合わせて編集すればなんとかなるでしょう。編集は、また後でいいや。しかし、ネズミをどうするべきか。