●胸がムカつき、吐き気がするほど暑い。白いシャツ、白い壁、白い看板、催し物用のテントの白い屋根、等に反射した光が眩しく目に突き刺さる。アスファルトからの照り返し。湿気を帯びた熱気が足元から、もわ~っ、と昇ってくる。
剪定作業をしている造園業者。アタマにタオルを巻き、長そで、手袋で、汗だくだ。片刃のチェーンソーのようなもので、大胆にざっくりと植物を刈り込んでゆく。斬り付けられた植物の痛々しい切り口から、ツンとするほど濃い、緑の刺激臭が立ち昇り、もわ~っとした熱気と混じって辺りに蔓延する。チェーンソーのたてるギューン、ガガガガーッ、という音が、さらに暑苦しさをまきちらしている。空気がゆらゆらするし、アタマもゆらゆらする。
駐車場のまわりを取り囲むようにして、こぼれるほどに咲いているくちなしの白い花から漂ってくる甘くて強い香りさえも、この湿った暑さのなかでは、重くしつこく胃のなかに粘って沈澱している食べ物のように鬱陶しくて、みぞおちのあたりを圧迫して、ムカつきを増幅させてしまう。
●Oさん(男性)に、手作りのアジアンテイストのデザート・コースを御馳走になった。マンゴー入りアンニン豆腐。マンゴーをキンキンに冷やしたものを細かく切り、マンゴープリンをシャーベット状にしたものと合わせ、ヨーグルトで和えたもの(これは無茶苦茶美味しかった。冷やしたマンゴーは何故か枇杷を思わせる味。)。タピオカ・ココナッツに、中国茶の茶葉を混ぜたもの。その後何故か、エスニック風のホイコーロー丼を作ってくれて、最後のデザートは、しゃりしゃりに凍らせたタピオカ・ココナッツ。なんか出鱈目な取り合わせというか、Oさんがテキトーにいろいろ試したものを、ぼくが分けてもらって味見した、ということなんだけど、暑かったし、このテのものを食べなれてないので、とても美味しかった、というか、新鮮だった。しかし、どうやらOさんは普段から1人でこんなものばかり食ってるらしい。